
ヤマハの’21新型MT-09/SP発売と合わせて、その派生機種「トレーサー9 GT」も7月28日に国内発売される。MT-09と基本コンポーネントは共有するものの、フレームには専用チューニングを施すとともに前後電子制御サスペンションを搭載するなど、劇的な進化を遂げている。それでいながら価格が150万円を切るというのもまた魅力だ。
●まとめ:大屋雄一 ●情報提供:ヤマハ
国内仕様はSTDが廃止され上級版GTのみに
MT-09の派生モデルであるトレーサーも’21年型でフルモデルチェンジ! 車名はシンプルに「トレーサー9」となった。新型MT-09と同様の新型フレームや軽量ホイールなどを採用するほか、電子制御サスやコーナリングライトなどを導入。欧州では従来と同様にSTDとGTの2本立てだが、国内では電子制御サスペンションを装備する上級版の「GT」のみに一本化された。これによって車両価格は23万1000円アップしたが、それでも電サス付きとしてはBMWのF900XR(プレミアムライン)に比肩する設定であり、競争力は十分以上に高いと言える。
【’21 YAMAHA TRACER9 GT ABS】■全長2175 全幅885 全高1430~1470 軸距1500 シート高810~825(各mm) 車重220kg ■水冷4スト並列3気筒DOHC4バルブ 888cc 120ps[88kW]/10000rpm 9.5kg-m[93Nm]/7000rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量18L ■ブレーキF=Wディスク R=ディスク■タイヤF=120/70ZR17 R=180/55ZR17●色:銀 赤 灰 ●価格:145万2000円 ●発売日:7月28日 ※写真色はブルーイッシュホワイトメタリック2
排気量を845→888ccに増やすなど刷新された新型MT-09の水冷トリプルを搭載。最高出力は09と同様に116→120psへと向上している。クイックシフターはアップのみだった先代からアップ&ダウン対応となり、クラッチの操作荷重も低減。
新型MT-09のアルミフレームをベースに、剛性バランスをスポーツツアラーとして最適化。スチール製のシートレールは専用設計で、スイングアームも60mm延長しつつ高い剛性と軽量化を両立する。
【KYB製の電サスを新採用!】KYBと共同開発した電子制御の前後サスペンション「KADS」を新採用。IMU/ECU/HU(ハイデュラリックユニット)からの情報をベースに減衰力を最適化。スポーティな走り主体と快適性重視の2つのモードを設定する。
【R1にも通じる個性的な顔】YZF‐R1のように最下段をヘッドライト、その上にポジションランプを配置した新型フロントフェイス。ヘッドライトはモノフォーカスLEDだ。なお、大型ウインドスクリーンの高さを5mm単位で10段階にアジャストできるのは先代譲りだ。
ウインドスクリーンのすぐ下、ポジションランプの内側にあるのがコーナリングライトだ。5km/h以上/バンク角が7度以上で点灯を開始し、バンク角が深くなるほどに明るくなる。
メーターはスクエアなフルカラーTFTから、3.5インチのダブルTFTへ。左のメイン画面は回転数に応じて色が変化するバーグラフ式の回転計をはじめ、各種の情報を表示。右画面は任意に選択した4つの情報を拡大表示できるので便利だ。
【’20 YAMAHA TRACER900 GT ABS:’18年で上級版のGTが追加】’15年に「MT-09トレーサー」として登場。’18年にモデルチェンジして「トレーサー900」となり、豪華な装備を持つ上級版の「GT」が追加された。アドベンチャーを彷彿させるスタイリングだが、ヤマハではあくまでもスポーツツーリングモデルとして位置付けている。●価格:79万2000円
【電サスモデル国内最安!】YZF-R1のものと同等の性能を持ちながら、サイズはほぼ半分で40%も軽量な新開発の6軸IMUを搭載。これがTCS/SCS/LIFにデータを提供するほか、電子制御サスやコーナリングライトの制御にも貢献。ヤマハの中でもっとも電脳化の進んだスポーツツアラーと言えよう。
※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
MT-09の兄弟車ながらフレームは専用チューニング、電子制御サスペンションも初搭載! ヤマハは2021年モデルとして新型の「トレーサー9 GT ABS」を2021年7月28日に発売する。同時デビューの[…]
2021新車バイクラインナップ>日本車>大型アドベンチャー 最新潮流解説 YAMAHA:トレーサー9/GT|トレーサー7/GT|テネレ700 HONDA:NC750X/DCT|CRF1100Lアフリカ[…]
2021年モデルの国内販売予定車は今のところ3機種 ヤマハは、2021年モデルとして欧州と北米で発表したモデルのうち、「MT-09 ABS」と「TRACER9 GT」、「MT-07」を日本で2021年[…]
トルクフルな新890ccエンジンに新設計フレーム、独自製法の軽量ホイール ヤマハはMT-09、MT-07に続いて2021年モデルの「TRACER 9」および「TRACER 9 GT」を欧州で発表した。[…]
MT-09の並列3気筒エンジンとフレームを受け継いだツーリングモデル「トレーサー900」。ストロークの長いサスペンションを持ち、シート高も2段階に調整できるなど、オンロードを中心にマルチパーパスな舞台[…]
最新の記事
- [祝! 2025MotoGP開幕] かつてのロッシvsマルケスのバトルはダイネーゼとアルパインスターズの代理戦争だった!? レーシングスーツ戦国絵巻を振り返る
- よりクラシカルな”C”登場! ホンダ「GB350シリーズ」歴代カラー大図鑑【2024年モデル】
- バイク雑学/DIY裏技、2スト予想まで。ヤングマシン人気記事ランキングTOP10【2025年2月版】
- エアバッグ内蔵ジャケット【2025のおすすめモデル】 スタイル、汎用性、そしてコストを重視するならHit-Air
- 「2輪ターボ車第1号! 」1980年代”ターボ戦国時代”の幕開け:ホンダCX500ターボ【あの素晴らしい名車をもう一度】
- 1
- 2