
ベトナムで絶大な支持を集めるスポーツアンダーボーン、ヤマハ「エキサイター」が20周年の節目にフルモデルチェンジを遂げた。軽二輪スーパースポーツYZF-R15譲りの可変バルブ(VVA)付き155ccエンジンに、クラス初となるトラクションコントロール(TCS)やABSを搭載。スポーツの名は過言ではないスペックで登場した「エキサイター155 VVA-TCS」を紹介しよう。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:ベトナムヤマハ
20周年の系譜と「アウト・トリン」の意志
ベトナムにおいて2006年に誕生して以来、見た目はスクーターながら中身は歴としたMTミッションという、アンダーボーン型スポーツバイクのジャンルを確立したのが「エキサイター(Exciter)」だ。日本では正規導入のない海外専用モデルだが、現地ベトナムでは若者たちから絶対的な人気を誇る主役マシンとなっている。
誕生20周年を記念する2026年のモデルチェンジに与えられたキーワードは、ベトナムの若者言葉で「次元が違う」や「他を圧倒する」を意味する「Out Trình(アウト・トリン)」である。まさに、その名が示す通りの劇的な進化を遂げ、プレミアム・スポーツへと昇華した。
YZF-R15直系の心臓部とクラス初の電制安全デバイス
心臓部には、スポーツバイク「YZF-R15」と同系となる155.1cm³の水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒エンジンを搭載する。可変バルブ機構「VVA」を採用し、11.6:1という高圧縮比から最高出力18.5PS(13.6kW)を発揮。従来モデルの「エキサイター150」(150ccエンジン・5段変速)と比較して、排気量は155.1cm³へ拡大。
最高出力は18.5PSへと高められ、トランスミッションは6段マニュアルへと多段化されている。これにより、高速巡航時の余力と全域での加速性能において、従来モデルを大幅に上回る俊敏さを獲得した。さらに二次減速比(ギヤ比)を従来の14/46から14/48へとショート化。高回転域の6速ギヤでの加速レスポンスに磨きをかけている。
そして、アンダーボーンクラスで初めて「トラクションコントロールシステム(TCS)」を導入した。これにより、滑りやすい路面や急な加速時でも、駆動力を電子制御して後輪の不要なスピンを抑制する物理的挙動を実現。悪天候時における高い車両安定性を獲得した。足周りも、17インチの前後アルミホイールに、フロント90/80-17、リア120/70-17サイズのロードスポーツタイヤを装着とスポーティな組み合わせ。さらにSP版および限定版のみとなるが、ブレーキにはABSを採用している。
また面白い機構が、新設計の「サウンドブースター(Bộ khuếch âm thanh)」だ。大容量エアクリーナーと吸気経路の最適化により、高回転域(300Hz〜600Hz付近の周波数)でスポーティかつ力強い吸気音を創出する。この物理的な音響設計により、スロットルを開けた瞬間のライダーの聴覚的な高揚感は飛躍的に高まるのだ。
所有欲を満たすカラーとスマート機能の革新
「エキサイター155 VVA-TCS」は、デザイン面でも独自のスポーツ性を主張する。「Downforce Movement」をコンセプトに掲げたスタイリングは、フロントの風圧を逃がしつつ車体を路面へと押し付ける効果を狙う。新造形されたフロントマスクは、野生の猛獣が獲物を狙うかのような鋭い「眼光」を模したポジションランプを備えており、目を引くつくりだ。
また、利便性においてもかなり先進的。スマートフォン接続アプリ「Y-On」を介し、車体側のメーターパネルに通話やメッセージの着信をリアルタイムで表示可能なのだ。アプリ上では、毎日の走行ルートや平均燃費、現在地からのパーキング位置情報などを一元管理すらできる。
日本への正式導入の予定は未定。だが並行輸入品を扱うショップも出てきたので、日本でも目にする機会が増えそうだ。
YAMAHA EXCITER 155 VVA TCS [2026 model / Vietnam]COLORS
LIMITED
【YAMAHA EXCITER 155 VVA TCS LIMITED】●Xanh-GP
SP
PREMIUM
STD
YAMAHA EXCITER 155 VVA TCS [2026 model / Vietnam]SPECS
| 全長×全幅×全高 | 1.975 × 665 × 1.100 mm |
| 軸間距離 | 1.295 mm |
| シート高 | 795 mm |
| 最低地上高 | 150 mm |
| 車両重量 | 120 kg (Tiêu Chuẩn) / 121 kg (Cao Cấp) / 124 kg (SP/Giới Hạn) |
| 最大積載量 | 150 kg |
| 燃料タンク容量 | 5.4 L |
| 燃料消費率 | 2.07 L / 100 km |
| エンジン形式 | 水冷4ストロークSOHC 4バルブ単気筒 (可変バルブ機構VVA搭載) |
| 総排気量 | 155.1 cm³ |
| ボア×ストローク | 58.0 × 58.7 mm |
| 圧縮比 | 11.6:1 |
| 最高出力 | 13.6 kW (18.5 PS) / 9.500 rpm |
| 最大トルク | 14.4 N·m / 8.500 rpm |
| トランスミッション | 6段マニュアル |
| フレーム形式 | バックボーン (Backbone) |
| タイヤサイズ (前) | 90/80-17M/C 46P |
| タイヤサイズ (後) | 120/70-17M/C 58P |
