
精巧なスケールモデルで知られる青島文化教材社から、伝説のバイク漫画『あいつとララバイ』に登場する主人公・菱木研二の愛車、「1/12 あいつとララバイ ZII改 研二仕様」のプラモデルが発表された。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:青島文化教材社
『あいつとララバイ』が描いた青春とバイクの魅力
楠みちはる氏が『週刊少年マガジン』で1981年から1989年まで連載した『あいつとララバイ』は、日本のバイク漫画の金字塔といえる作品だ。横浜を舞台に、高校生である主人公の菱木研二とヒロインの佐藤友美が織り成す青春が描かれ、その物語は恋愛、不良抗争、そして何よりも熱い公道バイクバトルと、バラエティ豊かな展開が読者を引き込んできた。
主人公・菱木研二は、横浜西高校の1年生で、バイクとその運転を何よりも愛する少年である。喧嘩はそれほど強くないが、高度な危険回避能力を持ち、それが無意識のうちに卓越した運転技術へと繋がっている。しかし、彼にとってバイクの運転とは、ただ速く走って勝つことよりも、「楽しく運転すること」が第一なのである。その陽気さと前向きな姿勢こそが、『あいつとララバイ』を名作たらしめている魅力のひとつであろう。
そして、研二の相棒であるカワサキ750RS、通称ZIIの存在も欠かせない。当時すでに「クラシック」と記されるほど旧いモデルながら、関東では“ゼッツー”、関西では“RS”と呼ばれ、作品を通じてその名を世に知らしめた。作中では頻繁に転倒や衝突事故を起こすが、その度に研二とその父親の手によって修復され、その姿を変化させていく。
【KAWASAKI 750RS(ZII)】
初期から自己流のカスタムが施されていたZIIは、白地に赤の「火の玉」風のオリジナルカラーに赤いフレームが目を引く。フロントはダブルディスク、リアもディスクのトリプルディスク仕様、前後キャストホイール、オイルクーラー装着、直管タイプの集合マフラーなど、改造箇所は多岐にわたる。
とくに作品中盤からは、練馬区のバイク屋「ボンバー」の主人である天才チューナー・オヤッさん(杉本鉄彦)の手によって、ZIIは本格的なチューニングを受けた。
チューニング内容は、いわゆるバランス取りのファインチューンから始まり、最終的には中古のレース用エンジンへの換装、フレーム補強、APロッキード製ブレーキキャリパー、マグネシウム製ホイールへの変更など、徹底的なフルチューンが施され、「スーパーパワーを持つフルチューンドバイク」へと変貌を遂げたのだ。
物語の終盤、研二はオヤッさんや親友の大門恭介とともにアメリカへ渡り、プロのレーサーとして活動していく。そして、友美の卒業式の日に赤いZIIに乗って横浜に帰還し、二人はいつまでも横浜の町を走り抜ける。この作品は、オートバイの楽しさ、そして前向きに生きることの素晴らしさを教えてくれる、まさに最高の青春漫画なのだ。
プラモデルで伝説をその手に
そんな『あいつとララバイ』の魅力を凝縮した1/12スケールのプラモデルが、青島文化教材社からこのたび登場。「ザ☆バイク No. AI-01 1/12 あいつとララバイ ZII改 研二仕様」は、作中のカスタムパーツで忠実に再現した逸品で、カワサキ750RS ZIIの菱木研二仕様を再現している。
【青島文化教材社 ザ☆バイク No. AI-01 1/12 あいつとララバイ ZII改 研二仕様】
セパレートハンドルや集合マフラーなど、研二のZIIを象徴する特徴的なカスタムパーツが付属する。タンクやカウル類の赤いカラーはデカールで、あの印象的な「火の玉」風オリジナルパターンを忠実に再現することが可能だ。価格は4620円(税込)。発売は2025年11月を予定しているが、受注予約はすでに開始されているので、気になる方は青島文化教材社のAmazonストアやホームページを確認しよう。
かつて「バイクブーム全盛期」を牽引し、「あいララ仕様」と呼ばれるカスタムスタイルを確立した伝説のバイクを手にして、熱い青春を追体験してみよう。
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