2021年8月8日に決勝が行われるスティリアGP(オーストリア)にて、2018年までMotoGPで活躍し2019年以降はKTMのテストライダーを務めているダニ・ペドロサと、2020年限りでMotoGPから引退しヤマハのテストライダーに就任したカル・クラッチローの2人が、それぞれワイルドカード/代役参戦することがわかった。
KTMのパフォーマンス向上に大きく貢献したペドロサ
2021年8月8日決勝のスティリアGPにて、ダニ・ペドロサがワイルドカード参戦する。2006年~2018年の長きにわたってホンダからMotoGP最高峰クラスに参戦していたペドロサは、31回の勝利と112回の表彰台を獲得。この勝利数は4度の世界チャンピオンを経験しているエディ・ローソンに並ぶ数字であり、チャンピオンを獲れなかった選手としては破格の数字である。
また、2003年は125ccクラス、2004、2005年には250ccクラスで世界チャンピオンになっており、まさしくレジェンドと呼ぶにふさわしい。
そんなペドロサの最後のグランプリは、ほぼ1000日前となる2018年の最終戦バレンシアGP。最高峰での13シーズンを含む、18年間におよぶホンダとの関係を終了し、2019年からはオーストリアのKTMでテストライダーとしてMotoGPマシン・RC16の戦闘力を高めてきている。
KTMのホームGPでのワイルドカード参戦は以前から噂されており、期待していたファンも多いはずだ。「侍」ヘルメットが疾走する姿を見られる日が、今から楽しみで仕方がない!
ダニ・ペドロサのコメント
「KTMとともに、このプロジェクトの最初から関わり、私の経験を彼らと共有してきたことはとても興味深いことでした。これまでステップバイステップで最善を尽くしてきましたが、再びレースに参加することになり、通常のテストとは異なる視点が得られるのは、これも非常に興味深いことです。前回のレースからブランクがあり、もちろんMotoGPに参戦する際のメンタリティはテストとは大きく異なります。 スティリアGPでは、レースだからこその状況でバイクをテストすることにフォーカスしていきたい。KTMのライダーたちがさまざまなセッションやテクニカル面に対してどのような要求をするのか、理解したいと思います。もちろん自宅で見ていても、バイクの進歩を感じることはできますが、現在のMotoGP、新しいテクノロジー、レースでの戦略などについて理解するために、ワイルドカード参戦を決めました。競争から遠ざかっていたのて、私にどの程度の期待ができるのかを話すのは難しいですが、私たちはできる限り週末を楽しむように努めていきます」
テストライダーとしてヤマハに復帰したカル・クラッチロー
ペトロナスヤマハSRTは、左膝の手術からリハビリに専念しているフランコ・モルビデリの代役として、サマーブレイク明けの第10戦スティリアGP、第11戦オーストリアGP、第12戦イギリスGPの3戦について、ヤマハのテストライダーを務めるカル・クラッチローを起用することを発表した。
クラッチローは2020年限りでMotoGPを引退し、MotoGPデビュー時の2011年~2016年に所属したヤマハへテストライダーとして復帰(2014年はドゥカティ、2015年~2020年はホンダ)。2019年、2020年と苦戦が続いてきたヤマハYZR-M1の戦闘力を取り戻すために日々貢献している。
引退年となった2020年は、クラッチローの地元GPであるイギリスGPが新型コロナウイルス感染症の影響で中止になっており、最後に地元レースを走ることができなかったクラッチローにとっては感慨深いものがありそうだ。
カル・クラッチローのコメント
「今年、オフィシャルテストライダーとしてヤマハに戻り、全員にとって必要なときにレースに関われるのは素晴らしいこと。ペトロナス・ヤマハ・セパン・レーシング・チームのために3連戦を走ることが楽しみです。もちろんこれは最善の状況ではなく、フランコ・モルビデリが順調に回復し、膝の手術から力強く戻って来ることを願っています。彼はこの2年間で素晴らしい走りを披露してきましたから、確実にその走りを取り戻していくでしょう。
今年はバイクに乗れる日数が限られていたので、この3戦に向けた目標を設定することは難しい。バイクを理解することを努めようと思っています。(普段テストしている最新型と、モルビデリが駆る従来型ベースの)バイクを比較できるので、ヤマハのために多くのデータを収集できるはすです。非常に競争力の高いクラスに投げ込まれるような感じですが、グリッドに戻る日が本当に楽しみです。
オーストリアでチームに会えることが楽しみです。ウィルコ・ズィーレンベルグは2009年にスーパースポーツ選手権で参戦(チャンピオンを獲得)した当時のチームマネージャーであり、ヨハン・スティグフェルトとは数年間に渡って競ったことがありますから、馴染みの顔が何人がいます。彼らと一緒にグリッドに戻れることは大きな喜びです」
※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
ヤマハ創立から10日後にレース活動を開始、1961年からWGPに参戦して通算511勝を重ねる ヤマハ発動機は1955年7月1日に創立されたバイクメーカー。なんと創立から10日後にはレース活動をはじめ、[…]
カタールGPの60周年記念YZR-M1に続け! より市販車をイメージさせる60周年YZF-R1 ヤマハは今年、MotoGP開幕前の公式テストが行われたカタールのロサイルインターナショナルサーキットにロ[…]
2020年の中止を挟んで、鈴鹿にジョナサン・レイ選手が帰ってくる! 2019年の鈴鹿8耐では最後にオイルに乗って転倒したものの、レースの赤旗終了が1周繰り上げられたためカワサキレーシングチーム(KRT[…]
10回目のチャンピオンを獲得した中須賀克行くん MotoGPはタイGPの中止が発表されましたね。とても残念ですが、世界的にもまだ新型コロナウイルスが猛威を振るっている状況なので、仕方ないのかな、と思い[…]
乗りやすさが格段に進化した2020年のマシン 2020年シーズン、KTMは大きく躍進した。第4戦チェコGPでブラッド・ビンダーが初優勝を飾り、ポル・エスパルガロは3位を5度獲得。さらに、サテライトチー[…]
最新の記事
- 藤波貴久×RTLエレクトリック、宣言通りの優勝! 世界選手権引退後、21年ぶりの全日本で
- ホンダが電動トライアルバイク「RTLエレクトリック」で全日本トライアル参戦! ライダーは元世界チャンピオンの藤波貴久
- 独尊の水冷V型2気筒クルーザーに待望の250が登場! ヒョースン「GV250」シリーズ3機種を一挙発売
- ヤマハの新型モデル「YZF-R9」日本発売は2025年春以降! ウイングレット装備の3気筒スーパースポーツ
- 【正式発表間近】カワサキが「W230/メグロS1」「KLX230/S/SM」の発売時期を明らかに!
- 1
- 2