ハーレーの新型ミドルクラスクルーザー「スプリント440」が、イタリア・ミラノで開催中のEICMA(ミラノショー)でついに正式発表された。公式サイトでティザー映像が公開されて以来、その登場が待たれていた注目のニューモデルだ!
●文:青木タカオ ●写真:HARLEY-DAVIDSON
ハーレーらしさを凝縮したスタイリング
登場が噂されていたハーレーのニューモデル「スプリント440」が正式発表された
スプリント440の外観は、ひと目でハーレーダビッドソンとわかるクルーザースタイル。長く低く構えた車体に、ミッドコントロールのステップを組み合わせ、ゆとりあるライディングポジションを実現している。
スリムで軽量な車体に、シート高683㎜という低いシートを組み合わせ、足つき性や取り回しのよさにも配慮。ハーレーならではのスタイルや鼓動感を受け継ぎながら、日常でも気軽に楽しめる扱いやすさを追求した一台といえる。
ヘッドライトはステーで吊り下げたようなデザインとし、燃料タンクの造形、ボブテール形状のリアフェンダー、後方へ流れるファストバックタイプのシートなど、伝統的なハーレーの意匠を随所に採用した。タンデムにも対応するシートは、クラシカルなスタイルを保ちながらパッセンジャーのスペースも確保している。
細部の仕上げにもこだわりが見られる。エンジンには切削加工によるアクセントを施し、ホイールは10本スポークのキャストアルミ製。マフラーは先細りのテーパー形状とし、ヘッドライト中央にはハーレーダビッドソンのロゴを配置する。こうしたディテールによって、ミドルクラスでありながらハーレーらしい存在感を演出している。
ハーレーダビッドソンのアーティ・スターズCEOは、スプリント440について「新たなライダーが自信を身につけるための一台であり、再び走り出したい人や、経験豊富なライダーにとっても、シンプルで楽しい選択肢になる」とコメント。
これからハーレーに乗ってみたいビギナーはもちろん、久しぶりにバイクライフを満喫したいリターンライダー、そして気負わず楽しめるセカンドバイクを求めるベテランまで、幅広いライダーをターゲットとしている。
名車“スプリント”が復活!
ハーレーダビッドソン SPRINT(1961年)
SPRINT(スプリント)というモデル名は1961年に初めて登場し、当時も新世代のライダーをハーレーダビッドソンに迎え入れるためのモデルだった。65年を経て復活した新型スプリント440は、ブランドの歴史を受け継ぎながら、現代のライダーに向けて生まれ変わった一台。ハーレーダビッドソンの世界観を、より身近なサイズと扱いやすさで楽しめるモデルとして、日本市場でも注目を集めそうだ。
開発を手がけたのは、ハーレーダビッドソンとインドの大手二輪車メーカー、Hero MotoCorp(ヒーロー・モトコープ)。両社の共同開発によって誕生したスプリント440は、空油冷440cc単気筒エンジンを搭載する。
世界各国のハーレーダビッドソン正規ディーラーを通じて販売される予定で、発売時期は市場によって異なる。米国では2027年春の販売開始が予定され、最終組み立てはペンシルベニア州ヨークにあるハーレーダビッドソンの車両工場で行われる。
日本向けの公式サイトにも、2027年モデル「ハーレーダビッドソン スプリント440」として掲載され、国内仕様のスペックが公開された。
車両重量187㎏、シート高683㎜、燃費3.1L/100㎞など、具体的な諸元も明らかになっている。価格については最寄りの正規ディーラーへの問い合わせが案内されているから、日本でも発売されることは間違いないぞ!
優れる足つき性と軽さで、乗りやすさを追求
シート高が683㎜と低いスプリント440。ビギナーや女性にも扱いやすい車体設計としている。
快適性とコントロール性、そして安心感を重視した車体設計で、日本向け公式サイトに掲載されたシート高は、非積載時で683㎜とかなり低い。
スリムな車体と前方に向かって絞り込まれたシート形状によって、停車時の足つき性に配慮している。車両重量は187㎏で、取り回しや低速走行時の負担を抑えた。クラシカルなクルーザーのフォルムをまといながら、日常の街乗りから週末のツーリングまで幅広いシーンを想定したパッケージだ。
ロングストロークエンジンが楽しみ!
ロングストローク設計の空油冷4ストローク単気筒SOHC2バルブエンジン
心臓部には、排気量440ccの空油冷4ストローク単気筒SOHC2バルブエンジンを搭載する。ボア×ストロークは79.6×88.4㎜のロングストローク設計で、圧縮比は9.65:1。最高出力は27HP(20kW)、最大トルクは38Nm/4000rpmを発揮する。
ロングストロークならではの豊かな低速トルクに加え、単気筒らしい鼓動感も味わえそうだ。スペックを見るだけでも、どんな走りを楽しませてくれるのか期待が膨らむ。
燃料供給には電子シーケンシャルポートフューエルインジェクション(ESPFI)を採用。ギア駆動式のバランサーを備え、エンジンの振動を抑えながら、低回転域からトルクを感じさせる特性を追求している。
車体後方へ真っ直ぐに伸びる、シンプルなシングルマフラーを採用
排気系は1本にまとめたシングルマフラーで、深みのある豊かな排気音にもこだわった。
トランスミッションは6速。5速と6速をオーバードライブ設定とすることで、高速巡航時のエンジン回転数を抑え、快適性や燃費性能にも貢献する。
クラッチにはアシスト&スリッパー機構を採用し、レバー操作を軽くするとともに、急なシフトダウン時の後輪への負担を和らげる。
燃料タンク容量は9L。日本向け公式サイトに掲載された燃費は、市街地と高速道路を組み合わせた予想値で3.1L/100㎞となっている。単純換算すると約32.3㎞/Lに相当し、ミドルクラスのクルーザーとして日常的な使い勝手にも配慮している。
本格的な足まわりと充実した装備
サスペンションは、フロントにインナーチューブ径43㎜の倒立式カートリッジフォークがおごられた。リアにはピギーバック付きツインショックが採用され、プリロードは7段階で調整できる。フロントのストローク量は130㎜、リアホイールトラベルは76㎜だ。
ブレーキは前後ともディスク式で、フロントは2ピストンキャリパー、リアはシングルピストンキャリパーを組み合わせる。もちろん、ABSを標準装備。
ホイールはブラック仕上げの10本スポーク・アルミキャスト製で、タイヤはフロントに100/90-19、リアに150/60ZR17を装着する。日本向け公式サイトではタイヤメーカーとしてMRFが記載されている。MRFはインド・チェンナイに本社を置くインド最大のタイヤメーカーだ。
メーターは、直径89㎜の円形カラーTFTディスプレイ。速度やギアポジション、オドメーター、燃料計、時計、トリップメーター、エンジン回転数などを表示するほか、サイドスタンドの警告や転倒時のアラート、航続可能距離なども確認できる。
灯火類はLEDを採用し、ヘッドライトにはシグネチャーポジションライトを備える。スマートフォンなどの充電に使えるUSB Type-Cポートも設置されている。
動画でわかるスプリント440
ウィズハーレーのYouTubeチャンネルでは、スプリント440の詳細をいち早く動画でお伝えしている。スタイリングや各部のディテール、注目の単気筒エンジンなど、写真や文章だけでは伝えきれない実車の雰囲気をぜひ映像でチェックしていただきたい。
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