昨年11月発表のグループビジョン2030

謎の水素バイクも登場?! カワサキモータース株式会社、10/1発足…ビモータ等の協業も推進

川崎重工は、昨年11月に発表したグループビジョン2030にもとづき、モーターサイクル&エンジン事業を担う新会社「カワサキモータース株式会社」を発足させると発表した。グループ唯一のB to C事業としてカワサキブランドを牽引し、他社との協業や提携を推進。脱炭素への取り組みも強化していく。

電動化やハイブリッド、さらには水素燃料への対応も……!

川崎重工は2021年6月1日、新会社「カワサキモータース株式会社」を2021年10月1日に発足させることを発表した。これは2020年11月に明らかにされたグループビジョン2030にもとづき、社内カンパニーだった「モーターサイクル&エンジンカンパニー」が独立分社化されるもの。同様に「車両カンパニー」も新会社「川崎車両株式会社」として発足する。

現在のモーターサイクル&エンジンカンパニーは、グループ唯一のB to C事業としてカワサキブランドを牽引し、国内251cc以上の小型二輪カテゴリーでは3年連続トップシェア。国内市場401cc以上の大型二輪販売台数は、2016年度比で80%増となっている。また、国内における新規顧客登録年齢層別比率では、2017年度比で20代のユーザーが60%増と伸長した。

北米市場ではオフロードバイクや、サイドバイサイドと呼ばれる4輪が人気で、引き続き市場が拡大する見込み。また、イタリアの高級バイクメーカーである「Bimota」や台湾の「キムコ」との協業・提携を強化し、趣味性の高いバイク製品の開発や、米国オフロード四輪事業の成長を加速する。

カワサキが誇るニンジャH2のスーパーチャージドエンジンを搭載し、フレームレス構造のハブセンターステアリング機構で独自の世界を切り拓くビモータ「TESI H2」。世界限定250台で価格866万8000円。

脱炭素への取り組みとしては電動バイクの開発にも積極的で、ハイブリッド化や水素燃料への対応といった開発も加速するとともに、業界内での連携も強化していくという。

川崎重工は、再生可能エネルギーから水素を製造・液化して日本へ輸入するというグリーン水素プロジェクトを推進し、商用化に必要な技術は2022年度末を目標に開発完了するとしている。オーストラリアで風力や太陽光によって発電し、これにより水素を製造。大型液化水素運搬船で日本へ運んで利用するというもので、ほかにも舶用水素燃料エンジンをヤンマーパワーテクノロジー、ジャパンエンジンコーポレーションと3社で共同開発することや、水素航空エンジンを搭載した水素航空機の開発への参画(2035年以降に市場投入)なども明らかにし、水素シフトとも言える布陣を強化している。

そうして川崎重工がインフラを作れば、カワサキモータースのバイクが水素燃料や電動モーターを使用したモーターサイクルを開発することにも説得力が増す。我々バイクファンとしては、カワサキらしい製品が電動やハイブリッド、水素など動力源にかかわらず展開されることを期待したい。

グループビジョン2030の進捗報告資料には、さらなる水素関連製品・事業の展開として水素ビークルの姿も。

カワサキのEV Prolect

ハイブリッドMC

BimotaはKB4をスタンバイ!

ビモータはスーパーチャージドエンジンを搭載したテージH2に続き、ニンジャ1000SXの自然吸気並列4気筒エンジンを搭載するKB4も間もなく登場させる。イタリア本国ではホモロゲーションのためのテストが行われており、近日中には最終版が公開されそうだ。日本への導入はテージH2同様にモトコルセが行うはずなので、情報が入り次第お届けしたい。

ビモータはKB4の開発中の姿をSNSでたびたび公開している。いよいよ大詰めも近い様子がうかがえる。


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