ヤマハは、トレーサー900/GTからフルモデルチェンジしたブランニューの「トレーサー9 GT ABS」を2021年モデルとして発売する。新型MT-09と同じ新888cc並列3気筒エンジンを搭載し、足まわりにはスピンフォージドホイールやKYB製前後電子制御サスペンションを奢っている。価格は145万2000円だ。
MT-09の兄弟車ながらフレームは専用チューニング、電子制御サスペンションも初搭載!
ヤマハは2021年モデルとして新型の「トレーサー9 GT ABS」を2021年7月28日に発売する。同時デビューの新型MT-09とエンジンなどの基本は共有しているが、フレームには専用チューニングを施し、IMUを活用した電子制御サスペンションやコーナリングランプといった最新装備を奢る。スポーツツーリングモデルとして“全部入り”と言える構成だが、この内容で150万円を切る価格を実現したこともトピックだ。
フレームは、ヘッドパイプ手前のステーやシリンダーヘッド左右のエンジン懸架ブラケットをチューニングし、荷物満載やタンデムの機会も多いスポーツツーリングモデルとして最適化した剛性バランスを実現。サブフレームも専用設計とし、高速安定性やタンデム居住性を確保している。スイングアームもMT-09比で60mm長い専用設計だ。さらに、純正アクセサリーのサイドケース、トップケースの計3バッグを搭載可能。
ホイールはMT-09と同様にスピンフォージドホイールを採用し、鋳造ながら鍛造並みの強度と靭性のバランスを実現。従来のトレーサー900比で前後合計約1000gの軽量化と、慣性モーメントをフロント11%、リヤ15%軽減し、これに専用チューニングを施したブリヂストン製バトラックススポーツツーリングT32を履く。
また、新型MT-09と同様に軽量コンパクトなIMUを搭載。バンク角連動のトラクションコントロールシステム、旋回をサポートするスライドコントロールシステム、ウイリー抑止のリフトコントロールを盛り込み、それぞれ介入レベルの調整およびON/OFF設定が可能だ。また、コーナリングランプや電子制御サスペンションの制御にもIMUが活用されている。
KYB社とヤマハの共同開発による電子制御サスペンション「KADS((KYB Actimatic Damper System)」は、IMUとECU,そしてHU(Hydraulic Unit)の情報に基づいてSCU(サスペンションコントロールユニット)が減衰力をリアルタイムに最適化する仕組み。減衰力調整機構にはヤマハ初となるソレノイド駆動を用いており、短時間で大きく減衰力を調整できため、高い路面追従性を実現している。モードはドライとウエットの2モード。
ヘッドライトまわりのデザインはどちらかというとYZF-R1寄りで、猫目のようなLEDポジションランプにモノフォーカスの左右LEDヘッドライトを備えている。スクリーンやフロントカウル、ブラッシュガードといったウインドプロテクション装備はコンパクトにまとめられ、コンパクトな3.5インチダブルTFTメーターによって広い視界やハンドル切れ角を確保した。
そのほか、10段階に調整可能なグリップウォーマーやクルーズコントロールシステム、アップ&ダウン対応のクイックシフターも標準装備。スクリーン高は5mm単位で10段階に調整可能で、シート高はトレーサー900比で40mm低い810mmに抑えられ、ステップとハンドルバー、ライダー側シートはそれぞれ2ポジションに調整可能だ。
前後に電子制御サスペンションを採用するマシンとしてはかなりのリーズナブルな価格を実現していることも特筆しておきたい。電サスを装備するマシンのほとんどは200万円オーバーになっており、BMWのF900XRは最安値ではあるものの電子制御はリヤのみ。この内容で150万円切りはバーゲンプライスと言ってよさそうだ。
YAMAHA TRACER 9 GT ABS[2021 model]
【YAMAHA TRACER 9 GT ABS[2021 model]】主要諸元■全長2175 全幅885 全高1430 軸距1500 シート高810/825(各mm) 車重220kg(装備)■水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ 888cc 120ps/10000rpm 9.5kg-m/7000rpm 変速機6段 燃料タンク容量18L(ハイオク指定)■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●価格:145万2000円 ●色:銀、赤、灰 ●発売日:2021年7月28日
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