スズキは1月26日、2030年度に向けた成長戦略を発表した。これは同社が関わる各分野での成長とカーボンニュートラル達成の方向性などが示されたもので、二輪ではコミューター系モデルはバッテリーEVを拡充していき、趣味性の高い大型車両はカーボンニュートラル燃料での対応を検討していくと発表された。
●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:スズキ
電動もハイブリッドもエンジンも……全方位戦略だ!
今回発表された「2030年度に向けた成長戦略」は、二輪や四輪などの製品分野だけでなく、製造分野や研究開発、外部との連携に至るまで、今後のスズキが目指していく方向性が多岐に渡って明記されたもの。骨子としては日本・インド・欧州を核にカーボンニュートラル社会の実現を目指し、さらにインド、ASEAN、アフリカなどの新興国の成長に貢献していくと明言されている。
その中で二輪車については、生活の足となるコミューター系の小型・中型二輪車で、2024年度にバッテリーEV(BEV)を投入し、さらに2030年度までに8モデルを展開。二輪車のBEV比率を25%まで高める計画が明かされた一方で、趣味性の強い大型二輪車はカーボンニュートラル燃料で対応していくことを検討中と明かされた。
つまりスズキの二輪におけるカーボンニュートラル戦略は、コミューター系モデルはBEV、それ以上の排気量帯のスポーツ系では内燃機関という、おおざっぱな方向性が示されたわけだ。注目したいのは「大型二輪」と明確にジャンルを区切ってカーボンニュートラル燃料の利用を示唆した点。趣味性の高いスポーツ系バイクにおいては、やはり内燃機関を活用していくことが最適解である・・・という判断なのだろう。
ちなみに今回の発表、四輪ではバッテリーEVの拡充を明言しつつ「あらゆる製品・サービスを提供すべく、ハイブリッド車・CNG・バイオガス・エタノール配合の燃料などを使用したカーボンニュートラルな内燃機関車も継続的に投入していく」とも述べられている。
今回の発表で、スズキは2030年度までは、カーボンニュートラルにおいてはBEVもハイブリッドも内燃機関も、全てを活用した全方位戦略で進んでいくことが明らかとなった。どれか一つに特化するのではなく、ニーズに応じた様々な選択肢が用意されることは、有り難いと感じるユーザーも多いことだろう。
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