●文:ライドハイ編集部
最新バイクであれば、一般のライダーでも大きなサーキットのメインストレートで200km/hを出すのは難しくない時代。そのスピード域でもリラックスしてライディングを楽しめている理由を考えたことはありますか?
ハンプが登場した頃、空力は考えられていなかった
1988年、ダイネーゼのライダーが初めてハンプ付きのレーシングスーツを着用してレースに臨んだが、これは空力のためではなく、バックプロテクターの延長として導入されたものだったのである。
バックプロテクターは、ライダーを怪我から守る革命的なプロテクターとして重宝されていたが、首がある一定方向に曲がった時に頸椎を保護できないという課題もあった。
そこでダイネーゼが開発したのが、柔らかい素材で作られたハンプ。
衝撃吸収性に優れた素材を用いて、ライダーの動きを妨げない形状でバックプロテクターではカバーしきれない部分を保護し、安全性と自由度、快適性を確保したのだ。
誰がこのハンプの空力性能に気がついたのか。
レースで初めてハンプ付きのレーシングスーツを使ったのは、1988年、ボローニャ(イタリア北部の都市)出身のピエールフランチェスコ・キリだった。
しかし、ハンプの可能性が評価されたのはそれから数年後。
初めて“ヒジスリ”をしたプロライダーとして歴史に名を残す、ジャン・フィリップ・ルジアがこのハンプのある秘密に気がついたのだった。
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記事提供:ライドハイ
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