モビリティランド(三重県鈴鹿市)は、2020年10月30日(金)~11月1日(日)に、鈴鹿サーキットで開催予定だった「2019-2020 FIM世界耐久選手権最終戦“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第43回大会」について、本年度の開催を中止することを決定したと発表した。この発表をもって“秋の祭典”は幻に。
“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第43回大会の開催中止
7月19日決勝開催予定だった鈴鹿8耐は、今春からのコロナ禍で11月1日決勝へとレースが延期され、毎年恒例となっていた真夏の祭典が途切れることを惜しまれつつも、滅多にない“秋の祭典”として開催が期待されていた。開催されるはずだった東京オリンピックの兼ね合いで、本来の7月最終日曜日から1週間の前倒しとなっていたわけだが、延期の決定を経て、今回の発表をもって中止という流れになってしまった。これを受け、FIM世界耐久選手権の最終戦は9月開催のボルドール24時間耐久ということになりそうだ。
1978年にこの鈴鹿での耐久レースが始まって以来、開催がキャンセルされるのは初。これまで開催に向けた準備を進めてきたというが、国内外におけるCOVID-19の感染拡大状況などを踏まえ、現段階で海外からの渡航に関する規制解除の見通しが立っておらず海外チームの入国が難しい状況であることから、開催中止を判断したという。
EWC側からの発表もあり、「日本では現在でもCOVID-19パンデミックが大きな懸念案件となっており、日本政府はビジネス目的であっても国外からの入国を禁止する措置の緩和を見送っている。現在、FIM世界耐久選手権のグランドフィナーレを務める鈴鹿8耐にとって、海外からのライダー陣やシリーズのパーマネントチームは大会にとって欠かすことの出来ない存在。この顔ぶれが揃わなければグランドフィナーレは国内レースとなってしまうことから、モビリティランドは2020年大会のキャンセルを決断した」としている。
国際モーターサイクリズム連盟(FIM)会長ジョージ・ヴィエガス氏
「日本で最も象徴的なレースであり、世界で最も重要なレースのひとつに数えられる鈴鹿8耐の中止を発表することは、私にとっても、全てのモーターサイクルファンにとっても、とても悲しいことです。今年は鈴鹿8耐が世界耐久選手権に加わって40周年を迎える記念すべき年であり、今、私がただひとつ申し上げることができるのは、来年はこれまで以上に素晴らしいものとして開催されるだろうということです。日本の政策を理解するとともに、これまで鈴鹿8耐を開催すべく、ご尽力いただいたモビリティランド、ユーロスポーツ・イベンツ、MFJに深く感謝いたします。2021年にお会いしましょう!」
ユーロスポーツ・イベンツ代表フランソワ・リベイロ氏
「私たちはモビリティランドと連携して、1978年の初開催以来初となる、7月から11月への開催スケジュール変更を行い、国際チームとライダーが日本へ入国できるよう、あらゆる努力を続けてまいりました。しかしながら、入国規制を前に、私たちの努力が実を結ぶことはありませんでした。“コカ・コーラ”鈴鹿8耐は、単に国内イベントとして開催されるものではなく、観客のアクセスの問題が中止の理由ではありません。40年以上の歴史を誇り、世界で最も権威のある耐久レースである鈴鹿8耐は、世界中のトップライダーなしには開催できないのです。」
株式会社モビリティランド代表取締役社長田中薫
「“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレースについて、11月1日に皆様と一緒に笑顔でスタートの瞬間を迎えられることを目指して準備を進めておりましたが、国内外における新型コロナウイルスの拡大状況と渡航規制の解除が見通せないことから、誠に残念ながら中止という苦渋の判断をいたしました。当初予定されていた7月からの延期を受け、11月の開催を楽しみにされていたファンの皆様、関係者の皆様におかれましては、ご理解くださいますようお願いいたします。2021年の鈴鹿8耐が、より一層お楽しみいただけるものとなるよう準備を進めてまいります。」
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