
遂に50ccクラスへ足がかりをつくる!
1980年にドイツのIFMA(ケルンショー)で、カワサキがAR50/80とオフロード車のAE50/80を発表したとき、世界のバイクメーカーに衝撃が走った。
なぜなら、カワサキは1961年に50ccモペッド生産に手を染めたことがあったものの、その後は125cc以上で250~350、そして500ccからZ1の900ccへとビッグバイクのメーカーとなり、日本の3メーカーと違ってスクーターなどビジネス系の小型バイク市場へ参入してこなかったからだ。
ご覧の1961年当時の写真は、50ccのペットM5と125ccというB7のビジネスバイク。後ろはベル47G型で川崎航空機がライセンス生産していたヘリコプター。戦前からの飛行機メーカーだった成り立ちを世間へ伝えようとしていた時代だった。
そのカワサキがZ1をはじめ大型の4スト4気筒で成功を収めてから、2ストでもKR250/350で4度の世界チャンピオンに輝くなど、マーケットボリュームの大きな中型スポーツへも積極的な展開をみせ、瞬く間に互角に張り合う存在となった。
しかし50ccとなると、次元は異なる。生産台数も2ケタほど違い、そこへ進出する足がかりとして先ずは50ccスポーツでアピール! 3メーカーが戦々恐々としていたのもムリはなかった。
50cc、いわゆるゼロハンのカテゴリーにもスポーツバイクはあった。
時代はレーサーレプリカが流行り、一般公道が制限速度30km/hであろうと3ケタのスピードでサーキットを疾駆するイメージの先鋭的な仕様揃い。
そこへ参入してきたカワサキは、空冷ピストンバルブの39.0mm×41.6mmで49cc、7.2ps/9,000rpm、0.62kgm/8,000rpm……いきなりトップパフォーマンスと車重が乾燥で僅か72kg。
しかも中型並みの誰の目から見ても本格派のセミダブルクレードルのフレーム、そして決定的なのがGPマシンやZ系でもスーパースポーツで採用する、ユニトラックという高度なフローティング・サスペンションを装備していたのだ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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