’21年4月に条例改正をしたことで区立自転車駐車場に自動二輪も受け入れ可能となった江東区だが、他の都内区市町村はどういう状況だろうか。条例を定めている各自治体ごとに放置駐車対策への取り組みと駅前放置車両の数を照らし合わせた。
●文:ヤングマシン編集部(田中淳磨)
条例改正が求められる東京の自治体は?
各自治体の条例名称は様々なので割愛するが、放置駐車対策の対象を見ると、原付一種は多くの自治体で対象となるも、自動二輪を対象としているのは全49自治体中でわずか10しかない。また、商業施設などに駐車場整備の設置を義務付ける附置義務に自動二輪を含めているところはない。民間駐車場の整備に助成金を設定している自治体も20しかないのが現状だ。
駅前放置数は「駅前放置自転車等実態調査」に基づいている。この調査は国が隔年で行い、全国調査が行われない年には東京都が単独で行っている。なお、内閣府は放置車両対策が十分に進んだとして’13年の調査から原付と自動二輪を調査対象から外しているが、東京都の調査では現在も含まれている。ちなみに、”駅前”の定義は、鉄軌道駅から半径500m以内の区域を指す。
調査結果には、自治体ごとの車両の保有・流入台数、駐車場の数といった母数の違いや地域住民のマナーやモラルも影響する。あくまでも目安にしかならないが、葛飾区では原付一種も自動二輪も放置駐車が多いようだ。また、江東区は自動二輪の放置数が多いが、条例改正により区立自転車駐車場への受け入れが進んで民間駐車場にも波及していけば、徐々に減っていくだろう。
江東区の条例改正を実現した東京オートバイ協同組合と公明党のタッグのように、都内はもちろんのこと、全国各地で二輪団体等による積極的な活動を期待したい。
都内区市町村の放置駐車対応(’20年6月末)と区市町村内の駅前バイク放置駐車数(’20年)
区市町村(条例のない4市町村を除く)の放置自転車等に対する取り組みは条例の対象車両や附置義務、助成金の有無に見て取れる。23区内は都下に比べれば圧倒的に車両の数が多いが、自治体による対策強度と駅前の放置車両数とはある程度比例しているようだ。自治体ごとの課題も見えてくる。
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