| フロントブレーキ | シングルディスク+ABS (SP/Giới Hạnは267 mmディスク・2ピストンキャリパー)、シングルディスク (Cao Cấp/Tiêu Chuẩnは245 mmディスク) |
| リアブレーキ | シングルディスク (203 mm) |
| サスペンション (前) | テレスコピック (コイルスプリング/油圧式) |
| サスペンション (後) | スイングアーム (コイルスプリング/油圧式) |
| バッテリー | 12V-3.5Ah |
| エンジンオイル容量 | 1.1 L (交換時 0.85 L) |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(新型バイク(外国車/輸入車))
日本のレースの原点、アサマレースウェイという「聖地」 イベントの舞台となったのは、群馬県長野原町に位置する「アサマレースウェイ」。ここは1950年代に「浅間火山レース」が開催された、日本のモーターサイ[…]
ベスパ生誕80周年記念の第3弾!限定30台の「プリマベーラ 80th」が登場 1946年4月23日の特許出願から80年を迎えたベスパの歴史を祝うスペシャルエディションの第3弾、「ベスパ プリマベーラ […]
重慶ショーで「CB250SSコンセプト」が世界初公開!2027年春に市販 中国・重慶市で開催された「2026中国摩博会(重慶モーターサイクルショー)」。そこでホンダはニューレトロスタイルのコンセプトモ[…]
サーキット専用「AMB 001」を経てついに解禁!公道を駆けるロードスター 英国の四輪ラグジュアリーブランドであるアストンマーティンと、伝統の二輪メーカーであるブラフシューペリアの提携が生み出した「A[…]
タイムレスなクラシックスタイルと現代的実用性の融合 「クラシックのエッセンスは決して時代遅れにならない」というデザインコンセプトのもと、コロンビア/フィリピン市場で展開されるスズキの「GN 160」。[…]
最新の関連記事(ヤマハ [YAMAHA])
2030年までの継続開催が決定!「新章」へ突入したMotoGP日本グランプリ 2026年10月2日から4日にかけて、栃木県茂木町のモビリティリゾートもてぎで開催される「2026 FIM MotoGP世[…]
120馬力の3気筒と歴代最軽量フレーム!「YZF-R9」が誇るトータルバランス ヤマハのスーパースポーツラインナップにおいて、新たな中核を担っている「YZF-R9 ABS」。”Re-DNAed Sup[…]
製造工程の見直しで熟成!スペック維持で登場した最新「2027年モデル」 ヤマハ発動機は、3気筒スーパースポーツフラッグシップ「YZF-R9 ABS」の最新仕様となる2027年モデルを発表した。プロダク[…]
2スト&クロスプレーンの猛威 そもそもヤマハが海外レースに初参戦したのは、1958年開催のカタリナGP。激しいサバイバルレースで6位に入賞し、米国市場への足掛かりとする。 世界選手権は1961年フラン[…]
世界初、独自機構を貫いたキャブレター式ターボの誕生 1981年の東京モーターショーに、XJ650をベースとしたターボ車が出展された。会場には電子制御式フューエルインジェクションとキャブレターの2種類が[…]
人気記事ランキング(全体)
レーサーの設計思想を公道へ! Hondaが本気で作った2スト250 1983年、Hondaは同社初となる2ストローク250ccスポーツモデル「MVX250F」を発売した。90度V型3気筒という独創的な[…]
重慶ショーで「CB250SSコンセプト」が世界初公開!2027年春に市販 中国・重慶市で開催された「2026中国摩博会(重慶モーターサイクルショー)」。そこでホンダはニューレトロスタイルのコンセプトモ[…]
標高差と朝晩の寒暖差に悩むライダーへ!「温度調整」のストレスからの解放 早朝の高速道路では身を切るような冷風に晒され、日中の街乗りやワインディングでは暖かさでじんわりと汗をかいてしまう。さらに峠道の頂[…]
フレディのヒザ擦りに沸くも80sライダーは個性派揃い!! ケニー・ロバーツによって確立された“ハングオフ”は、瞬く間にGPシーンに浸透。イン側のヒザを路面に擦るシーンも目にするようになったが、ロバーツ[…]
ベスパ生誕80周年記念の第3弾!限定30台の「プリマベーラ 80th」が登場 1946年4月23日の特許出願から80年を迎えたベスパの歴史を祝うスペシャルエディションの第3弾、「ベスパ プリマベーラ […]
最新の投稿記事(全体)
カーシャンプーやワックスをはじめ、長年カーケア用品の分野で多大に支持を受けてきた老舗ブランド『シュアラスター』。そのシュアラスターが展開するガソリン添加剤『LOOP(ループ)』シリーズのフラッグシップ[…]
こんなキャンパーに特におすすめ! 高剛性A7075超々ジュラルミンを採用し、耐荷重120kgのタフさとコンパクト収納を両立。不快なきしみ音を極限まで抑え、快適な睡眠を誘うコットが誕生した。 バイクツー[…]
雨続きなのに、車乗る日に限り晴れるのは何故でしょうか?!頭は一つなのに、ヘルメットは ◯個?!ライダーの不思議。 やっほー皆様こんにちは~! 指出瑞貴です♪すっかり風が涼しく、日が落ちてか[…]
日本のレースの原点、アサマレースウェイという「聖地」 イベントの舞台となったのは、群馬県長野原町に位置する「アサマレースウェイ」。ここは1950年代に「浅間火山レース」が開催された、日本のモーターサイ[…]
2030年までの継続開催が決定!「新章」へ突入したMotoGP日本グランプリ 2026年10月2日から4日にかけて、栃木県茂木町のモビリティリゾートもてぎで開催される「2026 FIM MotoGP世[…]
- 1
- 2



















































