
スズキのミドルクラスを長きにわたり支えてきた傑作ネイキッド、『SV650』およびカフェレーサースタイルの『SV650X』が、ついにその生産の歴史に終止符を打った。2007年から2016年の空白期間こそあれ、1999年登場の最初期モデルから四半世紀以上、多くのファンに愛されてきたスズキの名機を振り返りつつ、EICMA2025で公開された最新のミドルVツインについて触れていく。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:スズキ
ひっそりと終了したスズキの名Vツイン
スズキのミドルクラスを長きにわたり支えてきた傑作ネイキッド、『SV650』およびカフェレーサースタイルの『SV650X』が、ついにその生産の歴史に終止符を打った。
この情報はスズキから正式なアナウンスがあったわけではなく、公式サイトの情報更新によって判明。同系エンジンを積む『Vストローム650』シリーズに続き、SV650/Xも生産終了が確認された形だ。生産終了の背景には、近年の環境規制強化、具体的には排ガス規制EURO5+への対応が深く関わっていると見られる。
これにより、最初期モデルの登場から四半世紀以上、多くのファンに愛されてきたスズキの「隠れ名機650cc Vツインエンジン」の歴史も、一度は幕を閉じるかと思われた。
四半世紀ファンを獲得し続けてきたSV650/Xの魅力
ここでSV650がなぜ多くのライダーに支持されてきたのかを振り返ってみよう。それは、国産メーカー製では貴重なV型2気筒エンジン(645cc)を核とした、その優れたパッケージングと走りの資質に尽きる。
SV650は、トラスフレームを採用することでスポーティーさを強調しつつ、スリムなスタイリングを実現したネイキッドモデルだった。エンジンは適度に元気がありながらもとても扱いやすく、ハンドリングは「バイクらしい」ニュートラルでコントローラブルな特性を持つ。
その乗りやすさと高いコストパフォーマンスも相まって、SV650は大型バイクのエントリーモデルとして、多くのライダーにその門戸を開いてくれたモデルたりえたのだ。
【2025 SUZUKI SV650 ABS[2025 model]】◼︎水冷4ストV型2気筒DOHC4バルブ 645cc 72ps/8500rpm 6.4kg-m/6800rpm ◼︎199kg シート高785mm 14L ◼︎タイヤF=120/70ZR17 R=160/60ZR17 ●色:パールビガーブルー×マットブラックメタリックNo.2/パールマットシャドーグリーン×マットブラックメタリックNo.2/マットブラックメタリックNo.2 ●価格:83万6000円 ●発売日:2025年1月24日 ※写真色はパールマットシャドーグリーン×マットブラックメタリックNo.2
一方、カフェレーサースタイルの『SV650X』は、そのルックスと走りのバランスで、とくにこだわり派のライダーをドハマりさせてきた。2018年にネオクラシック熱の高まる欧州で登場したSV650Xは、オールドな社名エンブレムやタックロールシートといった独自の雰囲気を纏い、ベースのSV650同様に元気があり扱いやすいエンジン特性を継承していた。
【SUZUKI SV650X ABS[2025 model]】◼︎水冷4ストV型2気筒DOHC4バルブ 645cc 72ps/8500rpm 6.4kg-m/6800rpm ◼︎199kg シート高790mm 14L ◼︎タイヤF=120/70ZR17 R=160/60ZR17 ●色:パールテックホワイト ●価格:88万円 ●発売日:2025年1月24日
しかしそんな名機たちも、残念ながら現在ではすでに新規受注は締め切られてしまった。今や新車で手に入れるには、市場に残された在庫を探すしか道はないのだ。
EICMAで登場したミドルVツインの後継機
しかし国内でも希少なミドルVツインの血脈は、決して失われたわけではない。先ごろ開催されたEICMA2025で新型クロスオーバーモデル『SV-7GX』として見事に次世代に生き残ることが明かされたのだ。
【SUZUKI SV-7GX[2026 EU model]】主要諸元■全長2160 全幅910 全高1295 軸距1445 最低地上高135 シート高795(各mm) 車重211kg(装備)■水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ 645cc 73ps/8500rpm 6.53kg-m/6800rpm 変速機6段 燃料タンク容量17.4L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=160/60ZR17 ※諸元は欧州仕様
新型SV-7GXでVツイン645ccエンジンを受け継ぎつつも、電子制御スロットルを軸とした最新電子制御デバイスを装備して進化。開発コンセプトは「With every beat, the experience expands(鼓動のひとつひとつで、体験はひろがっていく)」であり、Vツインの鼓動感が強調されているという。
さらにGSX-S1000GXに続く前後17インチホイールを採用したクロスオーバーモデルとなっており、SV650のスポーツ性とVストローム650の汎用性を「いいとこ取り」したパッケージだ。
SV650のスチール製トレリスフレームをベースに改良を加え、ハンドル位置が高く、リラックスしたアップライトなライディングポジション(シート高795mm)を実現しており、長距離ツーリングの快適性と街乗りの扱いやすさを両立させていることもポイントだ。
SV650/XならびにVストローム650は引退したが、その熱いVツインの鼓動は、最新の電子制御を身にまとったSV-7GXとして、これからも多くのライダーを楽しませてくれるに違いない。長きにわたりミドルクラスを支えた名車たちに感謝を。そして、Vツインの未来に大いに期待だ!
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