エンジン単体重量で-9.4kgのシェイプアップ!

【新車試乗】ドゥカティ「ストリートファイター V2S」最新V2エンジンを積んだストファイ発進!!

【新車試乗】ドゥカティ「ストリートファイター V2S」最新V2エンジンを積んだストファイ発進!!

パニガーレV2/Sをベースに作られたストリートファイターV2。しかし流石はドゥカティスイングーアームを伸ばすなどストリートファイターらしくパニガーレV2とは異なる車体キャラが作り込んできた!


●文:谷田貝 洋暁 ●写真:関野温

コンパクトな新エンジンの効用をより強く感じられる新作ストリートファイター

ストリートファイターV2シリーズのハイライトは、やはり新設計のV2エンジンにある。旧型比-9.4kgのシェイプアップを行うと共に、シリンダーレイアウトを20°後傾させるなどで前後長をコンパクト化。これによりフロントタイヤを車体側へより近づけることが可能となった。実際、跨ってみるとハンドル幅こそドゥカティのネイキッドらしいやや広めのポジションなのだが、ハンドル位置を含めフロントタイヤが車体中心に近く、フロント荷重重視の現代的なコーナリングがしやすい。

また、このV2エンジンは街乗りで常用する低回転域のトルクが厚く、Uターン時のエンストを心配する必要がないくらい扱いやすくなっている。技術担当者の話では、“動弁機構にデスモドロミックではなく、バルブの戻しをスプリングとしたことで、低回転側のエンジンマネジメントがより緻密化できた”とのこと。中低回転域は太いトルクで扱いやすく、回せば力強く吹け上がる、ドゥカティらしい楽しいエンジンに仕上がっていた。

バーハンドルのおかげでライディングポジションが自由自在。リーンインもリーンアウトもキマる。

シート高は838mmと、この手のネイキッドモデルとしてはやや踵が浮くが、それでこそスポーツ性にこだわるドゥカティである。ただ車量が軽く、両足の母指球で支えられるので不安はない。(ライダー:172cm/75kg)

【TESTER 谷田貝洋暁】初心者向けバイク雑誌の編集長を経てフリーランス化したライター。二輪各媒体に寄稿したバイク試乗記事は1500稿を超える。

DUCATI STREET FIGHTER V2S 車両解説

主要諸元■全長NA 全幅NA 全高NA 軸距1493 シート高838(各mm) 車重176. 6[178]kg(燃料除く ) ■水冷4スト90°V型2気筒DOHC4バルブ 890cc 120ps/10750rpm 9.5kg-m/8250rpm 変速機形式6段リターン 燃料タンク容量15L ■ブレーキF=Wディスク R=ディスク ■タイヤF=120/70ZR17 R=190/55ZR17 [ ]内はSTD ●色:赤 ●価格:222万9000円(STDは194万円)

兄弟車のパニガーレV2系に比べスイングアームが30mm伸ばされ、フレームも一部仕様が異なっている。

インナーチューブ径43mmのフロントフォークはV2 がマルゾッキ製で、上級仕様のV2Sがオーリンズ製NIX30。ブレーキはブレンボM50。

リヤショックはV2Sがオーリンズ製で、V2はKYB製。ちなみにV2S はバッテリーもリチウムイオンとなり、車重はV2より1.4kg 軽い176.6kg(燃料除く)。

アルミテーパーハンドルは幅広で跨るとかつてのモンスターシリーズを思い出したが、こちらは新エンジンの効用でハンドル位置が近くてコンパクト。

V2もV2Sも上下方向対応のクイックシフターを標準装備。しかもエンジン内にスイッチを搭載し、リンク周りがスッキリしているDQS2.0だ。

燃料タンク容量は15L(ハイオク)を確保。公表されている燃費は18.8km/L で計算するとワンタンクで約280km走れることになる。

海外仕様とは異なり、日本仕様はV2だけでなくV2Sもタンデムシート仕様で発売。タンデムステップ&ステーの重量は約1.6kg。

パニガーレV2に対し、スイングアームを30mm伸ばして軸間距離は+28mmの1493mmを確保。より安定感のある乗り味を作り出している。

迫力ある2本出しマフラー。オプションのチタン製ブラックアウタースリーブを備えたテルミニョーニ製マフラーに換装すると6PSアップ。

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