’19シーズンのMotoGPで終盤にかけて安定した成績を残したヤマハ。本ページでは’19年型YZR-M1(No.12 マーベリック・ビニャーレス車)を、12点の写真で紹介する。
●文:高橋 剛 ●スタジオ写真:長谷川徹 ●取材協力:ヤマハ発動機 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
思い通りに反応するマシンを作る
写真はマーベリック・ビニャーレスが使用したYZR-M1。彼がもっとも気にするブレーキングを重視した仕様だ。チームメイトのバレンティーノ・ロッシは実戦でもカーボンスイングアームを使ったが、マーベリック・ビニャーレスはテストしたのみ。実戦投入は見送った。現状では「慎重に進めている」とヤマハ発動機MotoGPプロジェクトリーダーの鷲見氏。10年以上前にカーボンスイングアームを作ったが、当時はアルミに分があった。最新技術を用いて改めてカーボンスイングアームにトライするつもりだが、’19年の時点ではステディな方向性を選んだ。その甲斐あって、良好なベースセッティングが出せたマーベリック・ビニャーレスは終盤に成績が上向いた。
コーナリング性能を最大の武器としてきたYZR-M1だが、ライバルの台頭や開発の迷走などの要因により、強みを失いかけていた。’19年型は改めてコーナリング性能を磨き上げることに注力。そのための最優先課題として選んだのは、車体開発よりもエンジン開発だった。’18年型と比べて内部はまったく別の仕様になっている。
(左)「地味なことを積み重ねながら、スピンやスライドが起こりにくく、トラクションのいい車体作りに取り組んできた」と鷲見氏。ホンダから移籍してきたモルビデリのコメントも重視。(右)空力に関しては慎重な姿勢を取るヤマハ。ウイングレットも比較的おとなしめだ。2重構造のセンターカウルと相まって十分にライダーが感じ取れるだけのダウンフォースを発揮する。
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