シティライド最適設計! BMWの電動バイク CE04試乗インプレッション

BMW CE4

「Cエボリューション」以来、BMWとしては2機種目の電動バイク「CE04」。コンセプトは「都市の移動」で、デザインも洗練された斬新なスタイルだ。最高速120km/h、最高航続距離も130kmを確保し、充電時間の性能も向上した車両に注目した!


●文:ヤングマシン編集部(近藤スパ太郎) ●写真:輪 ●外部リンク:BMW

BMW CE04 試乗インプレッション

デザインも走行性能も良く、シティライドが楽しい!

’14年に欧州で発売され、軽二輪クラスの先駆けとなったのがBMW初の電動バイク「Cエボリューション」だ。エンジンスクーターのC600/650シリーズの車両をベースにモーターやバッテリーなどの電動パワーユニットを搭載。最高速129km/h、0-50km/h加速は約2.8秒という加速性能を誇り、マイナーチェンジ後は最高航続距離が160kmとなった同モデル、今なお愛用者は多い。

「CE04」はCエボリューションとはコンセプトが全く違い、都市部を移動するお洒落なコミューターとして登場した。BMW4輪車のi2シリーズやミニのPHEVなどで培われた技術を専用設計したフレームに搭載している。Cエボリューションほどの航続距離は求めてはいないが最大130kmを走行でき、最高速度も120km/hで高速巡航可能だ。しかも、0-50km/h加速は2.6秒とCエボリューションを上回る加速性能を持ち、スロットルにクイックに反応して一気に加速する様が気持ち良くて、信号待ちからのスタートがとても楽しい! (バッテリーは早く減ってしまうが…)

【BMW CE04】■全長×全幅×全高(mm):2285×855×1150 シート高:800mm ホイールベース:1675mm 車体重量:231kg ■原動機:液冷オルタネーター搭載、永久磁石式同期電動機 駆動方式:ベルトドライブ 定格出力:15kW 最大出力:31kW(42PS)/4,900rpm 最大トルク:62Nm/0‒4,900rpm 電力回生方式:自動電力回生 最高速度:120km/h 航続距離:130km 駆動用バッテリー:空冷リチウムイオン高電圧バッテリーバッテリー電圧/容量/充電時間/重量:148V/60.6Ah(8.9kWh)/約4h ■ブレーキ:油圧式ディスクブレーキ(ABS装備) タイヤサイズ:F=120/70R15 R=160/60R15 車両区分:軽二輪 運転免許:AT普通二輪~ 乗車定員:2名 ●車体色:ライトホワイト マジェラングレーメタリック ●価格:161万円~

【ライディングポジション】ドイツメーカーのBMWはハンドルが遠く感じる車両が多いが、CE04はハンドルがとても近くてポジションが楽だ。フルステアしてもアウト側の腕に余裕がありハンドル操作性がとても良い。足着き性は両足を下ろした場合、踵までベッタリとは着かない。というのもシート自体はとてもスリムなのだが、その下の車体は大型スクーター並みの幅があり、両足を着くと足が広がるためだ。シートの角が内腿に当たるのがボクは少々気になったな…。[身長173cm/体重77kg]

一方で、Cエボリューションで好評だった、回生ブレーキが掛らずに惰性で走れるセイルモードはなくなり、エコ/レイン/ロード/ダイナミックの4つのみとなった。回生ブレーキの効きはどのモードでもかなり強めで、上手く使えばブレーキレバーを使わなくても停止できるほどだ。この点からも、ストップ&ゴーが多いシティライドでのブレーキエネルギーを回収して航続距離を稼ぐ設計であることが伺える。なお、フロントにはWディスク4ピストンのラジアルマウントキャリパーを採用し、ブレーキング性能も高い。それに、やっぱり231kgの車体を足漕ぎで後進させるのは大変なので、後進機能はとても重宝した。

また、専用設計のダブルクレードルフレームによりバッテリー等の重量物を低い位置に搭載でき、より低重心となった。重量バランスも格段に良くなり操作性も向上している。例えば、Uターンでハンドルを深く切っても安定感がある。これには、オートスタビリティコントロールや、ダイナミックトラクションコントロールなどセンサー技術の恩恵もあるだろう。

最後に、3年間のメーカー保証と、4万kmまたは初年度登録から5年間のバッテリー保証が付属する。オーナーなら安心だよねぇ~。

左手元のRスイッチを押しながらスロットルを開けると後進する。駐輪場の出し入れやUターンなどがメチャ楽だ!

カットオフモデルで見ると、重量物であるバッテリーとモーターが車両の一番下側に配置されている事がよくわかるね。

BMW CE04 バッテリー性能

最大航続距離130km。充電方法はSAE J1772、自宅で200V充電も可!

バッテリー容量は148V/60.6Ah(約8.9kWh)。SAE J1772の充電口を備え、単相200V/16A以下の充電設備で約4時間、Mode3ハイスピード充電(単相200V/32A)では約1時間で80%、1時間20分でフル充電となる。

※高速道路のサービスエリア、パーキングエリアに設置されているCHAdeMOは使用できない。/100V電源での充電はできない。自宅での充電には「単相200V/16A以下」の契約を電力会社と締結し、コンセントの設置工事が必要

ハンドル下の右側にJ1772の充電口を備える。左のボックスはスマホ収納可能。単相200V/15Aの普通充電器(モード2)は付属で、シート下のラゲッジスペースに入れて持ち運べる。

10.25インチ大型TFT液晶カラーディスプレイはフルHD解像度。充電中にはバッテリー残量の%表記/走行可能距離/フル充電までの残り時間/充電終了時間などが表示される。

都内をプチツーリングして休憩中に充電。充電完了時間が表示されるから便利だね!

BMW CE04 ディテール紹介

モーター

【センターモーターを搭載。ベルトドライブで駆動】BMW社が独自に開発した最大出力31kWを発揮するモーターのパワーは、静粛性やパワーロス軽減に優れるベルトドライブで駆動輪に伝わる。

足まわり

【Wディスク4ピストン&ショーワ製ショックも採用!】フロントはWディスク。ホタホアン製4ピストンラジアルマウントキャリパーを採用して高い制動性能を確保。このままでも存在感があるアルミ製ソリッドホイールだが、オプションの純正デカールセットでカスタマイズも可能だ。

プリロード調整可能なショーワ製のショックを採用する。

主要装備

アダプティブヘッドライトは傾斜センサーと連動してコーナリング時にコーナーの内側を照射する。

左手元はメーターパネルの表示などを操作。

走行モードの切り替えは右スイッチボックスで行える。走行中でも可能だ。

ETC2.0車載器とスマホ固定ホルダ、1.5AのUSB-C充電ポートを装備。

ハンドル下の中央部にヘラータイプの12Vシガーソケットがある。

【フローティングシートやステップにも拘りが…】デザインに拘ったフローティング式のシートはかなり細身形状。クッション性の高いコンフォートシートにヒーターが装備されている

デザイン性と乗り心地を兼ね備えたラバータンデムステップ採用。

センタースタンド採用でメンテナンス性向上。

走行時にボディデザインと調和するサイドスタンド。

リモコンキーでは盗難警報装置をオンにできる。


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