[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”
![[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/01/53758e481c41f6b17cb6b847a0928540.jpg)
これまであらゆるパターンの「固着したボルト」と戦って(戯れて)きましたが、今回もちょっとややこしい固着ボルトに出会いました。「スキマ」につけ込んだ、油断も「スキ」もない「頑固」モノ。焦らずじっくり外していきましょう~!
●文:[クリエイターチャンネル] DIY道楽テツ
「固着したボルト」というのは実に個性豊かです
全く同じ人間がいないのと同じように、全く同じ症状の固着ボルトには出会ったことがありません。それが難しくもあり、また楽しくもあるわけですが、今回も楽しい(ややこしい)固着ボルトに出会いました。
今回のターゲットはコチラ!
古いオフロードバイクのステム、フロントフォーククランプ部分のボルトが固着していて回りません。
メガネレンチでグッと力を加えると何とも嫌な感触が伝わってきます。感触だけですぐわかりますね。
「あっ、コイツ、面倒くさいやつだ!」
それもそのはず。サイドから見ればわかるのですが・・・
クランプの構造上、真ん中あたりに隙間があります。
これ、どうしてタチが悪いかというと、この真ん中の部分だけボルトのネジ山が空気や水に触れやすいのです。つまり、この隙間の奥まった部分にサビが発生しやすいということ!
とは言ってもこのクランプの構造上、手前の部分にネジ山は切られていない単なる穴なので、多少は錆が発生したところで問題はないのですが、長年放置されたバイクなどの場合、その隙間が錆でギッシリと埋め尽くされてしまうことがあるほどなのです。
これが非常にタチが悪い。
ただでさえネジの抵抗が大きいのに、知らずに回すと、その穴の中にサビが押し込まれてしまい、せっかく回ったボルトもサビもろとも押し込まれて、さらに抵抗が増すハメに。結果、抜くことも戻すこともできなくなってしまって、M8ボルトなんか簡単に折れてしまうのですよ。
つまりどういうことかというと、固着したネジを回るようにする一方で、中に発生したサビを砕いて細かくしてできるだけ排出しなければならないわけです。中の状況を目視できないのが何とも大変なんですよね~…。
作業はカンタン! 大切なのは根気です
外し方はいたって簡単です。
まずはできるだけ強力な潤滑剤を用意してください。正直な話、安物はおすすめできません。ネジを折らずに抜くためには、可能な限り抵抗を減らせる潤滑剤があると心強いです。
まずは、潤滑剤を隙間にたっぷり注入して
ハンマーを用意して
ガンガン!と容赦なく衝撃を与えて、ボルトのネジ穴の固着を解除する一方で、少しでも隙間を作って潤滑剤を浸透させます。
大切なのは「行ったり、来たり」
ボルトが動くようになったからといって、焦って抜いてはいけません。1/8回転くらい回したら、また1/8回転戻して、また回す・・・といった具合で、行ったり来たりを繰り返しましょう。
これは潤滑剤を中に浸透させるという目的もあるのですが、内部に発生しているサビを壊して、細かく粉砕して、可能な限り隙間から排出するのが目的です。行ったり来たりを何回も繰り返したら、こまめに潤滑剤を注入します。
新しい潤滑剤を追加するのも大切ですが、砕かれたサビを排出する役割もあります。エアブローするのも有効なので、とにかく少しでも錆を外に排出してください。1/8回転が1/2回転になって、やがては1回転になって・・・そうやって行ったり来たりを繰り返してるうちに、ある時点から急にボルトの回転が軽くなるはずです。
そうなればしめたもの! そこで焦って抜くのではなく、もう1回スタート地点に戻ってから潤滑剤を吹きましょう。ハンドツールから感じる手応えに気をつけながら抜いていけば、ほぼ間違いなくボルトを抜くことができます。
はいっ! 抜けました~!!
中でどれほどサビが発生していたかわかりませんが、抜けたボルトを見る限りでは、ご覧の通りかなり錆が発生していたのが分かります。やっぱり酷かったんだね~・・・!
私は過去に同じようなパターンでボルトを折ってしまった経験があります。構造上そんなことはありえないと思いつつも、ある程度回った最後の最後でいきなりポキっと折れてしまったのです。それほどにサビがネジ穴に詰まった時の抵抗は大きいので、どうか皆さんもご注意ください。
なんたってこの構造で折れたボルトを抜き去るのはとても大変ですからね~(汗)。この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました~!
