
去る2023年8月30日、ワークマンは新宿の住友ビル三角広場にて恒例の「2023年秋冬新製品発表会」を開催した。近年はレディース向けのラインナップ強化で注目を集めているが、もちろんライダー向けの商品やキャンプギアに関しても手抜きは一切なし。ヤングマシン読者が気になるであろうアイテムの数々をいち早くお届けしよう。
●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:大屋雄一 ●外部リンク:ワークマン
2023年の秋冬PBアイテムも価格据え置きを継続だ!
今回の新製品発表会「share!share!share!」では、①ワークマンカラーズという新コンセプト店の出店、②SHEIN(シーイン)方式の短納期・小ロット生産のスタート、③高機能インナー市場への本格参入、そして④海外進出への足掛かりとなる最大規模の店舗を沖縄に出店することなどが発表された。いずれも新規の女性客獲得を強く意識したものであり、その次なるフェーズは昔からのユーザーである我々にとっても非常に興味深いものだ。
さて、近年はさまざまな分野へ参入している同社であり、キャンプギアとゴルフウエアに関しては、早くも国内市場シェアの5%を突破したとのこと。その勢いもあってか、今回の発表会においてもさまざまな新作が展示されていた。そして、我々ライダーにとっての各種定番アイテムについても、しっかりとステップアップが図られていたのでご安心を。加えて、前回2月の発表会で宣言されたとおり、PB製品売上上位300アイテムのうち、廃盤31アイテムを除いた267製品については、来年2月まで価格が据え置きとなる。新規事業に邁進しつつ、既存ユーザーの声もおろそかにしない。それがワークマンなのだ。
イージス360°リフレクトジャケットが中綿マシマシで防寒性アップ!
ライダー向けの防寒着として進化を続けるイージス360°リフレクト透湿防水防寒ジャケット。全方位からの光に対して反射する「360°リフレクト」プリントが商品名の由来となっている。今シーズンは何と新旧2種類のスタイルでの展開となり、どちらも中綿量を25%もアップするなど、さらに防寒性を高めてきたのだ。ちなみに左のレブサンドカラーが新スタイルで、このほかにレブイエロー、レブシルバーを用意。右のシグナルレッドが旧スタイルで、マットブラックもあり。価格はどちらも据え置きの5800円だ。
イージス防水防寒スーツに待望のリミテッドブラックが!
「イージス」の名を世に知らしめた立役者である防水防寒スーツ。透湿防水素材を使用した本格的な防寒着が上下セットで6800円という値札を付けていたことから、ライダーや釣り人の間に口コミで広まったという経緯がある。初登場は2016年で、バリエーションを統廃合しつつ、2021年には価格を4900円へと一気にダウン。そして。2022年にはREBORN(再始動)をテーマに、バイク/釣り/ウインタースポーツ/ワークというスタイル特化型へと進化している。
写真はライダー向けのバージョンで、基本的な仕様は昨年からの継続となる。詳しくはこちらの記事にて。カラーバリエーションは写真のライディングライムのみだが、アンバサダー相京雅行さんの提案により、どんな車体色とも合わせやすいブラックが追加販売される。なお、どちらの色も価格は上下セットで4900円だ。
こちらが会場に展示されていたイージス防水防寒スーツのリミテッドブラック。ライディングライムは自分のバイクには似合わないなぁ……、と思っていた方にとっては朗報だろう。
透湿防水&前後ヒーター内蔵という最強ジャケットが7800円で登場
以前から「ウィンドコア」ブランドでファン付きウエアと電熱ヒーター内蔵ウエアを展開しているワークマン。今回の発表会でも後者に関してさまざまな新製品が展示されていた。中でも特にバイク向きと言えるのが、このデュアル3ヒーター透湿防水防寒ジャケットだ。
商品名からも分かるように、表地には耐水圧1万5000mm、透湿度1万5000g/㎡/24hという高スペックな素材を採用。保温性の高い中綿が挿入されており、袖口は冷気が侵入しにくい二重構造となっている。フードは取り外し可能で、要所にはリフレクタープリントも。バッテリーは別売り(ACアダプター付き、4900円)となるが、透湿防水性に優れる防寒ジャケットが7800円というだけでも決して高くはなく、しかもヒーターまで付いているとなれば試す価値は十分にあるだろう。
ヒーターは背中と両胸の3か所にレイアウトされている(長方形の縫い代がヒーター)。スイッチは右ポケット内にあり、外観からはヒーターウエアと分からない点もポイントだろう。なお、発売は11月ごろに予定されており、限定生産となっている。
遠赤外線の力でプラス6℃の保温性を実現した高性能ジャケット
パッと見は限りなくカジュアルなのにハイスペックなジャケットを紹介しよう。このイージス防水防寒サーマルジャケット、表地には耐水圧2万mm、透湿度2万g/㎡/24hという高機能レインスーツ顔負けの素材を使用。最大のポイントは、未加工の中綿比でプラス6℃の保温性を実現する遠赤外線サーマル中綿を使用していることだ。非常に軽量ながら、裏地のフリースと合わせて保温性が非常に高いのがうれしい。なお、フードはロールアップできるのでバタつきを軽減できるほか、左胸のポケットがベンチレーションを兼ねていたり、後ろ身頃の上部内側に立体メッシュをあしらうなどして、予期せぬ蒸れについてもしっかりと対策を施している。これで3900円なので非常にお買い得だ。
ワークマンからついに純ダウンシュラフが2種類同時にデビュー
今年の春夏シーズンに、ダウンシュラフとしては第3世代となる「エクストリームダウンシュラフ」シリーズをリリースしたワークマン。ダウン/フェザー/吸湿発熱わたを組み合わせたフュージョンダウンを使用しているのがポイントで、天然素材と化繊綿のいいとこ取りという特徴を持つ。
さて、今回展示されていたのは、ダウン90%/フェザー10%を中綿としたワークマン初となる純ダウンシュラフだ。スペック的にエクストリームの上を行くことから「ハイエスト」と名付けられたこのシュラフ。中綿量の違いにより690(1万9800円)と1290(2万9000円)の2種類をラインナップする。写真は1290の方で、快適使用温度は-8℃、使用可能温度は-15℃、限界使用温度は-36℃となっている。エクストリームダウンシュラフよりもしなやかな生地を使用していることもあり、寝心地はまるで高級羽毛布団のよう。ファスナーからの冷気の侵入を軽減するドラフトチューブも採用されており、ワークマンの本気が伝わってくるシュラフだ。
アウターだけで自立する遮光タイプのソロテントがお目見え
最後に紹介するのは、新作のソロテントだ。アウターは遮光仕様となっており、朝日の眩しさで目が覚めることがない、夏はテント内の温度が上がりにくいなどのメリットがある。ポールを通すためのスリーブが外側にあることからも分かるように、アウターだけで自立するのでシェルターとしても使用することが可能だ。アウターの両サイドの裾はファスナーで開くようになっており、通気性にも配慮。また、展示物には写っていないが、インナーテントも付属する。価格はワークマンらしく9800円と非常にお手頃だ。
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