![[ハーレーカスタム試乗] ウイリーG.が手がけた不朽の名作XLCR。日本の奇才が高性能を持たせて再創造!](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/11/Sundance_XLCR-ROBOHEAD-TYPE-A_01.jpg)
ウイリーG.が手がけた不朽の名作・ハーレーダビッドソンXLCRを、さらなる高みへ再創造。日本の奇才・サンダンス柴崎氏の手によって造り出された「SUNDANCE XLCR ROBOHEAD TYPE-A」を『ウィズハーレー』編集長・青木タカオが試乗した。
●文:青木タカオ(ウィズハーレー編集部) ●写真:磯部孝夫 ●外部リンク:サンダンスエンタープライズ
XLCRとはあらゆる点で違う
ブラックに統一された精悍な車体の中で、フューエルタンクに貼られたバー&シールドのエンブレムがゴールドで彩られ、誇らしげに煌めいている。
クォーターサイズのコンパクトなフェリングがヘッドライトを抱き込み、ウインドシールドとともにメーターを覆う。ハンドルは短めで、若干ながら後退したステップ位置と相まって、前傾気味のタイトなライディングポジションを決定づけている。
XLCRだ! 見た者は即座にそう思うに違いない。しかし、実際にはあらゆる点で違う。
その正体はサンダンスが創り出した「XLCRロボヘッド」である。近づいてみれば、只者ではないことは一目瞭然。左右にFCRキャブとエアフィルターエレメントが飛び出し、独立した吸気ポートを経て、前後シリンダーへ混合気を供給している。
ハーレーの空冷Vツインは大排気量を有していながら、前後2気筒の間にY字のマニホールドを用いた1スロットル型。前後シリンダーで吸気を奪い合うことになり、効率が良いとは決して言えないのが、純正ノーマルエンジンのレイアウトだ。
サンダンスでは、1980年代半ばに前後シリンダーそれぞれにキャブを持つ前方独立吸気を発表し、米国デイトナに挑んだ1992年のデイトナウェポンIでは対面独立(セミダウンドラフト)吸気のヘッドを導入している。
1994年にはスーパーXR(前方排気/ 後方吸気)を完成させ、さらにはロボヘッドも生み出すなど、4カムやビッグツイン(新旧)を問わず、エンジン開発から製作への情熱は絶えることなく泉のように湧き出て止まらない。
いま乗っているXLCRロボヘッドはタイプA(Vバンク間に向かい合わせの対面吸気)で、純正エンジンと同じカムレイアウトのまま独立吸気/ストレートポートヘッドを実現している。
一方でタイプBは、スーパーXRと真逆になる前方吸気のレイアウトで、専用のカムやロッカーアームなどが必要となり、フロントフォークとの干渉も考慮しなければならない。コスト面において、タイプAは比較的有利と言える。
ちなみにサンダンスでは、1986年に同様のレイアウトで全アルミ削り出しの4バルブヘッドを誕生させ、いかに早くからさまざまなエンジン開発(企画から生産まで)に取り組み、創造してきたかがわかる。
ボア90×ストローク96.7mmで、排気量は1230cc。アイドリングから低く落ち着いたエンジンは、スロットルバルブがまだわずかな開度1/8から1/4ほどから潤沢なトルクを発揮し、そのまま力強くパワーが盛り上がっていく。
光栄なことに、『ウィズハーレー』誌ではこれまでもスーパーXRに試乗する機会を得てきたのはたびたびレポートしてきた通りで、同じ外装を身にまとったスーパーXRCRにも試乗済みである。
スーパーXRでは3000rpmを超えてから怒涛の吹け上がりを見せ、図太いトルクでドラマチックなほどに車体を押し出し加速させるが、ロボヘッドはもっと奥底から強大な力が満ちあふれてくる。
どちらもビッグツインとはまた異なる4カムスポーツらしいエキサイティングな回転フィールを際立たせつつ、トルクの落ち込む気配すら見せぬまま、7000回転まで淀みなくパワーを強烈なほどに漲らせるから血が騒ぐ。その高揚感は得も言われぬ恍惚の境地に入ってしまうほどだ。
アルミ叩き出しで製作されたタンクは「寸分狂わぬ忠実なレプリカなのですか?」と、ZAK柴崎氏に聞くと「いいえ、究極の理想形です」と教えてくれる。
1977〜78年の2年間に3133台のみが販売された中で、生産工場によって施される溶接が異なり、必ずしも純正オリジナルのCRタンクの形状は統一されていない。そんな中でZAK氏がもっともXLCRらしく見える美しいシルエットを徹底追求し、完成/製品化へと至った。
フェアリングとシートカウルは圧倒的な軽量化を図ることのできるカーボン製で、モノコック構造により純正とは比べものにならないほどの高強度を軽さとともに獲得。
足まわりにも隙がなく、トラックテックサンダンス/エンケイ7スポークアルミキャストホイールは、純正13スポークと比較して25%以上の軽量化を達成している。
前後サスペンションは初期荷重でしなやかに動き、奥で踏ん張りの効く理想的な設定。一切のフリクションを感じさせず、秀逸なトラクション性能と軽快なステアリングフィールを発揮しつつ、ブレーキもフロントをしっかりと働かせ、スポーティーな走りに対応してくれる。
見た目こそXLCRカフェレーサーだが、操作性を含めその中身/内容は現代のスポーツバイクにも通じる性能を持つ。ウィリーGの傑作のひとつが、ここ日本でひとりの奇才によって、最大限のオマージュをしつつ、生まれ変わった。
【ROBOHEAD TYPE-A】エンジンVバンク間に、向かい合わせるようにして独立したインテークを持つROBOHEADタイプA。純正エンジンと同じカムレイアウトで、高効率のストレートポートヘッドを実現でき、スーパーXRと比較するとコストを30%程度抑えられるといったメリットももたらす。高トルク&ハイパワーで信頼性も高いことは、サンダンスハーレーなのだから言うまでもない。■ボア90×ストローク96.7mm 排気量1230cc
つくり手の思いと走行シーンは動画で!!
