
高市総理が、若かりし頃にスポーツバイクを楽しむライダーだったことは有名で、読者の多くがご存じのことと思います。それだけではなく、バイクが好きでバイクのこと、ライダーのことをよくご存じの高市総理は、バイクの使用環境改善の大きな原動力になっている自民党をはじめとして各政党に立ち上げられているオートバイ議員連盟(政党によって名称は異なりますが)の創設に深く関わっていたことはあまり知られていないでしょう。高速道路の2人乗り解禁や、教習所で大型二輪免許が取得できるようになったのも、高市総理のアドバイスが大きなきっかけだったのです。
●取材/文:ヤングマシン編集部(Nom) ●取材協力:高市早苗事務所、全国オートバイ協同組合連合会、オートバイ政治連盟
「高速2人乗り解禁」の陰に高市総理のアドバイス
いまから30年以上前、当時、高速道路の80km規制解除や2人乗り解禁などバイクの使用環境改善の活動を行っていた現オートバイ政治連盟会長の吉田純一さん(元全国オートバイ協同組合連合会会長)が、奈良にある高市早苗衆議院議員(当時)の事務所を訪ね、ユーザーへの署名活動や関係各署への陳情を繰り返しても一向に物事が進展しない現状を訴えました。
吉田さんの話を聞いた高市議員(当時)は、「いくら陳情を繰り返しても無理。政治家が押さない限り物事は動かないから、オートバイ議員連盟(以下オートバイ議連)を作らなければダメ」とアドバイスをしてくださったそうです。
そして、高市議員(当時)は当時自民党の重鎮で、自らもハーレーでツーリングを楽しむライダーだった小里貞利議員(故人)を紹介してくれて、小里議員もオートバイ議連の発足を快諾。そこから、いままで少しも動かなかったさまざまなことが動き出しました。
自民党オートバイ議連の初代会長になった小里議員は、警察関係者を呼んで勉強会を開催したりと、バイクの使用環境改善のために尽力され、2005年にはライダーの悲願だった高速道路の2人乗り解禁など、さまざまな規制緩和に多大な貢献をされました。
それもすべて吉田さんに対する高市議員(当時)の助言があってこそ。まさに、いま我々ライダーが得ているいろいろな権利は高市総理の功績と言っても過言ではないのです。
「どんなライダー?」総理本人が回答をくださった
では、高市総理はどんなライダーだったのか。報道などでカワサキ・Z400GPにまたがっている姿は見ていますが、どんな風にバイクを楽しんでいたかはほとんど触れられずじまい。
そこで、高市総理の実弟で秘書を務めている高市知嗣さんにお話を聞こうとしたら、バイクのことなら総理本人が自分で答えるとのことで、質問状を総理宛に送りました。
その質問と、総理の回答を下記に記します。
高市総理のプロフィールを紹介する際に使用されたカワサキ・Z400GPにまたがる高市総理。松下政経塾の入塾試験にも400ccバイクで行ったそうで、当時の高市総理とバイクとの関係性がよく分かる。
高市総理への質問と回答
1.バイクに乗るようになったきっかけは?
とくにきっかけはなく、通学やバイト先への移動などに必要だったからです。
2.何歳からバイクに乗り始め、いつ頃まで乗っていらっしゃいましたか?
16歳から乗り始めましたが、衆議院議員3期目に経済産業副大臣となり、「万が一の怪我などで役所や国会を休んでは、国民のみなさまに申し訳ない」と思い、公道でバイクに乗るのはやめました。
※編注:吉田さんによると、バイク好きの高市総理はその後もトライアルなどを楽しんでいたそうです。
3.どんなバイクを所有し、乗っていましたか?
KAWASAKI Z400GP
SUZUKI GSX400E KATANA
4.お気に入りのバイクは何ですか?
KAWASAKI Z400GP
5.どんなバイクライフを送っていらっしゃいましたか?
学生時代は、裏六甲や阪奈道路の大阪側など、カーブが多い道を走るのが好きでした。バイト代が貯まるとツーリングに出かけておりました。
6.ツーリングではどんな場所に行かれましたか。とくに印象に残っている場所、もう一度行ってみたい場所はございますか?
日本全国の海岸線沿いの道はほとんど制覇しました。今でしたら、湘南エリアを久し振りに走ってみたいです。
7.高市総理がお考えのバイクのよさとは何ですか?
バイクの魅力は、移りゆく季節の風、路面の感触をダイレクトに味わえる心地よさ、だと思っています。
8.高速道路料金など、バイクにはまだまだ解決されていない不公平な問題があります。この点についてどうお考えでしょうか?
高速道路料金については、バイクも含め車種間に不公平感があるとの声も承知しておりますので、国土交通省の審議会において議論を行っているところです。
バイクへの希望ナンバー制は、ついに導入されることとなりました。125cc超を対象に、今年(※編注:2026年)の10月から受け付けが開始されます。
駐輪場の確保も長年の課題です。取り組みが始まって以降、全国の自動二輪の駐車場の箇所数は約14倍、台数は約2倍に増えていますが、大都市部などではまだまだ不足しています。今、国土交通省、警察庁、経済産業省の連絡会議で駐車スペース確保に向けた検討を行っています。
9.WEBヤングマシンの読者に一言お願いします。
私は、今でもバイクのレース映像を観るのは好きですし、時間が取れた時には、ネットで各メーカーの人気モデルのチェックをしています。
現在は内閣総理大臣の仕事に全力投球ですが、体力のあるうちにもう一度バイクで日本の素晴らしい景色を楽しみたいと思います。
WEBヤングマシンの読者の皆様におかれましては、安全運転でバイクライフを思いっきり楽しんでくださいね!
バイクの世界にも多大な功績をあげられた高市総理。
超多忙で、要職に就いている現在はバイクに乗ることもままならないと思いますが、いつか時間ができたとき、再びバイクで日本中を走り回っていただきたいと思います。
ツーリングの際の1ショットだろうか。愛車のZ400GPのマフラーはしっかりカスタムされているのが分かる。
要職を歴任するようになってからも、AJの懇親会には総理になるまでは毎回出席。バイク界の動向はいつも気にかけている。自民党オートバイ議連の顧問も務めている。
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