細いグラスウールをまとめて長い糸状にした上で、それらを並べて糸で縫い合わせて製造されているアコスタフィル。FRP工作で使用するガラスクロスも長いガラス繊維を編み込んだものだが、繊維がストレート状のガラスクロスに対して、アコスタフィルの繊維は縮れているため、シートに厚みが出て高い吸音効果を発揮する。
●文/写真:モトメカニック(栗田晃) ●外部リンク:キジマ
長いガラス繊維をシート状に編み込むことで飛散を防ぐ
ガラス繊維を重ね合わせたグラスウールは、吸音性が高いものの、経年変化で繊維が飛散すると消音性能が低下するため、定期的なウール交換が必要。また一般的なグラスウールはガラス繊維が短く、サイレンサーから取り出す際に手や顔にチクチクとまとわりついて不快なことも多い。
これに対してキジマの「アコスタフィル」は、長いガラス繊維をシート状に編み込むことで、飛散せず素手でも作業できる。また束にしたガラス繊維を用いることで、従来のガラスマットより密度が上がり、消音効果が高いのも特徴だ。
サイズ違いで3種類用意されているので、自分が修理したいマフラーによって使い分けることができる。既存のグラスウールと違いやや高価だが、チクチク感がないというので、その使用感も含め試してみた。
実際のウール交換で使用したところ、チクチク感がまったくなく快適で、シート状の繊維はカッターで簡単に切れるため、サイレンサー径やインナーバッフル長に合わせたサイズ調整も容易だった。もちろん、経年劣化でヘタった古いウールに対して、新品のアコスタフィルの消音効果が高いのは言うまでもない。
一度アコスタフィルを使えば、今後もチクチクとは無縁なので、定期的にメンテを行うユーザーにとってはリピート確実のアイテムである。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
小ねじカッター:テコの原理でズバッと切断でき、バリ取りなしで使えるのが画期的 ESCOの小ねじカッターは、本体先端部分のピボットやテコの原理を活用した3枚合わせの本体構造など、オリジナリティに富む設計[…]
金属加工で培ったワンオフパーツ製作や溶接技術を生かし、マニアも納得の“サンキュッパフレーム”を製作 初期型/前期モノと呼ばれるモデルが尊重される多くの絶版車と異なり、後期型が好まれているのがホンダCB[…]
オーバーホール完了後の初期型用純正キャブレターを車体に装着。初期シリーズはツインキャブ!! 不動状態で近所のバイク屋から引き上げてきたGB250クラブマンですが、走行距離の少なさとその素性の良さを信じ[…]
キャブレターボディ内部の汚れは漬け込みタイプのクリーナーが効果的 キャブレターやガソリンタンク内に長期間溜まったガソリンは、時間の経過とともに劣化、変質します。どの程度の期間で劣化するかは保管状況など[…]
フレームを塗装する際にパウダーコートがおすすめな理由 外装部品をどれだけ磨き上げていても、フレームや足まわりが錆びたり塗装がヤレていると、バイク全体の印象は悪くなる。逆に外装がくたびれていても、黒いパ[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
バイクのステップゴムがボロボロになっていたので、新品に交換しました。 ・・・と言ってもこれは買ったものではなくて、たったいま印刷したもの。出来立てほやほやなのです~! 3Dプリンターを買ってみたのです[…]
金属加工で培ったワンオフパーツ製作や溶接技術を生かし、マニアも納得の“サンキュッパフレーム”を製作 初期型/前期モノと呼ばれるモデルが尊重される多くの絶版車と異なり、後期型が好まれているのがホンダCB[…]
オーバーホール完了後の初期型用純正キャブレターを車体に装着。初期シリーズはツインキャブ!! 不動状態で近所のバイク屋から引き上げてきたGB250クラブマンですが、走行距離の少なさとその素性の良さを信じ[…]
この記事に訪問してくれたあなた、キックペダルの分解に興味があるということでしょうか? それとも今まさにその危機に直面しているのでしょうか? もしくはただの冷やかし?? それでもオッケー。少しでも参考に[…]
キャブレターボディ内部の汚れは漬け込みタイプのクリーナーが効果的 キャブレターやガソリンタンク内に長期間溜まったガソリンは、時間の経過とともに劣化、変質します。どの程度の期間で劣化するかは保管状況など[…]
最新の関連記事(工具)
バイクのステップゴムがボロボロになっていたので、新品に交換しました。 ・・・と言ってもこれは買ったものではなくて、たったいま印刷したもの。出来立てほやほやなのです~! 3Dプリンターを買ってみたのです[…]
この記事に訪問してくれたあなた、キックペダルの分解に興味があるということでしょうか? それとも今まさにその危機に直面しているのでしょうか? もしくはただの冷やかし?? それでもオッケー。少しでも参考に[…]
ハンドルとソケットが一直線になる丸形ヘッドのスイベルラチェット 丸型ヘッドの中心に支点を置くことで、ハンドルを180度振れるスイベルラチェット。ハンドルと差込部を90度にすれば通常のラチェットと同様に[…]
ダブルフレックスヘックスレンチ:L形ヘックスにはできない微妙な角度調整で使い勝手アップ 一般的な六角棒レンチは、ビット部分が5mmなら軸部も5mmの六角で、手に食い込んで痛いこともある。だがこのレンチ[…]
私は長い間タイヤ交換が苦手でした。 実はワタシ、長い間タイヤ交換が苦手でした。 レバーを使ってタイヤを外したり、組み付けたりはできるのですが、全体的に手間取るというか、スムーズにいかないというか、なか[…]
人気記事ランキング(全体)
小椋藍選手のファンならずとも注目の1台! MotoGPでは小椋藍選手が来季より移籍(トラックハウスレーシング)することでも注目のアプリリアから、新しいミドルクラスのスポーツモデルが登場した。欧州ではす[…]
電熱インナートップス ジャージタイプで使いやすいインナージャケット EK-106 ポリエステルのジャージ生地を採用した、ふだん使いをしても違和感のないインナージャケット。38度/44度/54度と、3段[…]
グローバル展開では『500cc』のほうが有利になる地域も ホンダ「GB350」シリーズといえば、直近ではクラシカル要素を強化したGB350Cも新登場し、走りのフィーリングまで変えてくるこだわりっぷりが[…]
125ccスクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限[…]
4気筒CBRシリーズの末弟として登場か EICMA 2024が盛況のうちに終了し、各メーカーの2025年モデルが出そろったのち、ホンダが「CBR500R FOUR」なる商標を出願していたことがわかった[…]
最新の投稿記事(全体)
『ゲルザブウォーム シートカバー』とは? 『ゲルザブウォーム シートカバー』は、冬を快適に過ごすためのゲルザブR用の電熱シートカバーです。この商品は、寒さが厳しい季節でもライダーが心地よくツーリングで[…]
Vストローム250SX[59万1800円] vs Vストローム250[66万8800円] 2023年8月に発売された、スズキ自慢の油冷単気筒エンジンを搭載したアドベンチャーモデル「Vストローム250S[…]
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
一般人でも許される現行犯逮捕とは? 「逮捕」とは、犯罪の容疑がある人の身柄を強制的に拘束する手続きです。 原則として、事前に裁判官の審査を受けて許可を取り、令状の発付を得てからでなければ、たとえ警察で[…]
バイクのスピード感をイメージさせる象徴的なグラフィックモデル登場 ネオテック3のグラフィックモデル第3弾となるアンセムは、バイクを走らせているときに感じる風を思わせる、スピード感ある模様が特徴だ。ブラ[…]
- 1
- 2