『ウィズハーレー』誌では青木タカオ編集長がマシンを試乗後、サンダンスZAK柴崎武彦氏にインタビューし、XLCRロボヘッドについて語ってもらった。走行シーンを含め、ぜひご覧いただきたい!!
フェアリングとシートカウルは圧倒的な軽量化を図ることのできるカーボン製
◆「車体が重く、コーナーの進入では寝ないし、出口では起きない。もっとコーナリング性能に優れ、安全に楽しめるようにという願いから、純正オリジナルにリスペクトしつつ、開発から完成へと至りました」と、サンダンス代表ZAK柴崎氏は教えてくれた。
◆フロントフォークにはマルチレートフォークスプリングが組み込まれ、アルミ削り出しのボディ内にチッ素タンクを備えるリヤサスペンションは、KYBと共同開発したものだ。サンダンストラックテックのトリプルツリーで、フォークとネックシャフトのオフセット量を最適化し、クセのない軽快なステアリングフィールを獲得しているのも見逃せない。
◆ノーマルタンクは生産工場などの関係から3種類が存在し、その中間を取ったフォルムとも言うべき“CRらしさをより強調するフォルム”でサンダンスでは形状を決定し、アルミ叩き出しで製造された。エンジンに深く被さるように低くマウントされ、シートカウルまでまっすぐに伸びるカフェレーサーならではのシルエットを実現している。
◆カウル&シートカウルはカーボン製で、モノコック構造によって軽量かつ高強度を極限まで追求された。
後方吸気で120ps! SUPER XRCR
◆筆者は過去にスーパーXRCRの試乗レポートも行っている。4カムらしいスリリングな面白さを持ちながら、コントローラブルで扱いやすい。ボア89.4×ストローク96.7mmの1214ccで軸出力120ps/5200〜7000rpm 、最大トルク15.6kg-m/4800rpmというスペックを誇る。
卓越したクラフツマンシップ宿る芸術品 流行などに左右されず、いつの時代に誰が見ても、文句なしに美しいと感じる唯一無二のプロポーション。スリムで軽快感があるのに、ぞっとするほどの凄みを利かせ、角度を変え[…]
スーパーXRCRも動画で見れる!
サンダンスSUPER XRCRについても、走行シーンおよびZAK柴崎氏のインタビューをムービーに収めている。こちらもぜひお見逃しなく!!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ハーレーダビッドソン専門誌『ウィズハーレー』のお買い求めはこちら↓
ウィズハーレーの最新記事
バイクに乗っているかどうかは関係ない。 新宿マルイ メン1Fに3月20日、『ハーレーダビッドソン STYLE 新宿』がグランドオープンした。従来のディーラーとは一線を画し、日常のコーディネートにハーレ[…]
秋田ライダーえむちゃんが体験! 来たとき以上に上手になれる! 「ハーレーらしいツーリングモデルで練習してみたい」「免許は持っていても、乗れるか不安」「既存のライディングレッスンでは、ハーレー乗りの参加[…]
クラシックなデザインと現代的な機能を巧みに融合させた最新作 現在のヘルメットの原型となった伝統あるアメリカのメーカー「BELL」。始まりは1950年代にまでさかのぼる。モータースポーツは人々を熱狂させ[…]
ハーレーでサーキット走行! H.O.G.花園チャプターが提案する新たな「遊びの引き出し」 精力的に活動するH.O.G.花園チャプター(H-D埼玉花園)では、本庄サーキット(埼玉県本庄市)を貸し切っての[…]
PERFORMANCE MACHINE|Race Series エンジン/トランスミッションカバー 高品質なビレットパーツで世界的な知名度を誇るPerformance Machine(パフォーマンスマ[…]
最新の関連記事(カスタム&パーツ | ハーレーダビッドソン)
PERFORMANCE MACHINE|Race Series エンジン/トランスミッションカバー 高品質なビレットパーツで世界的な知名度を誇るPerformance Machine(パフォーマンスマ[…]
いま注目を集めているラッピングで印象を変える エキゾーストシステムに内臓した可変バルブを電子制御することによって、ハンドルにあるボタンひとつで音量が変えられるジキル&ハイドマフラーや、取り回し[…]
実力を示すことが最高のスタイル! カスタムシーンに旋風巻き起こる〈2024 FLTRXSE CVOロードグライド〉 スクリーミンイーグル×オーリンズの前後サスペンションで強化された足まわりは、ブレンボ[…]
