●文/写真:モトメカニック編集部 ●取材協力:パパコーポレーション
我々サンデーメカニックの間でもリピーターが多く、その走りに定評のあるエンジンオイル添加剤が「スーパーゾイル」だ。これまで使ってきたブランドオイルはもちろん、メーカー純正オイルに添加することで、より一層安心できるようになるのが特徴でもある。オーバーホール直後のエンジン始動時はもちろん、新車時から利用することで、数年後にはその違いを体感できるようになるとも。本記事では、久々に復活を果たして、エンジン始動を待つベベルLツインドゥカティに処方してみよう。いよいよ走り始める!!
大切な愛車はオーバーホール直後こそ大切にケアしたい
エンジンを分解し再び組み立てる際には、ベアリングや金属同士の摺動部、各ギヤなどにエンジンオイルを塗布したり、極圧部分に二流化モリブデングリスを薄く塗ったりする。組み立て直後のエンジンを車体に搭載し、エンジン始動=通称”火入れ”する際には、エンジン排気量が小さくても大きくても、常にドキドキするものだ。そんな時に、先を急ぐのは要注意。ひとつひとつの段取りを確認しながら作業進行したいものである。
エンジン搭載後は、電気系を接続してエンジンオイルを注入。その際は、規定上限まで入れてしまうのではなく、点検窓やオイルフィラーに付くディップスティックを確認しながら、まずはオイル量の下限から真ん中あたりにレベルを合せよう。
次に、スパークプラグをすべて抜き取り、無負荷でキックを踏み込んでみよう。もしくは腕でキックを降ろしクランクシャフトを回転させてみる。レース仕様でキックアームがない場合は、ギヤをセカンドへ入れ、リアタイヤを空回させるのが良い。
スパークプラグを締め付けていない状態なので、キックの踏み込み抵抗は極めて少なく、スムーズにクランクシャフトは回転するはずだ。脚で踏み降ろしたり腕で作動させるにしても、キックアームを連続的に20回はフルストロークさせてみよう。リアタイヤを空転させる際には、10回転は回したいものだ。
このように無負荷状態でクランクシャフトを回転させることで、オイルポンプがエンジンオイルを吸い込み、オイル通路を伝わり潤滑各部へ。エンジンオイルが滲み溢れてくる様子を見て、オイル回りを目視確認することもできる。
そんな1発目のエンジン始動時から、エンジンオイルには気を配りたいものだ、今回は、始動直前にエンジンを完全分解したわけではないが、20年近く眠っていたエンジンを復帰させたので、前述したような段取りや儀式をしっかり済ませてから始動を試みた。利用したエンジンオイルは、浸透性が高い100%化学合成の「シンセティックゾイル10W-40」だ。
ベベルギヤを多用したメカニズムの塊でもあるドゥカティLツインエンジンは、得てしてメカノイズが大きいが、そんなエンジンでこそこのオイルを送給してくれる。また、空のオイルフィルター室内もエンジンオイルで満たすことができる。
通称”オイル回し”と呼ぶ作業だが、要するにこの段取りを通じて、エンジン始動直後からエンジンオイルが”エアーを噛まず”に各部を潤滑してくれるのだ。儀式と言えばそれまでだが、エンジン始動前の重要な段取りである。
より厳密な潤滑確認をしたいときには、例えばタペットカバーを外してエンジンオイルがシリンダーヘッドへ立ち上がってくる様子を目視確認することもできる。外部潤滑式オイルラインがあるなら、ヘッド側のバンジョーボルトを緩めることで本領を発揮するエンジンオイルでもある。
ドゥカティの代名詞=デスモドロミック機構とは、”強制開閉式吸排気バルブシステム”を意味する。吸排気バルブの閉じ側をコイルスプリングではなく、強制的に”閉じ側ロッカーアーム”を介して作動させているため、一般的なバルブスプリングエンジンと比べて、金属同士が摺動する箇所が多い。
それがメカノイズの原因でもあり、金属同士の擦れ合いによって発生する金属表面のただれは、デスモドロミック機構の天敵でもある。スーパーゾイルには、金属表面を改質再生する効果がある。トリートメント効果と呼ばれ知られているが、これによりメカノイズは低減する。
摺動抵抗の低減によって発熱を抑えることができ、結果的にはエンジンオイルライフを高める効果も併せ持つスーパーゾイル。エンジン分解組み立て直後の1発目に限らず、常に使い続けたいものである。
ガソリンスタンドで購入できる市販ガソリンには、清浄剤/酸化防止剤/金属不活性化剤/着色剤など、爆発燃焼効果を狙ったものから決してそうとは言えないものまで、様々な添加剤が含有されている。実は、これら添加剤が正常な爆発燃焼を妨げているケースもある。「フュエルチューナー」は、燃料に含まれる様々な添加剤に対し、理想的な燃焼状態を作り上げることを目的に開発。燃焼室内や吸排気バルブはもちろん、インジェクターノズルやキャブボディに付着しやすいカーボンなどを燃焼促進させ、システム全体をクリーンに保つ効果を併せ持つことから、エンジンパワーの向上と燃費向上にも寄与する。
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