その年のモデルからファン投票で人気ナンバー1を決める、ヤングマシンが誇るガチ企画「第47回マシン・オブ・ザ・イヤー(MOTY)」。「外国車部門」には、部門別最大の201車がエントリー。首位の座こそドゥカティ パニガーレV4が堅持したが、特にBMW勢の躍進が目覚ましい。
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'18年型のフルチェンジにより、前回初勝利を収めたホンダ「PCX」シリーズが連覇を遂げた。STDに加え、'19年型として投入された二輪初のハイブリッド、完全電動のエレクトリックも票に結びつき、今回の最[…]
- 1 外国車部門〈総評〉大変動! トップ10中7台をBMWが占めた
- 2 外国車部門 第1位:ドゥカティ パニガーレV4シリーズ[256票]
- 3 外国車部門 第2位:BMW R1250GS/アドベンチャー[228票]
- 4 外国車部門 第3位:BMW S1000RR[194票]
- 5 外国車部門 第4位:BMW F850GS/アドベンチャー[67票]
- 6 外国車部門 第5位:BMW G310GS[62票]
- 7 外国車部門 第6位:BMW R nineTシリーズ[54票]
- 8 外国車部門 第7位:BMW R1250RS[49票]
- 9 外国車部門 第8位:KTM 390/250/125デューク[46票]
- 10 外国車部門 第9位:BMW F750GS[41票]
- 11 外国車部門 第10位:ハーレーダビッドソン スポーツスター1200シリーズ[37票]
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外国車部門〈総評〉大変動! トップ10中7台をBMWが占めた
’98年に当部門が創設されて以来、BMW S1000RRが勝利した’11〜’12年を除き、ドゥカティの最高峰スポーツが勝利を重ねてきた。そのセオリーは今回も崩れず、「パニガーレV4」が2連覇を達成している。
しかしながら、2位との差は前回約200票あったのに対し、今回は28票差にまで接近した。この猛チャージをかけたのが、’19でフルチェンジを果たしたBMWの「 R1250GS」。同じく全面刷新したS1000RRが3位に続き、BMWを代表する2台が躍進した。これに象徴されるように、今回はBMW勢が大暴れ。’18年はトップ10中6台がドゥカティという、例年似たようなランキングだったのだが、BMWがトップ10圏内に7台も進出。上位20台で見ても半分超がBMWという結果に終わった。この流れが当面続くか?
外国車部門 第1位:ドゥカティ パニガーレV4シリーズ[256票]
長年Lツインを搭載してきたドゥカティの旗艦スーパースポーツ「パニガーレ」が、’18年ついにMotoGPマシン直系のV4にスイッチ。公道向けに1103ccとし、214psを叩き出した。さらに’19年、221㎰の究極版「V4R」を投入。票に弾みをつけ、迫るBMW勢をパスした。これでドゥカティは7連覇。通算19勝目となった。走りは全グレードともライバルに比べ最も刺激的。旋回性はレーシーで、とにかくクイックに曲がる。特にV4Rは、ウイングの効果によって高速コーナーの安定感が驚異的だ。
【STDとSも翼をゲット】ウイングを初採用したRに続き、’20年型でSTDとSまで翼を獲得した。さらにフロントフレームをV4Rと同じ穴開きタイプに変更し、軽量化などを実現。サス設定も見直した。
外国車部門 第2位:BMW R1250GS/アドベンチャー[228票]
アドベンチャーブームの火付け役にして代表格のR1200GSが、’19 年に排気量増強し「R1250GS」に。例年上位の同門S1000RRを越え、王者パニガーレにまで迫る大量票を獲得した。歴代GSは10位圏内の常連だったものの、2位はこれまでの最高位。読者の好みの変化が窺える。
ミニインプレ:上質さ、安心度ピカイチ
シフトカムにより中速域トルクが重厚。シームレスに回転が上昇し、実に上質なエンジンだ。巨体ながらハンドリングは軽快で自然に向きを変える。バイク任せの安心度も随一だ。
外国車部門 第3位:BMW S1000RR[194票]
BMW自慢の直4スーパースポーツ「S1000RR」は、これまで2勝を挙げ、’15~’17で3年連続2位と好成績をキープ。今回は直接のライバルであるパニガーレに及ばなかったが、1ランクアップを果たした。’19のフルチェンジで207psに到達し、リッター直4勢で最軽量も実現している。
ミニインプレ:超速なのに凄まじく従順
右手のレスポンスがスーパースポーツの中でも特にリニア。しかも全域で扱いやすく従順だ。シフトカムは9000rpmで作動し、一段と加速が強烈に。旋回力も高く、特にリヤの接地感が瑞々しい。
外国車部門 第4位:BMW F850GS/アドベンチャー[67票]