Thrashin supply(スラッシンサプライ):アグレッシブな走りとスタイルを実現。新作フットコントロール ストリートに馴染むカジュアルなデザインと走りを前提とした機能性の高いパーツで、瞬く間に[…]
THUNDERBIKE|Satin ミニフロアボード サンダーバイクのスタイリングと乗車時の快適性を両立したミニフロアボード。サンダーバイクはドイツのハーレーディーラーでありながら、さまざまなパーツを[…]
最新の関連記事(試乗インプレッション/テスト | ハーレーダビッドソン)
元気溌剌350か、上質感ある500か!! ウィズハーレー編集部では2023年の秋、X350の日本市場導入が発表されたのと同時に購入を決意。ハーレーダビッドソン川口にて予約を入れた。 「Vツインではない[…]
ベテランカメラマンに「これはアートだ」と言わしめる流麗なフォルム リヤタイヤが路面を蹴り飛ばすかのような、豪快で胸の空く加速フィールはスタートダッシュだけではなく、速度レンジが上がってからもまだまだ続[…]
リグニスによるカスタムコンプリートのニューモデル『フリスコスタイル』とは 「これこれっ、これなんだよなぁ」と、エボリューションVツインを知る人はもちろん、もしかしたらハーレーダビッドソンに乗ったことが[…]
2002年、「Vロッド」誕生 2002年式から2017年式まで、ハーレーのラインナップに名を連ねたVロッドシリーズ。その系譜を辿るのも興味深い。現行モデルのパンアメリカ/スポーツスターS/ナイトスター[…]
OHV45度Vツインの伝統を受け継ぐ史上最強エンジンは、キャラに違いあり!! 長きにわたり、ウィリーGが熱き情熱でスタイリングを手がけ、開発技術者たちとともに魂が込められ、製品化されてきたハーレーダビ[…]
人気記事ランキング(全体)
新設計の4気筒エンジンを搭載するフルカウルスポーツ CB400スーパーフォア Eクラッチコンセプトと同時発表でフルカウルスポーツも登場だ! 大阪モーターサイクルショーで姿を現したのは、こちらもいちおう[…]
ティーザー公開からもう決まったようなものだったけど! ホンダが新型「CB400スーパーフォア Eクラッチ コンセプト」を大阪モーターサイクルショーで世界初公開した。その名の通り、いちおうコンセプトモデ[…]
今に続くネイキッドの名跡。CB400SFが登場! ゼファーのひとり勝ちと言えたネイキッドの流行は、大排気量クラスにも拡大。’90年にはゼファー750、’92年にゼファー1100をリリースし、その存在を[…]
キリンの人気キャラクター3人のレプリカモデルがいよいよ登場! 『ワイバーンØ』は、90年代に大人気となったモデルの復刻版だ。そしてSHOEI公式ホームページのワイバーンØの製品紹介ページでは、バイク乗[…]
ついにベーシック機も「AIの目」を手に入れた! これまで上位モデルの特権だったBSD(死角監視システム)が、この「EVO」にも搭載されたのが最大のトピックだ。 リアカメラが後方の接近車両をAIで自動検[…]
最新の投稿記事(全体)
バイクに乗っているかどうかは関係ない。 新宿マルイ メン1Fに3月20日、『ハーレーダビッドソン STYLE 新宿』がグランドオープンした。従来のディーラーとは一線を画し、日常のコーディネートにハーレ[…]
K-1385 レブロフーディー:独自素材で着心地を高めた新設計フーディー 昨年モデルから肩まわりのデザインと素材の配置を見直し、よりスッキリとした印象に仕上がったMIDフーディー。 生地には、クシタニ[…]
補助金なしで22万円!ガソリン車に迫る価格破壊 EV 2025年末の生産終了に伴い、新車としては失われてしまった50cc原付。新基準原付も各メーカーから登場しつつあるが、意外とあなどれない選択肢が電動[…]
クルマより手軽でバイクより雨に強い! 第三の選択肢 「近所への買い物や子供の送迎にクルマを出すのはちょっと面倒。でもバイクは雨風がツラいし、荷物も乗らない」。そんな日常の悩みを見事に解決するのが、ドア[…]
エンジンには「ニンジャZX-4RR」搭載の400cc並列4気筒を採用 ビモータ「KB399」シリーズは、カワサキ「ニンジャZX-4RR」に搭載されている399cc並列4気筒エンジンと、ビモータの独創的[…]









































