今週末にエミリア・ロマーニャ&リビエア・ディ・リミニGPが開催されるミザノにおいて、アプリリアの新型ミドルツインスポーツ「RS660」がその姿を現した。ライドしたのはアレイシ・エスパルガロ選手、ブラッドリー・スミス選手ら。10月には欧州で予約受付を開始するようだ。
車重169kgに100馬力、6軸IMUプラットフォームも搭載の“全力”ミドル
10月に生産開始とされるアプリリアの新型ミドルスポーツ「RS 660」は、スーパーバイクのベースマシンでもあるRSV4のV4エンジンの前バンクを切り取ったような並列2気筒エンジンを搭載。最新の電子制御を備え、超軽量な車体で『誰もが楽しめるスポーツバイク』を突き詰めた新コンセプトのマシンだ。
RS 660の初お目見えは2018年秋のEICMAで、その際にはコンセプトモデルとして展示。翌年の2019年にはアップハンドル+ハーフカウルのトゥオーノ660(TUONO 660)コンセプトモデルが登場していた。今シーズンの早めのタイミングでの発売も予想されたが、コロナ禍によりこの時期の発表となったようだ。
そして2020年9月17日、2週連続でミザノで開催されるMotoGPレースの合間を縫って、アプリリアのレーシングライダーがRS 660の量産バージョンでデモランを行った。ライドしたのはアレイシ・エスパルガロ選手、ブラッドリー・スミス選手、ロレンツォ・サヴァドーリ選手の3名だ。
アレイシ・エスパルガロ選手は非常に安定しているマシンで、エンジンも気持ちよく加速する。クイックシフターは本当に気に入った」とコメント。ブラッドリー・スミス選手は「最初の2つのコーナーを抜けた後、すでに完璧な自信を持っていることに気付いた。信じられないほどすぐにプッシュできる」と語り、ロレンツォ・サヴァドーリ選手は「なによりもこのマシンの快適さに驚いた」と補足している。
RS 660はアプリリアレーシング部門のサポートを受け、最新世代の電子制御システムと技術を得て「誰もが楽しくイージーに走れて、かつ満足のいくバイク」として仕上げられたという。若い世代のライダーが公道で楽しめて、週末の走行会ではスリルを得ることができる新しいスポーツコンセプトのバイクとして、100HPの出力と乾燥重量169kg(装備重量は180kg台を予想)という軽量な車重を実現している。
完全新設計のアルミ製ツインスパーフレームは、エンジンを剛性部材として使用。搭載されるコンパクトかつ軽量なパラレルツインエンジンは、RSV4の1100ccV4エンジンから派生したもので、アプリリアがAPRCと名付ける電子制御システムを搭載する。電子制御ライドバイワイヤに6軸慣性プラットフォーム(IMU)を組み合わせ、高度なマルチマップコーナリングABS、5つのライディングモード(カラーTFTメーターの見た目も変わるようだ)によって、ビギナーからエキスパートまで楽しめるマシンコンセプトを完成させた。
ちなみに欧州ではビギナー免許のA2に対応する95HPのバージョンもラインナップ予定。生産開始は10月とされている。カワサキのニンジャZX-25Rが“速さだけじゃない”という官能の部分で評価されているように、扱いきれるパワーに最高の車体と装備というコンセプトは、これから多くのライダーに歓迎されるはず。日本での登場も楽しみだ!
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