外出禁止、イベントキャンセル、エッセンシャルワーカーのバイク利用など

【新型コロナウイルスの影響】各国のバイク界の状況はどうなっている?

  • 2020/4/20
イタリアの街の状況・3月末

4月7日に7都府県に発令、そして4月17日には全国へと拡大された緊急事態宣言は、不要不急の外出を自粛することで感染拡大を防ぐことが狙い。バイク界でもさまざまな影響が出ている。後半となる本記事では、世界各国のジャーナリストや関係者に聞いた現地の生の状況をお伝えしたい。なお、いずれの情報も4月14日までに提供されたものだ。

●文:編集部
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【タイ】非常事態宣言後も外出禁止はないが、業界への影響は懸念

タイ最大のモーターショーが中止になり新車の発表&受注機会が減少。今後の販売台数に大きな影響がありそう。CUB HOUSE(モンキー、カブの専門店)では客足が激減し、4月からの販売を不安視。非常事態宣言は出たが工場やバイクショップ、アパレルなどは活動可能。クシタニ タイランドとしては公共交通機関で出社するスタッフからの要望で、非常事態宣言から1週間会社を閉め、4月2日から再開。外出禁止はないが走っている車は激減、ただしバイクは微減ながら普段の足として利用されている。特にデリバリー業務が目立つ印象。大型バイクは、観光地が閉鎖されていることもあってあまり乗られていない。ガソリンスタンドではマスクをしていないと給油を断られた。(情報提供:KUSHITANI Thailand)

デリバリー業務のバイクが大量に走っている。grabというデリバリー業者はUBER EATSのようなフードだけでなく、様々な荷物を配達。元々は配車業務からスタートした企業だという。

現在は日常の足としてのバイクも活動中。

【インドネシア】ロックダウンよりも自粛を要請、バイクは走行可能

現在のところ、インドネシア政府はロックダウンではなく、多くの人々が集結するようなイベントを開催しないように要請している。家に居て、家で仕事をするようにとの要請も。モーターショーやツーリング、レースなどのさまざまなイベントを多くの当事者が延期とした。パンデミック状態が続いているため、今後のイベントが正常に開催されるかどうかは不明で、6~7月になる可能性もある。バイクでの移動については、政府によって大規模な社会的規制が訴えられ、マスク等を装備することで引き続き可能だが、バイカーたちが集まらないように勧められている。首都ジャカルタでは警察による安全作戦を実施予定で、ライダーに安全な装具を身につけるよう指示される。新型コロナウイルスの蔓延を防ぐため、現在のところスズキは4月24日まで、ヤマハは4月19日まで生産を停止している。ホンダは生産調整で対応。インドネシアについては4月8日時点での情報だ。(情報提供:www.gridoto.com|www.otorace.id)

【中国】封鎖が解除され、メーカー等も徐々に運営を再開している

中国はウイルスの影響が最初かつ最大であるため、2月から武漢や他の都市も封鎖し、各会社の運営停止、イベント開催ももちろん禁止された。現在は感染者の数が減少に転じ、道路の通行が解放されると同時に会社の運営も条件により再開され始めた。2月当時はバイクだけでなく車も人もいない空っぽの街。全ての人々は2~3週間も家に閉じ込められていた。現在は封鎖を解除したことから、バイクは街を走っている。地下鉄はやはり感染のリスクが高いとされ、有力な通勤手段のひとつとしてバイクが選択されている。中国の国産バイクメーカーは政府からの運営停止命令で2か月ほど停止。3月末あたりから徐々に再開している。(情報提供:中国のバイクショップ経営者)

【ドイツ】少なくとも6月まで見本市やイベントがキャンセルされそう

見本市やミーティングなど、多くの人が集まる全てのイベントは少なくとも6月までキャンセルされそう。ライダーの行動制限については連邦州によって異なるが、バイエルン州(ミュンヘンにBMWがある)とサクソニア州(旧東ドイツ)では、楽しむための乗車が禁止された。その他の州は乗車OKだが、グループで集まることは禁止。生活物資の買い出しや仕事のためなど、必要な移動についてはバイク乗車がドイツ全土で許可されている。ドイツのバイク産業(BMW)は、3月20日から生産を停止、工場閉鎖は4月19日までと発表されたが4月30日まで延長される模様。バイクショップは政府の指示により全土で閉鎖、ワークショップのみが作業を継続。非常に多くの経済的損失に直面し、アンゲラ・メルケル首相が「第二次大戦以来、最悪の危機」と語ったことが真実味を帯びる。  ( 情報提供:Motorrad)

【スペイン】ライダーたちは家で立ち往生している

イベント等の開催状況はハッキリしていないが、少なくとも6月末までは開催できないだろう。バルセロナ在住のSOLOMOTOスタッフが知る限りライダーたちは自宅にスタックしており、バイクに乗ることは許されていない。それどころか、同スタッフは家から出ることもできないでいる。生活必需品以外の非エッセンシャルメーカーは活動を停止しており、したがってバイク産業は働くことも生産することもできない状況だ。(情報提供:SOLOMOTO)

