環境規制の端境期にあり、世代交代の節目を迎えているバイク。ラインナップに大変動が起きるのは必定だ。そこでヤングマシン創刊48年の知恵とカンをベースに、願望&妄想も織り交ぜながら、バイク未来予想を導き出してみた。本ページでは600ccクラスのミドルスーパースポーツカテゴリーについて、ホンダCBR600RR/ヤマハYZF-R7の可能性を中心に予想する。
時代の変革点にホンダ/ヤマハが逆の動きをする?
CBR1000RR-Rに続いて、ホンダCBR600RRがビッグチェンジを受けて復活! とヤングマシンでは予想する。CBR600RRは、日本や欧州ではユーロ4に対応せず、’16年型で終了。しかしアジアを中心にレース需要は高く、要望に応えてカムバックすると見られる。
もちろん外観はRR-Rを踏襲したダクトウイング付きを期待。規準調和を果たした現在なら、従来型の国内仕様と違い、フルパワーで登場するだろう。
ただし、エンジンや車体に大規模なメスを入れないビッグマイナーで規制対応し、日本やアジアをターゲットとするハズだ。このタイミングで投入すると、欧州ではユーロ5に対応する必要があるが、国内なら’20年末までの販売ならユーロ4をクリアすればOK。次期規制が全面適用される’22年11月まで販売できる。コストを抑えつつ、ファンを満足させるイキな計らいとなる。
片やライバルのヤマハは、今もYZF-R6を販売中だが、ユーロ5には未対応。このまま生産終了との噂もある。これに代わって妄想したいのが、MT-07ベースの2気筒スーパースポーツ。カリカリの現行R6や次期CBR600RRと正反対の路線ながら、低価格でスポーツを楽しむことができ、レース入門の間口を広げる1台になるだろう。
ホンダ CBR600RR:RR-Rダクト顔にIMU搭載。アジアでの巻き返しを狙う
レースでステップアップするにあたって、250㏄と1000㏄の間をつなぐ600㏄は必要不可欠。レース人気が高まるアジアを中心に要望は高い。その声に応え、600RRが復活すると予想。直4は従来型をベースに、電制スロットルとIMUを追加し、トラクションコントロール、モード切り替えを新採用。一方、車体はセンターマフラーを筆頭に、アルミフレームやリヤのユニットプロリンクサスペンションを踏襲するだろう。外観はRR-R譲りのダクトウイングやカウルを与え、ソックリになるが、車名は「RR」のままと予想。発売は’20年秋頃か?
(左)従来型はハロゲンだったが、RR-R風の4眼フルLEDに期待。カウルはウイング付きとなり、ミッドカウルも新形状となるだろう。(右)メーターはアナログタコ+液晶から、最新のフル液晶カラーメーターになるハズ。ABSは前後連動を廃止し、IMU連動式となるか。 ※写真はCBR1000RR-R [写真タップで拡大]
【ベース車両 ’16 HONDA CBR600RR】軽量コンパクトさが魅力で、レースを視野に入れた直4SSとして’00年代に人気を獲得。センターアップマフラーが目印だ。

■水冷4スト並列4気筒 599cc 119.6ps/13500rpm 6.73kg-m/11250rpm 196kg(装備) ※諸元は欧州仕様のABS
【ライバル:ヤマハ YZF-R6】国内に入荷が途絶えていたが、’17年に9年ぶりに大改良がなされ、ユーロ4に対応。辛口の直4スーパースポーツとして知られ、最新トラクションコントロールやYZF-R1譲りの足まわりを持つ。

■水冷4スト並列4気筒 599cc 118.4ps/14500rpm 6.3kg-m/10500rpm 190kg(装備) ●価格:159万5000円
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