従来以上にカムシャフトで音量や排気ガスを抑えたハーレーダビッドソンのM8(ミルウォーキーエイト)エンジン。本国アメリカではカムの社外品が出揃い、カムプロフィールもトルク重視、あるいは高回転パワー型などが選べるものの、一長一短だ。そこでハーレー専門店・パインバレー(横浜市)は、日本の道路環境に合った「ジャパンスペック・トルクカム」をハーレーパーツメーカー・S&Sと共同開発。その味付けはいかに?
ロードグライド2兄弟を徹底検証! FLTRXS ロードグライドスペシャルは、フロントに大径 19インチを採用しサドルケースをストレッチしたほか、テール/ストップランプをウインカーと一体化。キングツアー[…]
ジャパンスペックカム&吸排気チューンで4.5インチ大径マフラーの音もこもらない!!
「M8では、今まで以上にカムシャフトで音量や排気ガスを抑えています。TC(ツインカム)に取り付けると超爆音マフラーでも、M8につけると思っていたほどにはパンチのあるアイドリング音が出なかったり、3000rpm付近で頭打ちして吹け上がらないことも。それらはストックのカムシャフトに原因があります」
そう教えてくれたのは、年間500台をチューニングするパインバレーのメカニック・矢野壮一郎氏。さらにこう続ける。
「現在、カムは純正から社外品まで出揃い、カムプロフィールもトルク重視か高回転パワー型かを選ぶことができます。しかし、いずれもアメリカ製で一長一短があり、日本の道路環境や都会の走り方にジャストフィットするとは言いがたい。そこでパインバレーでは、『ジャパンスペック・トルクカム』をS&Sと共同開発しました。100PS強のトルクカムと、120PSを発揮するパワーカムのまさに中間、ちょうどいい味付けです」
2000〜3500rpmのトルクが増し、高回転までスムーズに吹け上がる出力特性を実現。これは以前乗ったFXBBストリートボブでも感じたが、FLTRXではサウンドがよりダイナミックに弾けているから気持ちがいい。
「それはツーリングモデルで開発し、アイドリングでも音がこもらないようこだわったからです。ツアラーは排気管が長く太いため、マフラー交換してもどうしても音がこもりがちでした。ジャパンスペックカムでは歯切れの良い重低音サウンドにこだわり、実現しました」
たしかに、バンス&ハインズのオーバーサイズ450スリップオンマフラーから出るのは、ハーレーのビッグツインらしい迫力のある排気音。凄みが効いているものの、下品さはなく心地良さを伴っている。
さらに、DYNOJET社のクイックシフターも加速時に役立つ。アクセルを開けっぱなしのまま、クラッチレバーを握らずともシフトアップが可能。燃料または点火をカットすることでミッションに負荷を掛けないようにし、スムーズにギヤが入るよう設計されている。
これはハイパフォーマンスカスタムの新常識となるかもしれないぞ!!
●写真:磯部孝夫 ●文:青木タカオ ●取材協力:パインバレー ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
ハーレーダビッドソン専門誌『ウィズハーレー』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
バガーテイストを取り入れつつツアラーとしての機能を向上 ロードグライドスペシャルは、重いフェアリングをフレームマウントすることにより、ハンドリングへの影響を低減。走行中の安定性も高く、取り回しやすいこ[…]
群馬県太田市のハーレーショップ・遠藤自動車サービスが提供するカスタムバイクは、そのほとんどがオールドスクール。シンプルでクラシカルなモデルが多い。基本のシルエットは、極めて低いプロポーションのディガー[…]
'15 セパンの衝撃! Project LIVEWIRE '14年半ばに「Project LIVEWIRE」のネーミングのもと開発が進行していることが明らかになったハーレーダビッドソンの電動ロードスポ[…]
夢のままで終わらせるのはもったいない 体を突き上げるような力強く心地よい鼓動、スロットルグリップを操作する右手と駆動輪が直結したかのようなダイレクトなトルクフィール、これぞハーレーダビッドソンのVツイ[…]
カメラ用延長ケーブル同梱の数量限定バージョン「EDR-21GL」が登場 ミツバサンコーワから2019年の夏に発売され、大ヒット商品となっているバイク専用ドライブレコーダー「EDRシリーズ」。 そのフラ[…]
最新の記事
- 2025年「56レーシング」チーム体制発表! 13歳の富樫虎太郎は全日本J-GP3フル参戦、新たに9歳の木村隆之介も加入
- Wチャンピオンを手土産に世界に再挑戦!【國井勇輝インタビュー】
- 「いつから、いくら下がる?」ついにガソリンの暫定税率廃止へ! 新原付の地方税額も決着……〈多事走論〉from Nom
- 【2024年12月版】シート高780mm以下の400ccバイク10選! 地面に足が着くのはやっぱり安心
- 「これを待ってた」ホンダ新型CB400フルカウル「CBR400RR/CBR400R FOUR」スクープまとめ「かっけー!」
- 1
- 2