●写真:カワサキモータースジャパン
カワサキモータースジャパンは、海外で先行発表されていた新型「ニンジャZX-10R」および「ニンジャZX-10RR」の国内仕様を正式発表した。発売日は10Rが2021年5月28日で、10RRは6月25日。ベースモデルはリーズナブルに抑えつつ、ホモロゲ仕様では国産最高値という振り幅で、3年間のカワサキケアも含まれている。
さすがカワサキ割り切った! 狙うはスーパーバイク世界選手権7連覇
全身リファインとしては2016年以来、外装デザインに関しては実に2011年以来の大幅刷新を遂げたニンジャZX-10R。従来型をベースに、出力特性や冷却性能を向上したほか、車体ディメンション、電脳デバイスの熟成も進んだ。
海外での先行発表に続き、国内仕様の詳細が判明した。レースの公認取得モデルとしての役割を持つ10RRは、ついに300万円の大台に乗り、国産スーパースポーツで最も高額な1台となった。本作は、スーパーバイク世界選手権でジョナサン・レイが駆り、前人未踏の6連覇中。勝利を狙うため、妥協なく戦闘力を上げた結果だ。
10R/RRともに、3年間の定期点検やオイル交換などが含まれるカワサキケアモデルの対象になったことも価格アップの一因。多岐にわたる変更点(関連記事参照)やアフターケアも考慮すれば、むしろ妥当だろう。
とはいうものの、ベースモデルのニンジャZX-10Rは229万9000円と、スズキGSX-R1000Rに次ぐリーズナブルさ。市販車スーパースポーツのシェアでも覇権を狙う。
ちなみに、特別なモデルにのみ許されるカワサキのリバーマークが、SBKでの偉業により、過給機なしの量産車で初めて付与された。トップブリッジにも装着されている。
発売日は10Rが2021年5月28日で、10RRは同6月25日となっている。
KAWASAKI Ninja ZX-10R[2021 model]
従来型と同様、狙うは「レースでの勝利」。実績ある基本構成をベースに、エンジンは最高出力203psを堅持しながら排ガス規制ユーロ5に対応し、新採用の空冷オイルクーラーなどで冷却性能を上げた。車体はリヤアーム長やフォークオフセット変更などで軸間距離を+10mmアップ。自慢のバランスフリー前後ショックは、サーキット走行を重視した新規セッティングを施し、全体的に軽快感アップを狙う。シート後端部とステップ位置を5mm上げ、ライポジもより戦闘的に。電脳では、パワーとトラコンが連動するライディングモードに加え、オートクルーズまで新採用。待望のカラー液晶メーターも獲得した。
【KAWASAKI Ninja ZX-10R[2021 model]】主要諸元■全長2085 全幅750 全高1185 軸距1450 シート高835(各mm) 車重207kg(装備)■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 998cc 203ps/13200rpm(ラムエア加圧時213.1ps/13200rpm) 11.7kg-m/11400rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=190/55ZR17 ●価格:229万9000円 ●色:ライムグリーン×黒、黒 ●発売日:2021年5月28日
KAWASAKI Ninja ZX-10RR[2021 model]
シングルシートが象徴するように、エンジンの高回転化や専用ホイールで戦闘力を高めたレース用ホモロゲーションモデル。通常版より+1psの204psを発生する。SBKで実績のあるPankl社製チタンコンロッドを2019年型から採用するが、新たに同社製の軽量ピストンも投入。新設計カムシャフトやバルブスプリングも与え、レブリミットを1万4300→1万4700rpmとした。さらにパワーバンド自体も500rpm高めることで、限界域の性能を向上している。最高出力は不変ながら、ラムエア加圧時は10R/RRともに従来比1.1ps増の213.1ps/214.1psをマークする。
【KAWASAKI Ninja ZX-10RR[2021 model]】主要諸元■全長2085 全幅750 全高1185 軸距1450 シート高835(各mm) 車重207kg(装備)■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 998cc 203ps/14000rpm(ラムエア加圧時214.1ps/14000rpm) 11.4kg-m/11700rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=190/55ZR17 ●価格:328万9000円 ●色:ライムグリーン ●発売日:2021年6月25日
価格はケア費用込み
カワサキケアモデルは、3年間の定期点検とオイル&フィルター交換費用が車両価格に組み込まれている。料金はお得な設定だ。
チカラの厚みはSTD、キットパーツで別ものになる10RR
※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
ついにリバーマーク獲得! カワサキの威信をかけたモデルチェンジだ カワサキは、先行登場させていたレーサー版のNinja ZX-10RRに続いて市販車バージョンの「ニンジャZX-10R」および「ニンジャ[…]
怪物的な見た目だが速さも一級品! 市販車の発表前にウインターテストのレーシングバージョンが公開され、少なくともエアロダイナミクスについては大きな変革がなされたことが判明している新型「ニンジャZX-10[…]
ヤマハYZF-R1/M:ユーロ5対応に加えドライバビリティも向上。ポテンシャル進化でライバル勢を迎撃 新型YZF-R1/Mは、'15年に初登場した従来型をベースとし、エンジンをユーロ5規制に対応させな[…]
ヤマハYZF-R1/M:コンマ1秒も無駄にせず、確実に速さにつなげていく 今回のYZF-R1/Mは、ユーロ5に対応するとともにエンジンを熟成。さらに電子制御まわりやサスセッティングの最適化、そして空力[…]
スズキが東西モーターサイクルショーの代替として展開したWEBモーターサイクルショーにおいて、GSX-R1000RおよびGSX-R125の特別カラーが参考出品されたのは記憶に新しい。このうち、GSX-R[…]
最新の記事
- ホンダが電動トライアルバイク「RTLエレクトリック」で全日本トライアル参戦! ライダーは元世界チャンピオンの藤波貴久
- 独尊の水冷V型2気筒クルーザーに待望の250が登場! ヒョースン「GV250」シリーズ3機種を一挙発売
- ヤマハの新型モデル「YZF-R9」日本発売は2025年春以降! ウイングレット装備の3気筒スーパースポーツ
- 【正式発表間近】カワサキが「W230/メグロS1」「KLX230/S/SM」の発売時期を明らかに!
- 【SCOOP特別編】ホンダ新型CB400は…こうなる!! プロがその姿を大胆予想〈③装備&デザイン編〉
- 1
- 2