国内のみならず、海外からも注目が高いホットロッドカスタムショー。30回の節目を迎えた今回もまた豪華なゲストたちの姿があった。カスタム界のレジェンド、木村信也さんもそのうちのひとりだ。独占インタビューすることができ、意外な言葉も聞き出すことができた!
●文:ウィズハーレー編集部(青木タカオ) ●写真:BMW MOTORRAD
ライドインショーにその姿!
ホットロッドカスタムショーのオープニングは、海外からの招待ゲストたちがカスタムバイクで颯爽と入場してくるライドインショーが見どころ。注目の1台は、BMW R18をベースに木村信也さんが製作した『THE WAL MKII』(ザ・ヴァル・マークツー)であったが、カリフォルニアで発生した港湾のストライキによる出航大幅遅延により、ショーには間に合わなかった。
しかし、日本が世界に誇るカスタムビルダー木村信也さんの姿はあった。R18にて会場へ乗り入れるシーンに、ファンは歓喜した。
アメリカでもヨーロッパでもない。独創的なセンスと高い技術力で、海外からも注目度の高い日本のカスタムビルダーたち。なかでも、もっとも求心力のあるカスタムビルダーのひとりが木村信也さんだ。
愛知県岡崎市で1992年に「ゼロ・エンジニアリング」を立ち上げると、ハーレーダビットソンをベースにしたカスタムバイクたちが「ゼロスタイル」と呼ばれ、国内だけでなく海外でも大きく注目されていく。
2006年に活動の拠点をアメリカ・ロサンゼルス郊外のアズサに移し、Chabottengineering(チャボエンジニアリング)がスタート。クライアントと一対一で向き合いつつ、その人のためだけにつくる唯一無二のカスタムバイクは、世界中から熱視線を浴び続けている。
豪快で紳士的な鯨に
BMWモトラッド本社の開発チームがR18をベースにオファーしたカスタムが完成し、ホットロッドカスタムショーで本邦初公開となる予定であったのが『THE WAL MKII』。“WAL”はドイツ語で鯨を意味し、巨体であり、ワイルドかつジェントルであることから命名した。マーク2であるのは、いったん完成したもののフロントカウルに変更を加え、バージョン2となったからだ。
カウルの変更について木村さんは、こう言っている。
「コンセプトはスポーツエンデュランスなんですが、実際に完成して走ってみると、カウルが風をプロテクトするには少し小さかったんですね。それがずっと気になっていて、さらに毎日見れば見るほど飽きてしまって(笑)。これは理屈でなく衝動なんです」
カスタムは作業に入る前にイメージスケッチを描いたり、設計図を書くことはないという。なにができるかは、自分でもわからない。
「(説明書通りに作らなければならない)プラモデルは子どもの頃、さんざん買いましたけど、人に言われたものをそのとおりに作ることが苦手でして、最後まで作りきったことが一度もありません。僕には方法論などはなく、頭にあるイメージを手を動かしながら作り上げていくんです」
カスタムは1台ずつ、クライアントに合わせてイメージが湧き、完成していく。だから決して、同じものはできないとも言う。
「そのお客さんに似合うよう1台ずつくるので、過去につくったものと同じものはできません。オートバイは人が乗って完成します。最後の部品がライダーなんですね」
デウス浅草で目のあたりにできる!
『THE WAL MKII』がついに日本へ到着し、12月25日までの期間限定でデウス浅草(Deus Ex Machina Asakusa )にて展示されている。
カウルやタンクなどで表面処理が異なるなど、実車を見ると細部に至るまで手の込んだ技法で仕上げられていることがわかる。コーヒーや食事、買い物を楽しみながら、珠玉のカスタムを目の当たりにしていただきたい。
一語一句、見逃せない!
たいへん貴重となった木村信也さんの単独インタビューの様子は、動画で収録している。興味深い話が次々に飛び出したので、お見逃しなく!!
※本記事は“ウィズハーレー”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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