マレーシア・セパンサーキットで3日間行われたMotoGPオフィシャルテストが終わりました。初日、そして最終日には雨が少し降ったものの、概ねいいコンディションでのテストになりました。
●文: 佐藤 寿宏(ことぶき) ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
1分58秒台に入れた選手は昨年の3倍近くにまで増加
2020年2月9日、最終日も10時にセッションが始まるとPetronas Yamaha SRTのフランコ・モルビデリとファビオ・クアルタラロが真っ先にコースイン。路面温度が上がりきらない開始1時間までに、ほとんどのライダーがベストラップをマーク。この日もトップタイムをマークしたのは、クアルタラロでした。自身の持つサーキットベスト1分58秒303には届きませんでしたが、1分58秒349と、ほぼ変わらないタイムをマーク。今シーズンもヤマハはもちろん、MotoGPクラス全体を引っ張って行きそうです。
2番手にHondaのカル・クラッチローが1分58秒431、3番手にスズキのアレックス・リンスが1分58秒450、4番手にドゥカティのフランセスコ・バニャイヤが1分58秒502と4メーカーが並びました。バレンティーノ・ロッシも1分58秒541で5番手につけ、まだまだやめる気など、ないことを感じさせました。KTMでは、ポル・エスパルガロが1分58秒610で7番手、アプリリアでは、アレイシ・エスパルガロが1分58秒694と僅差で続き健闘しています。
マルク・マルケスは、肩の調子もよかったようでテスト項目をこなしながら1分58秒772までタイムアップ。2日目に続き、15コーナーで転倒してしまう場面もありましたがケガはなく、開幕戦までには、本調子に戻って来そうです。
昨年、このテストで1分58秒台をマークしたのは、上位6台のみ。それでも驚異的と書いていましたが、今年は15番手のヨハン・ザルコまでが1分58秒台という接戦振り。マルケス包囲網は縮まって来ているのでしょうか? 本調子となったマルケスが、昨年同様、強さを発揮するのでしょうか??
テスト最終日に登場したホルヘ・ロレンソは、46周し1分59秒697で20番手。当初、このテストを走る予定はなかったので、タイヤもなかったそうです。今回は、テストというよりも、ヤマハYZR-M1に慣れる“リハビリ”が目的で、4月以降はしっかり開発テストを行う予定だそうです。
タカ(中上貴晶)は、最終日の最後にニュータイヤを入れましたが、雨が降ってきてしまいテスト終了。この雨がなければ、もう少しタイムが出ていたと思うと言っていましたが、今回はタイムというよりも、肩の調子を見ながら久しぶりに乗るMotoGPマシンに身体を慣らすことが主な目的でした。
「一度もマシンを振り回すことができませんでしたし、肩に痛みもありました。回復具合は60%というところなので、まだマシンの仕様も判断できなかったのですが、できる範囲でパーツの選別などもしたので、次回のカタールテストに向けて、よかったと思います」
この日、28歳の誕生日を迎え“30歳が近づいて来た感じですね”と語っていたタカですが、子供たちに夢を与えられるような走りをしたいと気を引き締めていましたね。早く肩が100%に回復して欲しいものです。
ヤマハテストチームの中須賀克行と野左根航汰は、2人で淡々とテスト項目をこなしていました。中須賀は、年末に足首を痛めていたこともありますが、2日目、3日目と野左根がベストタイムをマーク。MotoGPテストライダーとして野左根の成長ぶりに驚かされました。今シーズンの全日本JSB1000も、この2人が引っ張って行くことは間違いないでしょう。
MotoGPは、2月22日から3日間、カタールでテストがあり、その後、同地で3月6~8日に開幕戦が行われます。どんなレースになるのか、今から楽しみですね。ワクワクして待ちましょう!
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