![「迫力がスゴい…」日本が世界に誇る歴史的名車。登場から48年を経た今もなお色褪せない。6気筒エンジンの圧倒的な存在感が印象的な[ホンダ・CBX 1000]](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2026/08/Honda_CBX1000_A.jpg)
短命に終わったが、生産が終了した今もなお伝説の名車として高い人気を誇る、ホンダのCBX 1000。6気筒エンジンの存在感が圧倒的なこの名作マシンを紹介していこう。
※2025年6月刊行の『ニッポン旧車烈伝 昭和のジャパン・ビンテージ・バイク 323選』より、個性派名車を抜粋し、加筆してお届けしています
●文:ヤングマシン編集部
1978年に市場に投入。ホンダの英知を集めた名作6気筒モデル「CBX 1000」
多気筒化によるエンジンの高出力化と超高回転化は、1960年代の世界GPロードレースにおいてホンダがその正当性を鮮烈に実証した技術であった。特に250ccクラスに投入された空冷並列6気筒レーサー「RC166」は、怒涛の超高回転サウンドとともに全戦全勝という圧倒的なパフォーマンスを見せつけ、世界中のモータースポーツファンを驚愕させた。時代が下り1970年代後半、市販車市場においても「ナナハン」やリッタークラスの4気筒モデルはもはや定着し、当たり前の存在となっていた。そうした中、世界のバイクメーカー各社は、他社の追随を許さない次世代の絶対的フラッグシップのあり方を模索し始めていたのである。
こうした激動の時代背景のもと、1977年12月に発表され、翌1978年に満を持して市場へ投入されたのが、ホンダの英知を結集した空冷並列6気筒マシン「CBX(CBX1000)」であった。当時、6気筒を搭載した市販オートバイとしては、1973年に登場したイタリアのベネリ「750セイ」が先行していたものの、これは既存のCB500フォア(4気筒)に2気筒分を追加増設した派生構造に近いものであった。これに対してホンダのCBXは、究極のフラッグシップを目指してゼロから立ち上げられた完全新設計のパワーユニットであった。
【1978 HONDA CBX】■空冷4スト並列6気筒DOHC4バルブ1047cc 105ps/9000rpm 8.6kg-m/8000rpm 249kg F=3.50H19 R=4.25H18 輸出モデル
その開発コンセプトの根底に存在したのは、まさに伝説のGPマシンであるRC166そのものであった。パワーユニットには空冷DOHC4バルブ並列6気筒1047ccエンジンを採用し、車体にはエンジンを強度メンバーとして活用する鋼管ダイヤモンドフレームを組み合わた。長大な6気筒シリンダーヘッドに起因する熱歪みや高回転時の複雑な振動に対処するため、カムシャフトを3気筒ずつ2分割し、オルダムジョイントで連結するというレース由来の高度な設計手法まで完璧に継承していた。
また、下側にダウンチューブを持たないダイヤモンドフレームの採用により、前方からは左右へ力強く張り出した圧倒的な迫力の6気筒エンジンが露出する造形となり、見る者を一目で圧倒する独特のグラマラスな美しさを誇っていた。
正面から見ると、6気筒エンジンの存在感が際立つ。
しかし、最高出力105馬力という当時としては並外れたハイパワーを発揮する一方で、車体の絶対的な剛性や足回りのキャパシティはやや不足気味であり、限界走行時のハンドリングには繊細さが求められた。そのため、純粋なスーパースポーツとしての真価や運動性能の評価は、後に登場する軽量かつ高剛性なCB900Fなどの4気筒モデルへ譲ることとなる。その後、CBXはリアサスペンションのプロリンク化やカウルの装着といった熟成を重ね、その圧倒的なスムーズさと所有感を活かしたプレミアム・プレミアムツアラーとしての独自の立ち位置を確立していくのだった。
マイル表示のスピードメーターは、150mph(240km/h)まで刻まれる。メーターのレンズには、視認性を向上させるために防眩処理が施されている。
唯一無二のDOHC24バルブ6気筒:ホンダCBX
世界GPを席巻したホンダワークスレーサーRC166のテクノロジーを惜しみなく注ぎ込み、空冷6気筒でリッタースーパースポーツを目指したCBX1000。短命に終わってしまったものの、その高い志と芸術的な空冷6気筒の美しさは、多くのライダーに衝撃を与えたレジェンドマシンだ。
ホンダCBXの系譜
1981 CBX
1981年、フレーム/サスペンション/ブレーキ/エンジンなど徹底改良を施したモデルを投入するが、北米市場の要望により、カウリングやサイドバッグを装備し、ホイールベースを延ばしたツアラー色の強い物となる。
1981 CBX
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