
新型ブルターレ800RRに装備されたSCSを体感した。そこにはなんのデメリットもなく、快適性とスポーツ性が融合。ライディングの幅を広げてくれる、新しい世界があった。
●文:ライドハイ(伊丹孝裕) ●写真:長谷川徹
発進時ですらクラッチ操作いらず
車名にも示されている通り、新型ブルターレ800RR最大のトピックは「SCS(スマートクラッチシステム)」の採用にある。これは自動遠心クラッチのような機構で、スーパーカブのギヤチェンジをイメージしてもらうと分かりやすい。発進・加速・巡航・減速・停止のすべてにおいてクラッチレバーを握る必要はなく、左手はただハンドルに添えていればいい。
クイックシフターの精度がどれほど高くても、ストップ&ゴーの際には必ず左手の操作を要し、渋滞や極低速走行時は一定の握力と繊細な動きが求められる。SCSにはその煩わしさがなく、四輪のセミオートマチック車のように、然るべきタイミングでシフトペダルをアップダウンさせるだけで済む。
手順はごく簡単だ。エンジンを始動させ、発進の準備が整ったならシフトペダルを1速へ踏み込むだけ。この時ですらクラッチレバーに触れなくてよく、もしもカツンというショックが気になるようなら、通常のMT車のようにレバーを握れば軽減される。メーターディスプレイに「1」の表示が出れば、1速に送り込まれている証拠だ。そこからスロットルを軽く開けるとスルスルと車体は動き出し、特別なコツもスキルも必要ない。
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