●ライドハイ編集部(伊藤康司)
IMU(6軸センサー)とは、今どのぐらい加速していて、どんな傾斜姿勢にあるのかを検知するもの
バイクを上手く操るには、さまざまなライディングテクニックもあるが、同時に「いま、バイクがどんな状態にあるのか?」を正確に把握することが大切なのは、なんとなくイメージできるだろう。じつはIMUが行っているのは、まさにコレ。
最近のバイク、とくにスーパースポーツ系には、ライディングモード/トラクションコントロール/レースABS/セミアクティブサスペンションなど、スポーティーなライディングをサポートする、さまざまな電子デバイスが装備されている。
しかし、これらの電子デバイスが威力を発揮するには、「いま、ライダーが何をしたくて、バイクがどんな状態にあるのか?」を、バイク自身が正確に把握していることが重要だ。
まず「ライダーが何をしたいか?」は、スロットルの開け閉め(スロットルポジションセンサー)やブレーキの強弱(ABSユニット)、シフトチェンジ(ギヤポジションセンサー)などの操作で、ある程度判断できる。
ところが、「バイクがどんな状態か?」については、従来はスピード/エンジン回転数/使っているギヤの段数/前後タイヤの回転数ぐらいしか知ることができなかった。
たとえば前後のタイヤに回転差があれば、ブレーキングでタイヤがロックしそうになっている(ABSが作動)とか、加速時に後輪が空転しているか(トラクションコントロールが作動)を判断できるが、これだけでは、車体が直立してまっすぐ走っている時しか正確な情報が得られない。
本来であれば、スリップや転倒のリスクが高い、車体がバンクしたコーナリング時こそサポートしてもらいたいということになる。 そこで登場したのがIMU(イナーシャルメジャーメントユニット)=慣性計測装置。
バイクの姿勢と動きを計測して「いまバイクがどんな状態にあるか」を、緻密に検知する装置だ。
リアルタイムでバイクの状態が解るから、緻密に制御してライダーを強力にサポート!
「角速度と加速度を検知」と言われても、なんとも難しく感じるに違いない。
とくに、あまり聞いたことのない“角速度”について説明すると……
※本記事は2022年5月2日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ライドハイの最新記事
1960年代にホンダが海外進出で成功したのは、世界GP制覇より前だった! 1959年発表、1960年に発売されたホンダ初のスーパースポーツ「ドリームCB72(シービー・ナナニィ)」。そもそも日本にスー[…]
[A] 長いスイングアームで、安定したトラクション効果を得るため 1970年代に入ると、750cc以上の大排気量の並列4気筒エンジンを搭載する、さまざまなバイクが誕生しました。 当時はまだ空冷エンジン[…]
排気量は“エンジンが1回に吸気できる容量”のこと 車検があるとかないとか、あるいは運転免許でもバイクのエンジンの大きさで制限など、さまざまに区分されているのは、ご存じのとおり。 そのエンジンの大きさを[…]
一瞬では理解しにくい高度な開発には、ホンダ伝統の反骨精神も必要!? Part1から説明している通り、4ストロークで挑戦を決めたNR500の開発で、ライバルとなる2ストローク4気筒500ccの110~1[…]
[A] スロットルを大きく捻らず、低いエンジン回転域で走りましょう 気がついたら燃料計が「E」の域に限りなく近かったり、バイクによってはウォーニングランプが点灯して、すぐ燃料補給するよう注意を促してき[…]
最新の関連記事(メカニズム/テクノロジー)
360度どの方向にも進めて自動的に直立する驚異の未来バイク エンジニアであり、YouTubeコンテンツクリエイターであるJames Bruton(ジェームス・ブルートン)氏が最新のクレイジーなバイクを[…]
発進→変速→停止まで全てオートマ化しつつマニュアルモードも備える BMWは、新しい自動シフトアシスト機構「オートメイテッド シフト アシスタント=Automated Shift Assistant ([…]
[A] 長いスイングアームで、安定したトラクション効果を得るため 1970年代に入ると、750cc以上の大排気量の並列4気筒エンジンを搭載する、さまざまなバイクが誕生しました。 当時はまだ空冷エンジン[…]
