
●文:モーサイ編集部(鷹橋公宣/元警察官)
止められても切符処理されないことも。そこにはどんな弁明があったのか?
交通取り締まりをしている警察官に停止を求められて「違反ですよ」と告げられ、アレコレと説明をしたところ…、「まぁ今回は切符を切らないから、今後は気を付けて」と注意されるだけで済んだ経験はありませんか?
現場の警察官には、“指導”として切符処理をせず注意/警告で済ませる権限があり、切符処理が妥当ではないと判断されれば、指導だけで済むこともあります。
とはいえ、ただ「はい、すみません」と神妙にしているだけでは、切符処理されるのがオチ。本記事では、意外と通用する可能性のある有効な弁明(あるいは言い訳)を紹介します。
弁明その1「家族が急病」
急な報せを受けて焦っている状況だと、ついスピードが出すぎたり、標識や標示を見落としてしまったりするもの。とくに家族の急病や危篤の報せを受けた時は、一刻も早く病院へ急ぎたいという心情になるのは仕方がありません。
もし本当に緊急事態に直面しているなら、その状況を説明すれば「それは急いだほうがいい」と指導だけで済ませてもらえる可能性もあるでしょう。
ただし、「大変な状況だから急いで切符処理しますね」と話が通用しなかったり、「念のために連絡先を控えるので、あとで落ち着いたら警察署に出頭して」と求められたりすることも。
もちろん「デートの時間に間に合わない」とか「会議に遅れそう」なんて事情は、まったく通用しません。
弁明その2「さっきそこで注意を受けたばかり」
現場の警察官同士では、いま誰がどこで取り締まりをしているのかを把握していないことがあります。とくに警察署の管轄が違うと、大きな事件が起きて緊急配備が敷かれているのでもないかぎり、ほとんど連携はないので、注意を受けた直後に別の場所で別の警察官から停止させられるケースも珍しくありません。
「今さっきも同じ注意を受けた」と弁明すれば、「そうなんですね」とスルーされる可能性があります。ただそれが通用するのは、“すぐにはどうにもならない違反”だけです。たとえば、ブレーキランプの球切れや免許不携帯などの違反なら、ほぼ「ちゃんとしてね」で済まされるでしょう。
もちろん、携帯電話使用/シートベルト不着装などでは通用しませんし、同日中に同じ違反をしていれば「懲りないな」と厳しく対応してくるかもしれません。
また、整備不良は免許の裏面に確認日時を記入されることがあるので、確認されてしまうとウソならばバレてしまいます。
弁明その3「標識が見えにくい」
街路樹がジャマで標識が見えにくかった、逆光で信号機が見えなかったなどの状況でも、警察官は容赦なく切符を切ろうとします。
本当に標識などが見えにくい状況にあった場合は、標識が効果を発揮するだけの適切な被視認性がなかったことになるので、「標識が見えにくい」と指摘すれば、注意だけで済まされる可能性が高いでしょう。
ただし、運転者側の単なる注意不足による見落としでは通用しません。周囲の車が標識に従ってルールを守っているなら、自分だけ「見えにくかった」と主張しても、相手にしてもらえないでしょう……
弁明その4:「このぐらいで切符きるの?」
たいした違反でないのなら「このくらいで切符を切るの?」と言いたくなる気持ちは理解できます。
一時停止を“ピタっ”と止まったわけではないけど、十分減速したし、周囲にクルマや歩行者もいなかったから危険はなかったとか、シートベルトを着けていなかったけど車を発進させてまだちょっとだったなんて状況だと、「もっと危険な違反を取り締まってよ」と文句も言いたくなるもの……
※2023年3月21日公開記事を一部再編集しています。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
モーサイの最新記事
日本語表記では「前部霧灯」。本来、濃霧の際に視界を確保するための装備 四輪車ではクロスオーバーSUVのブーム、二輪車においてもアドベンチャー系モデルが増えていることで、「フォグランプ」の装着率が高まっ[…]
Z1とともに、CB750Fourを挟み撃ちするねらいで生まれた、Z1ジュニア=Z650 公害やマスキー法、オイルショックなどが社会問題として声高に叫ばれ始めた1970年代、カワサキは2サイクルのマッハ[…]
