60~70年代の車名「サンダーボルト」が復活、冒険マシンに転生!

普通二輪免許で乗れるBSA! 新型アドベンチャー「サンダーボルト」は水冷単気筒に左右非対称デザインを採用【EICMA】

普通二輪免許で乗れるBSA! 新型アドベンチャー「サンダーボルト」は水冷単気筒に左右非対称デザインを採用【EICMA】

先日開催されたEICMA2025で、BSAから同社史上初のアドベンチャーバイク「サンダーボルト」が発表されました。334ccの水冷単気筒4バルブDOHCエンジンを搭載し、車重185kgという軽量モデルに仕上がっています。815mmというシート高で、流行りのスタイリングということで、世界中で売れそうな予感しきりです。


●文:石橋 寛(ヤングマシン編集部) ●写真:BSA

世界のバイクメーカーをビビらせた初のアドベンチャーモデル

オールドファンならご存じのBSAはかつてイギリスで旋風を巻き起こしたバイクメーカー。ですが、1973年には一旦その幕を下ろし、2016年にインドのコングロマリット、マヒンドラ・グループの傘下にある「クラシックレジェンズ社」によってブランドの復興を遂げています。すでに、新生BSAからはゴールドスター650(2021)やバンタム350(2025)といった懐古趣味たっぷりなモデルがリリースされ、これからの隆盛も期待できそうです。

そんなタイミングで、予告もなしに発表されたサンダーボルトは詰めかけた観客はもちろん、世界のバイクメーカーを驚かせたもの。初のアドベンチャーモデルとは思えないほどスタイリッシュなデザイン、バンタム350にも採用されている水冷シングルエンジン(最高出力:29.16HP/最大トルク:29.56Nm)、そしてマヒンドラグループのボリュームを活かすであろう戦略的な価格を予想すれば、それは驚きを通り越した脅威にすら映ったはず。

2016年に再スタートを遂げたBSAが同社史上初のアドベンチャーモデルを発表。往年の名機、サンダーボルトの名もバイクファンを驚かせています。

長距離を快適に走れるだけでなく、BSAらしいアクティブなライディングが楽しめそうなスタイル。アドベンチャー好きでなくとも胸アツなモデルでしょう。

サンダーボルトは往年のマシンに捧げるネーミング

ところで、サンダーボルトという車名はBSAが1962~1972年まで生産したネイキッドモデルで使われていたもの。654ccのパラツインエンジン、最高速はおよそ160km/hと、当時としてはハイパフォーマンスであり、今回の新型アドベンチャーモデルともども「長距離を快適に走れる」ことが共通項だとされています。

立ち上がったスクリーンは高さ調節が可能。左右非対称のヘッドランプや、プロテクターのデザインも新生BSAらしく攻めたもの。

人間工学に基づいたデザインをはじめ、15.5Lのタンク容量、調節可能なフロントガラスとメーターコンソール、ターンバイターン方式の簡易ナビ、さらにはBluetooth接続、USB充電が可能と、たしかにロングツーリングには最適な装備と言っていいでしょう。なお、デザインはKTMやハスクバーナのスタイリングを担っているオーストリアのキスカ・デザイン。そう言われてみると、なんとなく似通ったニュアンスも垣間見えます。

デザインを担ったのは、KTMやハスクバーナのデザインでお馴染みのキスカ・デザイン。新鮮なスタイルながら、どこか懐かしいニュアンスも。

キスカ・デザインはバイクとともにあるライフスタイルも提案しており、サンダーボルトの冒険スタイルもご覧の通りの仕上がりです。

BSAを世界の舞台に戻らせるハイパフォーマンス

TFTモニターはスマホとの連携や通信機能がもたらされ、最新の快適なライディングをサポート。

フロントサスは41mm径の倒立フォークを採用し、200mmのトラベル量、リヤには7段階のプリロード調節ダンパーを装備と、オンからオフまでしっかり対応。そして、アドベンチャーらしく、フロント21インチ、リヤ17インチのダンロップ製ブロックタイヤを採用し、スポークホイールが標準となります。もちろん、渡河性能を意識して、エキゾーストもしっかりと上向きにされました。

さらに、電子制御のトラクションコントロール、スリッパークラッチ、ABSも3モード(レイン、ロード、オフロード)を用意するなど現代のテクノロジーは惜しみなく投入されています。伝説的なブランドとはいえ、レトロ趣味にとらわれ過ぎない仕上がりは「再びBSAを世界のトップへ」というクラシックレジェンズ社の意気込みが伝わってくるもの。

日本国内での発売は未定ながら、アドベンチャー流行りの昨今ですから、どうしても手に入れたいという方は決して少なくないでしょう。BSAゴールドスターに続く国内導入はなるのか、続報に期待です。

いまだ走行シーンは公開されていないものの、車重やサスのスペックを見れば俊敏で痛快な走りが期待できるというもの。

タイヤサイズはF=90/90-21、R=130/80-17。ブレーキはF=φ320mmシングルディスク、F=φ240mmシングルディスク。3モードのABSを装備。

334cc水冷シングルエンジンは最高出力29.16HP、最大トルク:29.56Nmと、日本でのアドベンチャーツーリングにもフィットしそうです。

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