排気量は“エンジンが1回に吸気できる容量”のこと 車検があるとかないとか、あるいは運転免許でもバイクのエンジンの大きさで制限など、さまざまに区分されているのは、ご存じのとおり。 そのエンジンの大きさを[…]
平均的な日本人サイズの場合、市販状態のサスペンションはほぼ硬すぎる サスペンションは「硬い/柔らかい」で表現すると誤解されるケースが多く、今回はそこからご説明しましょう。 まずサスペンションとは、乗る[…]
最新の関連記事(Q&A)
ライダーを悩ませる二輪車通行禁止区間。具体的にどういった場所が挙げられる? 二輪車通行禁止区間の手前には必ず標識がありますが、標識を見落としてしまったり、何気なく前を走るクルマについて行ってしまうと、[…]
トンネルには照明同士の設置間隔が不均等、消灯している個体がある 高速道路や幹線道路を走っていれば、誰もが通るトンネル。 新東名高速道路の御殿場JCT~浜松いなさJCTの制限速度が時速120km/hにな[…]
[A] 長いスイングアームで、安定したトラクション効果を得るため 1970年代に入ると、750cc以上の大排気量の並列4気筒エンジンを搭載する、さまざまなバイクが誕生しました。 当時はまだ空冷エンジン[…]
排気量は“エンジンが1回に吸気できる容量”のこと 車検があるとかないとか、あるいは運転免許でもバイクのエンジンの大きさで制限など、さまざまに区分されているのは、ご存じのとおり。 そのエンジンの大きさを[…]
[A] スロットルを大きく捻らず、低いエンジン回転域で走りましょう 気がついたら燃料計が「E」の域に限りなく近かったり、バイクによってはウォーニングランプが点灯して、すぐ燃料補給するよう注意を促してき[…]
人気記事ランキング(全体)
塗装面に強固に密着して、サスペンションのサビ予防にも効果的 スポークホイールの鉄製スポークやフロントフォークのインナーチューブ、クロームメッキ仕上げの鉄製フェンダーの裏側は、経年変化で錆びやすいパーツ[…]
クールなLEDヘッドライトなどデザイン性も高い ヤマハインディアは、15年以上にわたってシリーズ累計150万台以上を販売してきた人気モデル「FZ-S V4.0 DLX」にニューカラーを追加し、2024[…]
長期間「錆」を防ぐ“マイ儀式” バイクでも、自転車でも、筆者が「新車」を買うと執り行う“儀式”があります。それがコレ! 庶民の味方100円ショップ(以下百均)で売っているマニキュアの「クリアー」または[…]
50ccクラスは16歳から取得可能な“原付免許”で運転できるほか、普通自動車免許でもOK バイクを運転するための免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大[…]
サーキット試乗では多くのライダーがエッジグリップを絶賛 近年のブリヂストンが販売する公道用ラジアルタイヤの主力は、サーキットを多分に意識したハイグリップスポーツのRS、ツーリングでの快適性やライフの長[…]
最新の投稿記事(全体)
ライダーを悩ませる二輪車通行禁止区間。具体的にどういった場所が挙げられる? 二輪車通行禁止区間の手前には必ず標識がありますが、標識を見落としてしまったり、何気なく前を走るクルマについて行ってしまうと、[…]
最高峰クラスで王者になった唯一の日本人、監督として3年生に 41歳で引退するまで、豪快な開けっぷりから“フジガス”と呼ばれた藤波貴久さんは、現在レプソルホンダチーム(Repsol Honda Team[…]
ETCのない生活はもう考えられない!? フルカスタムを施したとしても、使用用途の大半はツーリングになるだろうと考える。そこで編集部所有のウィズハーレー号の最初のカスタムは、ツーリングが楽に安全になるた[…]
白バイ隊員になるには 白バイに乗るためには、あたり前のことですが大型自動二輪免許の取得が必要です。とはいえ、警察官になる時点で取得していないとダメかといえば、そうではありません。後から取得する手間が減[…]
市街地からツーリングまで、どこでも使える絶版スーパースポーツモデルに注目! 教習所で大型自動二輪免許が取得できるようになり、若干威光が薄れたものの、750ccやオーバー1000ccモデルは、フラッグシ[…]