独米伝統1800cc超ツイン激突!!

BMW R18試乗インプレッション〈vs ハーレー ローライダーS 独米クルーザー対決〉


●文:ヤングマシン編集部(青木タカオ) ●写真:富樫秀明 ●取材協力:BMWモトラッド ハーレーダビッドソン

BMW史上最大・1.8Lボクサーエンジンを積んだ完全新作クルーザー「R18」がついに日本上陸。前編の本体試乗編に引き続き、後編では大型クルーザークラスの好敵手・ハーレーダビッドソン ローライダーSとの比較試乗インプレッションをお届けする。

R18の好敵手・ハーレーダビッドソン ローライダーS

【HARLEY-DAVIDSON LOW RIDER S】全身を黒尽くめにし、アグレッシブな走りに備えて足まわりも強化。ハイウェイもかっ飛ばせるようミニカウルもセットするカスタムは、西海岸のバイカーに端を発するクラブスタイル。クラシックテイストを強調するR18とは異なる方向性だ。

伝統のV型2気筒は鼓動感を求めたロングストローク設計。現行ミルウォーキーエイトエンジンは、ワンカム4バルブ/ツインプラグを採用し、スロットルも電子制御式を採用している。

43mm倒立フォークにダブルディスクをセット。アルミキャストホイールもスポーティだ。

ソフテイルの三角スイングアームは、’57年以前のリジッドフレームに似せている。

’77年のFXSローライダー以来受け継がれる、タンクオンのツインメーターをSも踏襲する。

快適で馴染みやすいR18。ハーレーは荒々しさが魅力

ジェントルかつスムーズに回っていくBMW R18に対し、ハーレーのミルウォーキーエイト114(1868cc 以下M8)は、荒々しく鼓動を伴って回転を上げていく。不等間隔爆発によって得る駆動力をベルトドライブがほどよく緩和し、リヤタイヤが路面をしっかり捉えるトラクションを生み出す。熟成の粋に達したライドフィールだが、R18もすでに駆動輪が地面を蹴飛ばすかのようなダイレクト感を得ているから舌を巻く。ただし、クラッチミートする極低回転域のトルクは若干薄く、ハーレーのようにアクセルを開けずとも発進できるような図太さはない。

現状クルーザーだけで勝負するハーレーだが、ラインナップは豊富で、R18はモノサスで走り重視のソフテイル、コンフォート性に重点を置くツーリングの両方と対峙していかなければらならず、派生モデルの増産も急務だろう。

6速100km/h巡航が2200回転とM8と全く同じだが、R18は3000回転以上もまだ余裕たっぷりで、風防があれば高速巡航の速度レンジはM8ソフテイルより高くなりそうだ。

ローライダーSはVツインならではの軽快性を出そうとキャスターを起こし、パフォーマンスクルーザーならではのダイナミックな旋回が味わえる。

一方、高速巡航ではR18に軍配が上がり、振動の少ない落ち着いた車体とシルキーなエンジンは快適性に優れ、フラット6のゴールドウイングに近い。つまりボクサーツインのクルーザーは唯一無二であり、バリエーションモデルが揃えばこのセグメントで大きな勢力となることは間違いないだろう。


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