意外なる長寿エンジン「ザッパー系」が積み重ねた31年の歴史 2006年12月、ゼファー750ファイナルエディションの発売がアナウンスされ、1990年初頭から続いたゼファー750の16年におよぶ歴史が幕[…]
白バイがガス欠することはあるの!? 今回は、「白バイが警ら中にもしもガス欠になったら!?」について、お話したいと思います。結論を先に言うと、ガス欠にならないように計画を立てて給油しています。 私も10[…]
1998年登場のロングセラーモデル、ホンダCB1300シリーズの魅力とは? 今回は、私が白バイ隊員として約10年間、ホンダ CB1300に乗ってきた経験や感想を交えて、CB1300シリーズをお勧めする[…]
最新の関連記事(バイク雑学)
日本語表記では「前部霧灯」。本来、濃霧の際に視界を確保するための装備 四輪車ではクロスオーバーSUVのブーム、二輪車においてもアドベンチャー系モデルが増えていることで、「フォグランプ」の装着率が高まっ[…]
白バイがガス欠することはあるの!? 今回は、「白バイが警ら中にもしもガス欠になったら!?」について、お話したいと思います。結論を先に言うと、ガス欠にならないように計画を立てて給油しています。 私も10[…]
免許制度は基本、ヨーロッパで共通 イタリアのバイク事情を現地からお届けするコラム「Vento Italiano」(イタリアの風)第2回。今回はイタリアの自動車運転免許制度について紹介していきます。 と[…]
660ccの3気筒エンジンを搭載するトライアンフ「デイトナ660」 イギリスのバイクメーカー・トライアンフから新型車「デイトナ660」が発表された際、クルマ好きの中でも話題となったことをご存知でしょう[…]
バイク同様に開放感を楽しめるオープンカー、屋根を開けた状態での雨対策はどうなっている? ごく一部の特別なモデルやカスタムされたマシンを除くと、バイクは雨の中を走ったからといってトラブルが起きないように[…]
人気記事ランキング(全体)
現代の耐久レーサーはヘッドライト付きのスーパーバイクだが…… 近年の耐久レーサーは、パッと見ではスプリント用のスーパーバイクレーサーと同様である。もちろん細部に目を凝らせば、耐久ならではの機構が随処に[…]
GB350に初のツートーン、GB350Sの燃料タンクにはストライプ採用カラーも ホンダ「GB350」「GB350S」マイナーチェンジ。2023年に最新排出ガス規制に適合して以来のイヤーモデル更新だ。2[…]
バイクツーリングにおすすめの都道府県ティア表 バイクツーリングの魅力は、ただ目的地に行くだけでなく、そこへ至る道中のすべてを楽しめる点にある。雄大な自然が織りなす絶景、心地よいカーブが続くワインディン[…]
最新モデルはペルチェデバイスが3個から5個へ 電極の入れ替えによって冷却と温熱の両機能を有するペルチェ素子。これを利用した冷暖房アイテムが人気を博している。ワークマンは2023年に初代となる「ウィンド[…]
高回転&高出力主義の権化 250クラスでも高性能な直4を望む声が高まっていた’80年代前半、スズキが世界初の250cc水冷直4エンジンを搭載した量産車、GS250FWを投入。以降、ヤマハ、ホンダが追随[…]
最新の投稿記事(全体)
レブル250ではユーザーの8割が選択するというHonda E-Clutch ベストセラーモデルのレブル250と基本骨格を共有しながら、シートレールの変更や専用タンク、マフラー、ライディングポジション構[…]
シリーズ第10回は『クイーンスターズ』に学ぶ「取り回し」だ! 白バイと言えばヤングマシン! 長きにわたって白バイを取材し、現役白バイ隊員による安全ライテク連載や白バイ全国大会密着取材など、公道安全運転[…]
要望に応え、アンコール販売が決定 「AIO-6」シリーズの初回クラウドファンディングは2025年6月3日に終了し、2015名からの支援と総額7,300万円を突破する大きな成果を収めた。今回のアンコール[…]
なぜ「モンキーレンチ」って呼ぶのでしょうか? そういえば、筆者が幼いころに一番最初の覚えた工具の名前でもあります。最初は「なんでモンキーっていうの?」って親に聞いたけども「昔から決まっていることなんだ[…]
【ヨシムラジャパン代表取締役・加藤陽平氏】1975年、POPの右腕だった加藤昇平氏と、POPの次女・加藤由美子氏の間に生まれる。4輪業界でエンジンチューンやECUセッティングなどを学び、2002年にヨ[…]