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9月7日、今年で5回目となるヤマハ発動機販売主催のオーナーズイベント「マイヤマハモーターサイクルデー2024」が千葉県長生郡のロングウッドステーションにて開催された。広大な敷地にはさまざまなブースが並んで来場者を楽しませたが、ここでは主催者ヤマハのマニアックすぎる展示に注目したい!!
●文:ヤングマシン編集部(マツ) ●写真:編集部/ヤマハ発動機販売 ●外部リンク:マイヤマハモーターサイクルデー2024
偉い人のひと言が追い風に⁈
“すべてのヤマハオーナー・ヤマハファンのためのファンイベント”と銘打たれた「ヤマハモーターサイクルデー」は2018年にスタートし、コロナ禍での中断を挟みつつ今回で5回目。新潟から熊本までさまざまな地域で開催されてきたが、今年は千葉県のロングウッドステーションで行われ、約3000人、2300台のバイクが集結した。
メーカー系イベントだけあって規模はかなり大きく、なんと50社のブース展開やトークショー、トライアルデモに電動スポーツ自転車のYPJ試乗会、昨年のジャパンモビリティショーで公開されたモトロイド2のデモや水素エンジン/4輪バギーの展示などなど見どころたくさん。ここ数年の同イベントと比較しても、今年の出展内容はさらに充実していた感がある。
中でも面白かったのが技術関係の展示だ。これは実際に開発に携わった技術者が説明員として解説してくれるもので、展示されているパーツなども彼らがこのイベント用に用意/制作したもの。さらにXSR900GPと並べて展示されたRZV500RとFZ400Rはヤマハ本社のコミュニケーションプラザから持ち込んだものだし、先述のモトロイド2に加え、工場で車両の組立に使われる「AGV(オートガイデッドビークル)」と呼ばれる自動搬送台車まで運び込むなど、小物大物含めて“ヤマハ全部持ってきました!”的な気合の入り方が半端ない。
この充実度はスゴイ…と率直に感じるが、これにはちょっとした裏話が。ヤマハの日髙祥博社長が一昨年の同イベントを視察した際、生産技術の展示(規模は今よりもずっと小さかったという)に長蛇の列ができていることに驚き「ヤマハファンが喜んでくれるのだから」と、もっと力を入れるよう指示したのだという。
かくしてお墨付きを得た中の人が社内に声かけしたところ「オレもオレも!」と参加希望者が続出。最終的にはヤマハ発動機本社からだけで約220人がイベントに参加し、他に類を見ないマニアックな展示を行うに至ったのだそう。スゴイぜオモシロイぜという言葉だけではなかなか伝わらないと思うので、ここから先は写真乱れ打ちで展開します。
ちなみにロングウッドステーションは元ショッピングモールだけに、空調の効いた室内で見学できる展示があるのも残暑厳しいイベント当日はとても有り難かった。事前登録でワンドリンクサービスなど主催者サイドの配慮も充実。これだけ楽しめて参加費は無料というのだから、ヤマハ乗りならずともヤマハに惚れてしまうってもの?!
鋳造やプレスなどヤマハがこだわる生産技術の説明ブース。数年前から生産本部の有志が”社内のコネを使ってこっそり(?!)”出展していたそうだが、その大人気っぷりが今回のエスカレートに繋がった?! ちなみに、ここに掲載したタンクやホイール、エンジンブロックやマグネシウム鋳造のサブフレームなどはすべてヤマハが内製しているパーツなのだ。
組立工場内を自立走行する「AGV(自動搬送台車)」。ヤマハ本社工場では、車両を載せたこのAGVが組立ライン内外を自走していく(組立工程に合わせて高さも自動上下する)。工場外で見る機会はまずなく、今回でもっともレアな展示かも。
今春に限定販売されたワイズギアのXSR900GP用外装キットに併せ、元ネタのRZV500RとFZ400Rを展示。おじさんホイホイです。
カットモデルその②。6ポットのモノブロックキャリパーに超小型LEDヘッドライト2点。ヘッドライトはともにMT-09用で、右の旧型用はスリムさを優先し縦長の単眼だったが、左の新型はヘッドライトをより車体側に寄せるべく、薄さ重視の横2灯型ににチェンジ。
完全ラジアル型が自慢のYZF-R7用ブレンボ製マスターシリンダー。ブレンボでボディを鋳造後(左)、日本のフジコーポレーションで加工を行う。担当者いわく、タンクやホースの接続位置は流用カスタムパーツとしての汎用性も考えた…なんてウラ話も。ブレンボマーク周辺を一段彫り込み、ロゴを際立たせたのもこだわりだ。
左はボルトの燃料タンクで、2013〜2016年までのフランジあり(左)と、2017年型で採用されたフランジレスタンク(右)の比較。右写真は昨年11月に300個が限定販売されたSR400のミニチュア燃料タンクのプレス過程を示した展示。このミニチュア、プレスから塗装まで背後の本物と製作方法はまったく同一。◯ってるゼ(いい意味で)
SUSメッシュホース(もっとも膨張しにくい)/膨張しにくいゴムホース/膨張しやすいゴムホースでブレーキタッチやレバーストロークがどれだけ違うかを体験できる展示。ホースが膨張しにくいほどレスポンス良く効くが、ストロークが短いのでコントロールはシビア。車両に応じたセッティングが重要なのだ。
同じく新旧MT-09の左ハンドルスイッチ比較。新型ではウインカースイッチの操作ロジックを大きく変更しているが、そこに至るまでには数々のデザインスケッチが描かれ、検討されている。
純正ブレーキパッドの機能説明コーナー。種類としては金属を焼き固めた「焼結パッド」と樹脂製の「樹脂パッド」があり、制動力やコントロール性、鳴きなどさまざまな要件を満たしたものが純正採用される。ちなみに裏面の「GG」は低温時/高温時の摩擦係数を示す北米の試験規格で、D〜Hの順で摩擦係数が高くなる。
左は暗くしたテント内でトレーサー9GTのコーナリングランプを体験できる展示。右は電子制御サスペンションが固くなる瞬間を、スイッチのオンオフで体験してもらおうという嗜好。
ヤマハが研究中の水素エンジン系展示も。4輪用V8エンジンの排気系が通常と逆のバンク内にまとめられているのは”見た目(=ガソリンエンジンとは異なる点を作るため)”とのこと!
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