’20年に新設計の250cc4気筒・ニンジャZX-25Rを発売して、世間を大いに賑わせたカワサキ。企画開発能力の高さで勝負する同社の次なる一手は何なのか? われわれヤングマシンは、大ヒットしたZ900RSの後を受けて「RS」をシリーズ化することに思いを馳せた。ZX-25Rをネイキッド化した「Z250RS」をはじめ、そのバリエーション展開を予想する。
●CG:白圡学
シリーズ展開強化のカワサキ。弟RSは2気筒か4気筒か!?
’20年に完全新設計の250cc4気筒を引っ下げたニンジャZX-25Rを送り出し、企画開発能力の強さを世に知らしめしたカワサキ。この後に続くのは、どんなニューモデルか? 400cc4気筒もあるのか? そんな期待を抱いている人もいることだろう。
そんなカワサキは現在、大胆な戦略を構想中だという。2輪部門(モーターサイクル&エンジンカンパニー)が川崎重工から分社化されることが決まったが、昨今の2輪をとりまく急激な環境変化に対応するため、まずは魅力的なバリエーションモデルの拡充に注力。そして’20年代中盤以降から、未来を見据えた次世代モデルを続々と投入して攻勢をかけるというのだ。
となると、その間に可能性のあるバリエーションモデルとして真っ先に思い浮かぶのは、大ヒットしたZ900RSの後を受けたRSのシリーズ化。なにしろカワサキは、ストリートファイターのZ900をまったく趣きの違うZ900RSへと見事に仕立てた実績を持つ。次作として可能性が高いのは世界的な市場があるミドルの650版だろうが、それが現実となれば400も同手法でネオレトロ化できるだろう。
さらに気になるのが、ZX-25Rを使った派生モデル。何かしらのプランがあるのは確実なようで、おそらくネイキッド版に間違いないだろう。カウルレスで露出したエンジンは、クラス唯一の直4というカワサキ技術力の高さをこれまで以上に認知させることができ、ブランド力強化にもピッタリだ。そこでヤングマシンが予想するのは、ズバリZ900RSの弟版となる「Z250RS」だ!
YM未来予想その1=Z250RS:唯一の250cc4気筒ネイキッド誕生か?!
RS化するなら、ニンジャシリーズのように意匠を統一するのが現代の鉄則。兄貴分900に忠実なフォルムは外せない。エンジンは4気筒なのでもうバッチリだ。
【ベースモデルは新生250cc4気筒のZX-25R】エンジンから車体まで完全新設計で生まれたニンジャZX-25R。特にその直4エンジンは開発コストも膨大だったはずで、採用するのが25Rの1台のみではヒットしたとは言えずコストを回収するのも大変。そのためコンポーネントを共有する兄弟モデルの展開は、現代ではどのメーカーにしても当然の流れだし、それが25Rの兄弟モデルとくれば話題作りとしては申し分ない。ネイキッド版が登場するとすれば、現行Z250のようなストリートファイター系とするのがフレーム改修の手間も少なく現実的か。だがもう少し頑張ってZ250RSを作り出せば、さらなる大ヒットも狙えるのでは?
主要諸元■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ249cc 45ps/15500rpm 2.1kg-m/13000rpm ■184kg(SE) シート高785mm 15L ■タイヤF=110/70R17 R=150/60R17 ●価格:82万5000円/91万3000円
YM未来予想その2=Z650RS:2気筒の現代版ザッパー
次なるRSシリーズとして海外でも噂になっている最有力候補が、現行Z650をベースとした「Z650RS」だ。なにしろこの排気量には’70年代に”ザッパー”の愛称で名を馳せた旧Z650が存在。同じ車名を受け継ぐならそのスタイルも受け継いでもらいたいと願ってるファンも多いだろう。エンジンは2気筒になってしまうが、ベース車両価格からして100万円切りの価格帯に投入されるなら大いに魅力的だ。
YM未来予想その3=Z400RS:快速400ベースの現代版ゼファー
Z900RSは最近、ゼファーシリーズのイメージを汲んだカラーリング展開も開始。そこで思い出すのが、ネイキッドブームで全盛を誇ったゼファー400だ。その再来として、Z400をベースとした「Z400RS」でこのクラスに喝入れを。250クラスの軽量車体と余裕ある排気量の組み合わせは、旧ゼファーよりも普段使いからツーリングまで気楽に楽しめる。ただ、この400版の可能性は現状でもっとも少ないかも。
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