私のYouTubeチャンネルのほうでは、「バイクを元気にしたい!」というコンセプトのもと、3日に1本ペースでバイクいじりの動画を投稿しております。よかったら遊びにきてくださいね~!★メインチャンネルはコチラ→「DIY道楽」 ☆サブチャンネルもよろしく→「のまてつ父ちゃんの日常」
最新の関連記事(DIY道楽テツ)
アクセルワイヤーが長すぎた!というトラブル ハンドルを交換して長さが合わなくなってしまったり、はたまたケーブルそのものが痛んでしまったり。こうしたアクセルワイヤー(スロットルケーブル)を交換する際、「[…]
セルが弱くなったらバッテリー交換のサイン スクーターのバッテリーが弱ってきたのか、始動性がイマイチになってきました。 そういえば、このバッテリーもずいぶんずいぶん古くなってきたので、バッテリーを買い替[…]
新品タイヤが滑るその理由 新しいタイヤは滑ります。 滑りたくないから新しいタイヤに交換したというのに、なぜか新しいタイヤはマジで滑るんです(経験者は語る)。 なぜ滑るかというと、それはタイヤの製造過程[…]
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
燃料コックにも涙? それはある日の出来事。バイクで走り出そうとガソリンタンクの燃料コックをオンにした時、指先に冷たいものを感じました。 何があるのかと覗き込んでみると・・・燃料コックが泣いているぅ~![…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
自分だけのパーツ作成に役立つ彫刻機 愛車やガレージのカスタムにはワンポイントでも世界にひとつだけのパーツやあしらいがほしいもの。とはいえ、こだわればこだわるほどプロ級のツールが必要不可欠となる。 そこ[…]
Amazonランキング1位! カエディア USBチャージャー「KDR-M3C」を選択 携帯電話所有者のスマートフォン比率が2024年現在で97%というデータがあるなど、もはや日常生活に切っても切り離せ[…]
主流のワンウェイタイプ作業失敗時の課題 結束バンドには、繰り返し使える「リピートタイ」も存在するが、市場では一度締め込むと外すことができない「ワンウェイ(使い捨て)」タイプが主流だ。ワンウェイタイプは[…]
未塗装樹脂の白ボケ原因とツヤを復活させる方法 黒かったものが白っぽくなってくると古臭く見えてしまいます。…いいえ、「白髪」ではなくて「黒樹脂(未塗装樹脂)パーツ」のオハナシです。 新車の頃は真っ黒だっ[…]
点火トラブルって多いよね 昔から「良い混合気」「良い圧縮」「良い火花」の三大要素が調子の良いエンジンの条件として言われておりますが、それはそのまま調子が悪くなったバイクのチェック項目でもあります。その[…]
人気記事ランキング(全体)
主流のワンウェイタイプ作業失敗時の課題 結束バンドには、繰り返し使える「リピートタイ」も存在するが、市場では一度締め込むと外すことができない「ワンウェイ(使い捨て)」タイプが主流だ。ワンウェイタイプは[…]
ヤマハの社内2stファンが復活させたかったあの熱きキレの鋭さ! 「ナイフのにおい」R1-Z の広告キャッチは、ヤマハでは例のない危うさを漂わせていた。 しかし、このキャッチこそR1-Zの発想というかコ[…]
伝統の「火の玉/玉虫」系統 Z900RSのアイコンとも言える、Z1/Z2(900 SUPER 4 / 750RS)をオマージュしたキャンディ系カラーリングの系統だ。 キャンディトーンブラウン×キャン[…]
高機能なウィンタージャケットを手に! 今だけ34%OFF コミネの「JK-603」は、どんなバイクにも合わせやすいシンプルなデザインのショート丈ウィンタージャケットである。 見た目の汎用性の高さに加え[…]
電子制御CVTがもたらすワンランク上の加速性能 ヤマハ軽二輪スクーターのNMAX155は、ʼ25年型で大幅進化。パワーユニットの熟成、リヤのストローク5mm延長を含む前後サスペンションのセッティング最[…]
最新の投稿記事(全体)
1948年創業、1958年にスーパーカブが誕生し、その後は誰もが知る世界一のメーカーに 2023年に創業75周年を迎えた本田技研工業は、1949年にフレームからすべて自社製の本格的なオートバイ、ドリー[…]
元々はブレーキ液の飛散を防ぐため フロントブレーキのマスターシリンダーのカップに巻いている、タオル地の“リストバンド”みたいなカバー。1980年代後半にレプリカモデルにフルードカップ別体式のマスターシ[…]
まずはレーシングスクールから! そもそもプロレーサーって、レースだけで収入の全てを賄っている人というのが一般的なイメージなんでしょうけど、残念ながらそういった人は全日本でもほんの一握り。では、プロレー[…]
足着きがいい! クルーザーは上半身が直立したライディングポジションのものが主流で、シート高は700mmを切るケースも。アドベンチャーモデルでは片足ツンツンでも、クルーザーなら両足がカカトまでベタ付きと[…]
コンパクトな新エンジンの効用をより強く感じられる新作ストリートファイター ストリートファイターV2シリーズのハイライトは、やはり新設計のV2エンジンにある。旧型比-9.4kgのシェイプアップを行うと共[…]

![[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”|[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/01/c2fe14c76338be912afd5166905a32cd-768x432.jpg)
![[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”|[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/01/83ebd072dfa9916c6006a698d3ddbb3b-768x432.jpg)
![[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”|[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/01/5d124aa8772d3c1ed7970b491749ec10-768x432.jpg)
![[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”|[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/01/53758e481c41f6b17cb6b847a0928540-1-768x432.jpg)
![[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”|[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/01/bc4d3c8cb11df4b6d49897d0b02c182c-768x432.jpg)
![[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”|[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/01/747145929cbc4642758368087dc8acf2-768x432.jpg)
![[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”|[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/01/0aa9cd289c3eb33214a592251055e4ac-768x432.jpg)
![[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”|[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/01/e09b38153d3c9739374498b7e809b0bc-768x432.jpg)
![[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”|[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/01/c14cc4cd9499453fa64147de661acc93-768x432.jpg)
![[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”|[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/01/74d78ddc76ca18685a6c5003a7344686-768x432.jpg)
![[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”|[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/01/70cadee5a6ec8d3b8d1c7fcaeaa38f87-768x432.jpg)
![[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”|[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/01/d6fc46251fe600caaa7bbfdaa42aaf91-768x432.jpg)
![[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”|[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/01/366f3ad65aa08bd1bb50e149fd14f5ec-768x432.jpg)
![[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”|[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/01/3e3ac076d196ee8acd2efc7545a85630-768x432.jpg)
![[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”|[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/01/ca535378a914c24cdc2eed38bb2dd017-768x432.jpg)
![[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”|[DIY整備のコツ] ネジ穴までサビたボルトを壊さず抜くには”焦らず急がず”](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/01/fe3b0ef65f236b4b601ff8ecb6372c8d-768x432.jpg)





























