中学1年生、「記憶に残る」レースデビュー

56RACINGの若武者・小田喜阿門がロードレースデビュー! 予選では自己ベストでフロントローに並ぶ

元MotoGPライダー・中野真矢さんが若手ライダー育成のために主宰している「56レーシング(56RACING)」は、今シーズンはミニバイククラスを主戦場としてレース活動を行なっている。この夏、まだあどけない中学1年生の若手ライダーが、筑波サーキットでロードレースに初参戦した。

関東ミニロードで優勝&2位の好リザルトから、急きょ筑波ロードレース選手権へ

将来のMotoGPライダーを目指す若者のひとりが、コロナ禍を経たこの夏に、ホロ苦くも鮮烈なロードレースデビューを飾った。56レーシングに所属し、普段はミニロード選手権に参戦している中学1年生の育成ライダー・小田喜阿門選手だ。

小田喜選手は8月23日に行われた関東ミニロード選手権でS80クラス優勝、12EXPクラス2位と立て続けに上位フィニッシュを飾り、チームとしても確かな成長を見ることができたという。そのため急きょ、将来に向けて経験を積むために8月29日に開催された筑波ロードレース選手権第3戦GP3クラスにエントリー。数回の練習を経て筑波サーキット・コース2000のスターティンググリッドに立った。

予選は自己ベストタイムを出して3位。走るたびにマシンに慣れていく適応力で、決勝でもトップグループに追随しながらバトルを展開。タイムも上げていったものの他車の転倒に巻き込まれてしまう。再スタート後もさらにペースを上げ、上位に迫り勝負を仕掛けた1コーナーで、今度は自身が転倒し、リタイアを喫した。他のライダーを巻き込んでの転倒となり、爪痕は残しつつも反省材料を残すレースとなった。

好結果は出せずとも、可能性を感じさせるレース展開だった

56RACINGは今年、次世代のライダー育成を目的に茂原ツインサーキットと桶川スポーツランドでのレースを中心に参戦している。

なかでも小田喜阿門(おだき あもん)選手の成長は著しく、桶川スポーツランドでの関東ロードミニ選手権第3戦では「SP-EXPクラス2位」、「S80クラス優勝」という成績を挙げている。

中野真矢監督によれば、チームの予定よりも早まったものの、この成長過程においてロードレースに参戦することには意味があると判断し、筑波ロードレース選手権に参戦したという。さらに、以下のようなコメントで期待を寄せる。

「リザルトに残るようなレースはできませんでしたが、ロードレースは数回の練習ながら、予選で自己ベストタイムを出してフロントローに並び、レースではトップグループに付けました。前者の転倒に巻き込まれて転倒しましたが、赤旗後の再スタートで最後尾から追い上げ2番手グループに付いていたことには今後の可能性を感じました。自分たちで言うのは何ですが……ある意味、鮮烈なロードレースデビューだったと思います」

レースの現場では、シーズン途中からの参戦で、かつ予選から良い走りをしていたこともあり、周囲からは「56の秘蔵っ子が出てきた」と、ライバルからのマークもキツかったようだ。今後はミニバイクで練習をしながら、筑波での反省を踏まえ、茂木と筑波の選手権に参戦予定だという。次のレースが楽しみだ。

小田喜阿門(おだき あもん)

【生年月日】 2007年12月17日生まれ(12歳) 中学1年生
【出身地】 東京都
【現住所】 東京都板橋区
【学校名】 上板橋第二小学校
【身 長】 142㎝
【体 重】 31kg
【血液型】 RH+A
【趣 味】 MotoGPレース鑑賞
【将来の夢】 MotoGPライダーになってチャンピオンになる
【主なレース歴と戦績】
2016年 千葉北キッズポケバイ選手権
     74Daijiro Cup 最終戦フレッシュマンクラス優勝
2017年 千葉北キッズポケバイ選手権
     74Daijiro Cup 74エキスパートンクラスシリーズ2位
2018年 千葉北ポケバイ選手権 オープンクラスチャンピオン
2019年 ミニバイクレースにステップアップ
     秋ヶ瀬 モトチャンプ杯 HRCトロフィーチャンピオン
                         ※2020年8月現在

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