●文:ヤングマシン編集部(沼尾宏明)
ただの衣装替え?! いやいや破壊力は抜群だ!
独特なエンブレムに、シルバーとブラックが織りなす格調高い雰囲気。まさしく”メグロ”の再来だ…。カワサキが’20年11月17日に発表した「メグロK3」は、W800をベースとした新作ネオクラシック。長い時を経て登場したメグロK2の後継機であり、実に55年ぶりのメグロブランド復活となる。

【’21 KAWASAKI MEGURO K3】■空冷4スト並列2気筒SOHC4バルブ 773cc 52ps/6500rpm 6.3kg-m/4800rpm ■装備重量227kg シート高790mm 変速機5段 燃料タンク容量15L ■タイヤF=100/90-19 R=130/80-18 ●価格:127万6000円 ●発売予定日:’21年2月1日 [写真タップで拡大]
基本構成はフロント19&リヤ18インチのW800と同一ながら、存在感は圧倒的。これは先進技術と適切な表面処理による賜物だ。燃料タンクには、高度な技術が必要な銀鏡塗装を用い、深みのある現代的な輝きを放つ。さらに自己修復機能を持つハイリーデュラブルペイントを組み合わせ、美しい塗装が維持可能になった。加えて、素材に合わせ、ツヤあり黒塗装/黒アルマイト/クロームメッキなどの表面処理を選択。微妙に見え方が異なる色彩を散りばめ、全体での高級感を醸成している。
極めつけはメグロエンブレム。職人が5色を手塗りし、実に精緻な出来映えだ。さらにシートはフラットな形状の白パイピング入りとし、リヤサスペンションにカバーをあしらうなど、クラシック感を増す専用パーツも忘れない。
3年間の定期点検とオイル&フィルター交換費込みのカワサキケアが付帯し、価格はW800から17.6万円増となるが、納得のプライスだろう。我々ヤングマシンとしては、新しい歴史を刻んだメグロの”次”の展開にもぜひ期待したい。

【クロム&ブラック使いで差別化】クロームメッキを多用するW800(左)に対し、K3(右)は全体的にブラックの割合を増加。要所にメッキを配置することで、同一の基本構成ながら別モノに仕上げた。 [写真タップで拡大]
【このバッジは欲しくなる!】「メグロウイング」と呼ばれる有名なエンブレムを再現。アルミ立体成型で、熟練の職人が手作業でひとつずつ塗り分けるため、実に手間がかかっている。タンクキャップにはクロームメッキを施す。 [写真タップで拡大]
【ハンドルはアップライトスタイル】フラットなW800のハンドルに対し、高めかつ絞りの利いた同ストリートのハンドルで、K2らしい殿様ポジションに。メーターには赤い“メグロ”ロゴ、タンクには空が映し出され、気分は上々! [写真タップで拡大]
〈メグロヒストリー〉日本最長の歴史を誇るブランド
「メグロ」は、1924年に創業した目黒製作所のブランド。2輪メーカーとしての歴史は、現在の国産4社より古い。日本初のスポーツバイクを送り出し、レースも常勝だったが、業績の悪化で’64年にカワサキへ吸収。その名を冠した最後のビッグバイクが「メグロK2」だ。
K2はカワサキ大型4ストロークの原点=W1の礎となり、同社が飛躍する契機となった記念碑モデル。そして今、W1の子孫であるW800から原点回帰する形でメグロK3が誕生し、新しい歴史が始まる。
目黒製作所モデル「メグロ」とは?
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