スズキの逆輸入車として日本でも買うことができていたGSX-R750およびGSX-R600は、それぞれ2018年/2017年モデルを最後に排出ガス規制の関係などから国内導入が終了している。しかし、北米仕様は今も生き残り、この秋にはスズキ100周年記念カラーが登場。そのスタイリングを紹介してみたい。
スズキが誇るナナハン・スーパースポーツと兄弟車のR600
750ccクラスがナナハンと呼ばれ、同クラスに油冷エンジン搭載のGSX-R750でレーサーレプリカの概念を持ち込んだのがスズキだった。AMAスーパーバイクなどが4ストロークの4気筒の排気量上限を750ccに設定していたことから、レースユースに直結したクラスとしてナナハンは隆盛を極めていく。
GSX-R750は水冷エンジンとなり比較的短いスパンでモデルチェンジを繰り返してきた。また、その兄弟車としてGSX-R600も登場。ともにスーパースポーツとして支持されてきた。
情勢が一気に変わったのは2004年だ。スーパーバイク世界選手権で4気筒の排気量上限が1000ccに引き上げられ、それまでレースとは一線を画して公道でのスポーツ性を高めてきていたリッタースポーツがこぞってレースベースとしてのポテンシャルを持つようになった。これにはモトGPの4ストローク1000cc化の影響もあったほか、CBR900RRの登場に端を発したリッタークラスの充実で、ナナハンクラスのレース以外での活躍の場が減ってきていたこともあっただろう。
という具合にGSX-R750の誕生から近年までの歴史を超ダッシュの駆け足で振り返ってみたが、他メーカーが750ccスーパースポーツをラインナップから外していくなか、最後まで生き残ってきたのが他ならぬGSX-R750であることは間違いない。
そんな歴史を経てもなお、排出ガス規制の関係でまだ販売が続けられる北米市場においてはGSX-R750およびGSX-R600が継続販売され、毎年のようにカラーチェンジを続けている。
最近では600ccオーバーのNinja ZX-6R(636cc)やCBR650R(648cc)が“ちょうどいいスポーツバイク”として脚光を浴びていることもあり、ナナハンスポーツ待望論が生まれてもいいはずだと思っているのは筆者だけではあるまい。実際、スズキはGSX-S750系の4気筒エンジンを搭載したGSX-S750というネイキッドの日本仕様をラインナップしているのだから。
さて、北米の2021年モデルとして発表されたGSX-R750/GSX-R600である。スズキの創業100周年を記念したカラーリングが施され、今年のMotoGPマシンと共通のグラフィックを纏う。日本や欧州ではGSX-R1000RやGSX-R125に同様のカラーリングが施されているが、同じスーパースポーツなのだから当然よく似合う。
日本に最後に輸入されていたモデルから特に変更はないようで、現行オーナーも外装パーツさえ何らかの方法で入手できれば着せ替えも可能だろう。それにしてもこの100周年記念カラーはカッコいい。写真で眺めることしかできないのが残念だ……。

2018年に日本に導入された逆輸入車のGSX-R750。価格は税抜き143万円だった。現在の10%消費税なら157万3000円になる計算だ。最高出力は149ps/12200rpmと発表されていた。 [写真タップで拡大]
SUZUKI GSX-R750[U.S. 2021 model]
【SUZUKI GSX-R750[U.S. 2021 model]】主要諸元■全長2030 全幅710 全高1135 軸距1390 シート高810(各mm) 車重190kg■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 750cc 出力未発表 変速機6段 燃料タンク容量17L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●米国価格:1万2699ドル(約135万円) ※通常カラーは12499ドル
SUZUKI GSX-R600[U.S. 2021 model]
【SUZUKI GSX-R600[U.S. 2021 model]】主要諸元■全長2030 全幅710 全高1135 軸距1390 シート高810(各mm) 車重187kg■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 599cc 出力未発表 変速機6段 燃料タンク容量17L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●米国価格:1万1599ドル(約113万円) ※通常カラーは11399ドル
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