本格オフのF800GSがフルチェンジで「F850GS」に転生。国内に’19モデルとして投入された。先代は20位圏外だったが、急上昇でこの位置は見事だ。
ミニインプレ:兄貴を越えた万能感
逆回転270度クランクの並列2気筒は、低回転域でVツイン的な鼓動を発しつつ、豊かなトルクを生む。F21&R17インチのハンドリングは穏やか。兄貴より軽量コンパクトで万能感は上だ。
外国車部門 第5位:BMW G310GS[62票]
まだGSの攻勢は終わらない。普通二輪免許で乗れる313㏄の末っ子「G310GS」が前年16位から飛翔。販売好調だけに不思議ではないが、当部門でこの位置にミドルクラスが来るのは異例だ。
ミニインプレ:サスガのオフ性能
高速での安定感や峠の走りが上々。オフの走破性はさすがGSで、前後180mmの長いサスストロークでガレ場もこなす。重心位置の関係で前からスリップダウンしにくいのも利点だ。
外国車部門 第6位:BMW R nineTシリーズ[54票]
伝統の空油冷ボクサーツイン1169ccを積むスポーツヘリテイジ「R nineT」。派生モデルも豊富だ。同門のBMW勢と同様、急上昇した。
ミニインプレ:中身もクラシック
心臓はドロロッとゆっくり回転が上昇し、縦置き特有の右に傾くクセも懐古的。写真の「レーサー」は、前傾+後ろ乗りのライポジも相まって、往年の気分が濃厚に漂う。
外国車部門 第7位:BMW R1250RS[49票]
伝統スポーツツアラー=RSの名を継ぐモデル「R1250RS」。’19年にGSらと同様、1200が1250に新生し、19位から1ケタにまで順位を上げた。
ミニインプレ:高バランスが光る
空水冷ボクサーツインは、極低速から太いトルクを発生し、抜群に乗りやすい。トータルバランスに優れ、イージーに速さを引き出せる。
外国車部門 第8位:KTM 390/250/125デューク[46票]
BMWに混じり、KTMの公道ファイター「デューク」シリーズが意地を見せた。トガった外見や走りが魅力で、390と125はカラー液晶メーターも備える。
ミニインプレ:シャーシが出色
鋼管トレリス+倒立フォークの車体は3車共通で、剛性感と車体の軽さが際立つ。特に390は加速が鋭く、車体とのマッチングが抜群だ。
外国車部門 第9位:BMW F750GS[41票]
F700GSの後継で’19にデビューした「F750GS」。F850GSをベースに正立フォークとF19インチなどを与えた。これまた先代は圏外からの入賞だ。
ミニインプレ:ロングランが得意
850の95psに対し、77psを発生。開け始めがやさしく、フラットな特性だ。旋回性はオフ車的。高速が得意で疲れにくい。
外国車部門 第10位:ハーレーダビッドソン スポーツスター1200シリーズ[37票]
ハーレーもBMWの一人勝ちを阻止。4タイプを設定し、スポーツできる空冷クルーザー「スポーツスター1200」シリーズが、数ある同社ラインナップの中でもっとも票を稼いだ。
ミニインプレ:パンチのある加速
10.3kg-mの1202cc空冷Vツインは、力強く回り、加速も抜群。写真のアイアンはヒラヒラ軽快な旧車の面影を残す。
順位 | 得票数 | メーカー | 車名 | 前年順位 |
1 | 257 | ドゥカティ | パニガーレV4 シリーズ | 1 |
2 | 226 | BMW | R1250GS/ アドベンチャー | 初 |
3 | 194 | BMW | S1000RR | 4 |
4 | 67 | BMW | F850GS/ アドベンチャー | 初 |
5 | 62 | BMW | G310GS | 16 |
6 | 54 | BMW | R nineT シリーズ | 15 |
7 | 49 | BMW | R1250RS | 初 |
8 | 46 | KTM | 390/250/125 デューク | 20 |
9 | 41 | BMW | F750GS | 初 |
10 | 37 | H-D | スポーツスター 1200シリーズ | 12 |
11 | 32 | H-D | ソフテイル シリーズ | ― |
12 | 30 | BMW | G310R | ― |
13 | 29 | BMW | C400/GT | 初 |
13 | 29 | トライアンフ | ボンネビル シリーズ | 7 |
15 | 28 | アプリリア | RX-125 | ― |
16 | 26 | ドゥカティ | スーパー スポーツS | ― |
17 | 25 | BMW | S1000R | ― |
17 | 25 | KTM | 1200スーパー デュークR | ― |
19 | 24 | ハスクバーナ | スヴァルトピレン 701/401 | 初 |
20 | 23 | BMW | Cエボリューション | ― |
29 | 23 | KTM | 790デューク | ― |
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