
サビ落としはカンタンな方がいいに決まってる。ワイヤーブラシやペーパーでガシガシ削ればサビは落ちる。でも、できることなら激しく削るより、優しく。広く攻めるより、ピンポイントで狙う。そして、傷つけることなくキレイに仕上げたい。そう考えていたら自然と行き着いたのが「塗るサビ落とし」今回はその実力を、実際に使いながらレポートしてみたいと思います。
●文:ヤングマシン編集部(DIY道楽テツ)
「ハケで塗るサビ落とし」を使ってみた正直レポート
サビとの戦い。バイクに乗っている限り、これはもう避けて通れない宿命ですよね。ましてやレストアともなると、錆との闘いが延々と続く…そう言っても過言ではありません。フレーム、ボルト、エンジンカバー、フロントフォーク 等々…。
最初に気づいたときは「うっすら茶色」だったはずのサビも、放置しているといつの間にか「ザラザラの赤茶色」へと成長してしまう。しかも一度進行し始めると、止まることはありません。大気中に酸素がある以上、錆は着実に広がっていくわけです。
これはもう、なんとかしないといけない(よね)!?
しかも厄介なのが、錆というヤツは奥まった場所に発生すること。部品単体までバラしてしまえば作業は楽ですが、そこに至るまでの分解工程が正直かなり面倒くさい。
錆落としの定番といえば、ワイヤーブラシやサンドペーパーでゴシゴシ磨く方法。確実ではあるものの、どんなに気をつけていても傷がつきやすいのが悩みどころです。適切な工具を使っても、「キレイに落とす」と「傷を入れない」を両立させるのはなかなか難しい。
そこで今回使ってみたのが、以前から気になっていた「AZサビアウト」。
いわゆる塗布タイプのサビ落としで、スプレーでもなければ液体にドボンと漬け込むタイプでもない。ハケで塗る、というスタイルのケミカルです。
正直な第一印象は、「塗るだけで本当にサビが落ちるの?」という、かなり半信半疑な気持ち。だってこれ、擦らないんですよ? やることといえば、「塗って → 待って → 拭くだけ」
実は以前、似たようなサビ落としを使ったことがあります。スプレーで吹き付けるタイプだったのですが、すぐに垂れて流れてしまい、肝心のサビ部分にとどまらない。結果、「全然落ちないじゃん…」という残念な体験に終わりました。それ以来、この手の“ラクそうなサビ落とし”は、正直ちょっと敬遠していたんです。
とはいえ、今回はハケ塗りタイプ。とても使いやすい、らしい。しかも評判も悪くない様子(←ここ重要)。これはもう、実際に使ってみて判断するしかない。ということで、今回はこの「AZサビアウト」を使って、じっくり検証してみることにしました。
AZサビアウトの使い方(ざっくり)
使い方はとてもシンプル。
- サビ部分の汚れを軽く落とす
- ハケでサビアウトを塗る
- 数分~しばらく放置
- ウエスで拭き取る or 水洗い
(↑)これだけ
洗った水分が乾燥すればそのまま上から塗装もできるそうです。これで錆さえ落ちれば相当便利ですよね。そんじゃさっそく使ってみましょうか~!
実例① エンジンカバーのサビに使ってみた
まずは分かりやすいところから使ってみました。
テストピースはモンキー用エンジンの丸いカバーです。ちょうどいい具合に錆が発生してるのを見つけたので試してみましょうか(ワクワク)。
こちらがビフォー。見事に赤茶けた地図模様(部品が丸いだけにちょっと世界地図っぽい感じですよね)
そこへ、AZサビアウト登場!
ハケ塗りをするために容器に出すと、とろみのついたグリーンの液体が出てきました。このとろみ具合がほどよい具合で刷毛塗りしやすそうな印象ですね~。臭いがきついこともなく、第一印象は良好。
さっそくサビに刷毛で塗りヌリしていきます。
伸びが良くてとても塗りやすい。そしてとろみがあるので塗った箇所から流れないってのがいいですね。
そしてこのAZサビアウト、多少の油分があっても塗ってOKだそうです。つまりは食いつきがいいってことですよね?ハジかれないのは正直ありがたい。
錆がみるみる落ちていく
AZサビアウトを塗ってからしばらく放置すると、3分も経たないうちにどんどん泡立ってきました。
ブクブク泡立つのではなくて、微細な泡がシュワシュワと発生しているような感じ。錆と科学反応しているのか見て取れます(ちょっと楽しい)。30分ほど経過したらこんな状態(↓)に。
サビの部分がほとんどなくなって、白っぽくなってます。そして60分ほど経って洗ったのがこちら。完全とは言えませんが、ほとんどのサビが消えてしまいました。
これってすごくない? 一切擦ってないのにこれですよ。本当にまんま「塗っただけ」でこの結果! そしてビフォーアフターを見比べてみると茶色いサビ以外の白っぽい腐食もほどよく落ちてますよね。全体的にすっきりした印象になりました!