【イタリア】バイク乗車は通勤を除いて全面的に禁止

6月までに予定されていたイベント等は全て中止または延期。そして夏から秋にかけてのイベントで同様のことが起ころうとしている。ほとんど全てのイタリア人は5月3日まで家にいる必要があり、緊急の理由または仕事を認められている場合にのみ移動が可能。通勤以外でバイクに乗車することは基本的にできない。バイクメーカーと業界も全て閉鎖中だが、政府は次の2~3週間で必須産業を再開する方法を検討している。(情報提供:Scuola Corsetti srl)

【イギリス】外出禁止でバイクは仕事で必要な人のみ。街の空気が綺麗になった

イギリスのメーカーは、欧州の他のメーカーと同じく停止している。ただしノートンの生産が止まったのは新型コロナウイルスの影響が出る前だった。トライアンフは、量産車の生産を全てタイで行うことを発表して以来、目立った動きはなし。今後、本社工場ではTFC(トライアンフファクトリーカスタム)の生産のみとなるが、いずれにせよ工場は閉鎖中という情報だ。イギリスは全土で不要な外出が禁止されているが、エッセンシャルワーカーは仕事に行くためにコミューターバイクを利用。血液、臓器輸送の医療関係バイクなども走っている。観光地では必要のない移動を取り締まっているので、ツーリングは無理だろう。遠隔地のガソリンスタンドも休業が目立っている模様だ。3月半ば以降に切れた車検は自動的に6か月延長され、保険に加入していればそのまま走れる。「エッセンシャル(絶対に必要なもの)であるかどうか」が行動の基準になっているが、その判断は難しいようだ。2mのソーシャルディスタンスは厳密に守られ、スーパーマーケットの店内は厳格な一方通行。街の空気はとても綺麗になり、飛行機も飛ばないので静か。木曜日の夜8時に家の外に出て、医療従事者への感謝と連帯を表すための拍手をするのが続いている(最近は鳴り物も)。試乗会は全てキャンセル、レースはなくなり、ショーやラリーも中止。バイク雑誌はリサイクル記事が目立つように。政府は人工呼吸器の増産をさまざまな企業に依頼し、バルブの設計の難易度が問題となっていたがメルセデスに頼んだら即解決したとのこと。ダイソンは1週間で生産ラインを準備した。最先端のテクノロジーを持っている者は、他の使い方も知っているようだ。日本はどうだろうか。(情報提供:中村恭一/ジャーナリスト)

レースカレンダーはどうなる?【4月15日現在】

MotoGP・バーチャルレース

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【MotoGPニュース】トップライダーたちによるバーチャルMotoGPを開催!

MotoGPのカレンダーが次々に延期されるなか、家に閉じ込められているレースファンのために、トップライダーたちによるバーチャルレースが開催された。第1戦は3月29日に画面上に描かれたムジェロサーキットで行われ(ライダーは自宅で参加)し、#73アレックス・マルケスが優勝。第2戦オーストリアGPでは#63フランチェスコ・バニャイアが優勝した。第2戦では#30中上貴晶がマルケス兄弟を次々に撃墜する「タカ・アタック」を披露し、来季の契約に暗雲をもたらしたとかなんとか言われて……いません。

第1戦で#73アレックス・マルケス、第2戦で#63フランチェスコ・バニャイアが優勝。公式ランキングは存在しないが、第1戦でも2位に入賞した#63バニャイアが計算上はランキングトップに位置している。TVゲームは若手のほうが得意? [写真タップで拡大]

MotoGP

開幕戦でMoto2、Moto3のみが開催され、以降は延期が相次いでいる。5月開催予定だったスペインGP、フランスGP、イタリアGP、そして6月予定だったカタルニアGPが開催未定となり、6月21日のドイツGPがカレンダー上の最高峰クラス開幕戦となっている。タイGP、アメリカGPなどは10月以降に延期となった。ただし、今季すべてのレース開催が危ぶまれる様子も。

ワールドスーパーバイク

第1戦がオーストラリアで開催されたのち、6月までに開催予定だったラウンドが延期または中止に追い込まれた。7月3~5日の英国ラウンド以降、全6戦が開催予定となっているが、これらも先行きは不透明だ。

世界耐久選手権(EWC)

6月のオッシャースレーベン8時間耐久が中止。これにより昨年末のセパン8耐以来の選手権再開は7月19日決勝の鈴鹿8耐になる。4月予定だったルマン24耐は8月29、30日に。9月19、20日のボルドールが今季最終戦になる見込みだ。

全日本選手権

ロードレースは開幕~第3戦の延期が発表され、それぞれ8月以降に。鈴鹿2&4はMFJ GPを3ヒート制とし代替。モトクロスも6月までの開幕~第5戦が延期となり代替日程は未発表。トライアルは開幕戦が代替調整中、第2戦が中止となった。

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帰ってきたネイティブ足立区民。ヤングマシン、姉妹誌ビッグマシンで17年を過ごしたのち旅に出ていた編集部員だ。見かけほど悪い子じゃあないんだぜ。
■1974年生まれ
■愛車:MOTOGUZZI V7 SPECIAL(2012)