[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”
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これまであらゆるパターンの「固着したボルト」と戦って(戯れて)きましたが、今回もちょっとややこしい固着ボルトに出会いました。「スキマ」につけ込んだ、油断も「スキ」もない「頑固」モノ。焦らずじっくり外していきましょう~!
●文:[クリエイターチャンネル] DIY道楽テツ
「固着したボルト」というのは実に個性豊かです
全く同じ人間がいないのと同じように、全く同じ症状の固着ボルトには出会ったことがありません。それが難しくもあり、また楽しくもあるわけですが、今回も楽しい(ややこしい)固着ボルトに出会いました。
今回のターゲットはコチラ!
古いオフロードバイクのステム、フロントフォーククランプ部分のボルトが固着していて回りません。
メガネレンチでグッと力を加えると何とも嫌な感触が伝わってきます。感触だけですぐわかりますね。
「あっ、コイツ、面倒くさいやつだ!」
それもそのはず。サイドから見ればわかるのですが・・・
クランプの構造上、真ん中あたりに隙間があります。
これ、どうしてタチが悪いかというと、この真ん中の部分だけボルトのネジ山が空気や水に触れやすいのです。つまり、この隙間の奥まった部分にサビが発生しやすいということ!
とは言ってもこのクランプの構造上、手前の部分にネジ山は切られていない単なる穴なので、多少は錆が発生したところで問題はないのですが、長年放置されたバイクなどの場合、その隙間が錆でギッシリと埋め尽くされてしまうことがあるほどなのです。
これが非常にタチが悪い。
ただでさえネジの抵抗が大きいのに、知らずに回すと、その穴の中にサビが押し込まれてしまい、せっかく回ったボルトもサビもろとも押し込まれて、さらに抵抗が増すハメに。結果、抜くことも戻すこともできなくなってしまって、M8ボルトなんか簡単に折れてしまうのですよ。
つまりどういうことかというと、固着したネジを回るようにする一方で、中に発生したサビを砕いて細かくしてできるだけ排出しなければならないわけです。中の状況を目視できないのが何とも大変なんですよね~…。
作業はカンタン! 大切なのは根気です
外し方はいたって簡単です。
まずはできるだけ強力な潤滑剤を用意してください。正直な話、安物はおすすめできません。ネジを折らずに抜くためには、可能な限り抵抗を減らせる潤滑剤があると心強いです。
まずは、潤滑剤を隙間にたっぷり注入して
ハンマーを用意して
ガンガン!と容赦なく衝撃を与えて、ボルトのネジ穴の固着を解除する一方で、少しでも隙間を作って潤滑剤を浸透させます。
大切なのは「行ったり、来たり」
ボルトが動くようになったからといって、焦って抜いてはいけません。1/8回転くらい回したら、また1/8回転戻して、また回す・・・といった具合で、行ったり来たりを繰り返しましょう。
これは潤滑剤を中に浸透させるという目的もあるのですが、内部に発生しているサビを壊して、細かく粉砕して、可能な限り隙間から排出するのが目的です。行ったり来たりを何回も繰り返したら、こまめに潤滑剤を注入します。
新しい潤滑剤を追加するのも大切ですが、砕かれたサビを排出する役割もあります。エアブローするのも有効なので、とにかく少しでも錆を外に排出してください。1/8回転が1/2回転になって、やがては1回転になって・・・そうやって行ったり来たりを繰り返してるうちに、ある時点から急にボルトの回転が軽くなるはずです。
そうなればしめたもの! そこで焦って抜くのではなく、もう1回スタート地点に戻ってから潤滑剤を吹きましょう。ハンドツールから感じる手応えに気をつけながら抜いていけば、ほぼ間違いなくボルトを抜くことができます。
はいっ! 抜けました~!!
中でどれほどサビが発生していたかわかりませんが、抜けたボルトを見る限りでは、ご覧の通りかなり錆が発生していたのが分かります。やっぱり酷かったんだね~・・・!
私は過去に同じようなパターンでボルトを折ってしまった経験があります。構造上そんなことはありえないと思いつつも、ある程度回った最後の最後でいきなりポキっと折れてしまったのです。それほどにサビがネジ穴に詰まった時の抵抗は大きいので、どうか皆さんもご注意ください。
なんたってこの構造で折れたボルトを抜き去るのはとても大変ですからね~(汗)。この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました~!
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