実例② バイクのフレーム(奥まった部分)
次に、もう少し条件の厳しい対象で試してみることにしました。
「バイクのフレーム」です! ご存知の通り、バイクのフレームは取り付けステーやエンジンハンガーが複雑に配置されており、その形状はかなり入り組んだものになっています。
多くはプレス成形されたパーツを組み合わせた構造のため、奥まった部分がどうしても生まれてしまうんですよね。そして厄介なのが、その奥まった場所にサビが出てしまった場合です。
サンドペーパーは当然入りませんし、回転工具も届かない。ワイヤーブラシですら突っ込めない形状になっていることも珍しくありません。
つまりフレームというのは、一度サビてしまうとサビ落としがとても困難な部品なのです。体感的には、バイクの中でもサビ取りの難易度はかなり高い部類。下手をするとトップクラスと言ってもいいかもしれません。
だからこそ「ハケで塗るだけ」のサビ落としがどこまで通用するか?とても興味あったんですよね~・・・っていうか、このフレームの錆対策にAZサビアウトを用意したのですから! さぁ! 大いに期待して使ってみましょうか。
さっそく、AZサビアウトを刷毛で塗っていきます。
ここでも先ほどの「多少の油汚れがあっても食いつく」特性が光ります。フレームといえば油汚れがとても多いパーツでもありますし、奥の方まできちんと掃除するのはとても面倒で手間がかかりますもんね。遠慮なく塗れるのは本当に助かります。
実際、このAZサビアウトを刷毛塗りしていくとやはりタレが少ないのがとても好印象。一度塗っちゃえばそこから垂れることがなくて、塗膜が薄くなることがありませんでした。塗り直す手間がないのはなんともありがたい。まさに、ストレスフリー!
ステーの裏側も、コの字構造のプレス成型パーツの裏側も、そしてもちろん表面の広い部分も。ヌリヌリ、ペタペタと刷毛で塗っていきます。意識して薄塗りしてるわけじゃないのに、あまり容量が減りませんね。伸びがいいからとても塗りやすいです。
そして塗っているそばからどんどん化学反応が始まってます。
茶色だったサビが黒く変化して、薄いサビはみるみる消えていくのが見てわかるのです。これはかなり楽しい作業ですね~。そしてこちらも1時間放置してから水洗いすると…。
ほら!こんな状態になりました~。
すごいでしょ?ワイヤーブラシなんか一切使わず、1箇所もこすっていないのにこのサビの落ちっぷり。茶色だったサビがほとんどなくなって、代わりに鉄の白っぽい地肌がむき出しになってます。
ていうか、ここまで効果があると思わなかったので正直びっくり。すごいな・・・ いやマジですごいな。
錆落としの結果がコチラ
正直言いますと、ここまでサビが落ちると思ってなかったんでかなり驚いちゃいました。かさぶたみたいに分厚くなったサビはさすがに落ちないと思われるので、そこまでひどいものは事前に落とした方がより効果的に作業できると思われます。
ですが今回のようなレベルのサビに関しては塗って放置して洗っただけで、その9割以上がすっかりさっぱり落ちてしまいました。ビフォーアフターを並べると分かりやすいですね。
ザラザラだったサビが本当に落ちてるんですよ!! これは表の写真になりますが、もちろんフレームの裏側や奥の方も同様にサビが落ちているので、本当にこれだけでフレームの再塗装ができそうな状態まで仕上がってくれました。
ここが凄いぞ「塗るサビ落とし」
今回使ってみたAZサビアウト。たとえばこんなフロントフォーク(↓)に絶大な威力を発揮しそうですよね。
- 塗って化学反応でサビを分解するので傷がつかない
- タレにくいので縦方向の部品でも使用可能
- 部品を外す必要がない
- 錆落とした後は水洗いすればOK
- ハケ塗りなので表も裏も錆落としが可能
作業方法を大幅に簡略化できるのはとても助かります、ハイ!
「サビアウト」の注意ポイント
AZサビアウトはサビを黒皮に変換するタイプではありません。つまり・・・
- サビを落とす
- 素地が出る
- 放置するとまたサビる
という流れになります。
そんな訳なので、施工後は必ず防錆処理が必須です。ここをサボると「またすぐサビた…」になります。防錆油を塗るか塗装はしたいところですね~!
使ってみた感想とまとめ
これまでサビ落としに関しては、よほど程度の軽いものを除いては「サビは削って磨くもの」と思い込んでいましたが、塗って落とすという選択肢が増えたことで、今後の作業のハードルが一段下がった思いがします。
なにせ刷毛で塗ってしばらく待って洗い流すだけで錆落としをすることができるので、「目についてちょっと気になったサビをチョイチョイと落としてみる」そんな使い方に、この「AZサビアウト」はちょうどいい一本でした。
この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました~!
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