ヤマハは欧州で、フロント2輪のLMW機構を採用した大型ツアラー「ナイケンGT(NIKEN GT)」の2023年モデルを発表した。最新型MT-09らと共通の890cc並列3気筒エンジンを新たに搭載し、各部をアップデートしている。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●写真:ヤマハ欧州
唯一無二の存在感! スマートフォン・コネクティビティも獲得
ヤマハ独自のLeaning Multi Wheel(LMW)は、フロント2輪を採用しながら普通のバイクと同じように車体を傾けて曲がるのが最大の特徴。これを実現するために、テレスコピックフォーク×4本をパラレログラムリンクで保持し、バンク角とハンドルの切れ角に応じてイン側の切れ角を大きくする“アッカーマンジオメトリ”によって自然なハンドリングとしている。荒れた路面でも安定した接地感を得られるのが大きなメリットだ。
LMWといえばトリシティ125/155/300がかなり市民権を得ているが、強烈な存在感を放つナイケンGTは孤高の存在とも言える。ちなみにアッカーマンジオメトリを採用しているのはトリシティ300とナイケンシリーズだけである。
そんなナイケンのツアラーバージョン「ナイケンGT(NIKEN GT)」が新エンジンを搭載してフルモデルチェンジした。
新しい並列3気筒エンジンは、最新型のMT-09やXSR900などが搭載する890ccのユーロ5適合ユニットで、クランクマスを8%増大することでさらに豊かな低回転域のトルクを実現。これを5°前方に傾けて搭載し、メインフレームもこれに合わせてリデザインされた。
エンジン刷新にともなう新装備としては、新ECUや新ライドバイワイヤスロットル、新型の吸排気システム、新型ラジエターなど。
メーターは7インチTFTの新型で、スマートフォン接続機能も搭載。Wi-FiまたはBluetoothで接続し、ヤマハの無料アプリMyRideを使用することで各種着信の通知などを見ることができる。また、ガーミンのサブスクリプション有料アプリを導入すればメーター全画面を使用したナビゲーション機能も使えるようになるのはトレーサー9 GT+と同様だ。
このほか、グリップヒーターやクイックシフター、アシスト&スリッパークラッチ、+/-70mmで調整可能なウインドスクリーン、快適性を向上したライダーシート、リヤサスペンションなどがアップデートされた部分。電子制御もリファインされている。
欧州のリリースでは、価格や導入時期は仕向け地によるとされ未発表。日本仕様については2023年秋以降の発売予定とされた(11月8日12時追記)。
YAMAHA NIKEN GT[2023 EU model]
主要諸元■全長2150 全幅875 全高1395-1430 軸距1510 最低地上高150 シート高825(各mm) 車重270kg(装備)■水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ 890cc 114.9ps/10000rpm 9.2kg-m/7000rpm 変速機6段 燃料タンク容量18L■タイヤサイズF=120/70R15×2 R=190/55R17 ●価格&発売時期:未発表 ●色:黒 ※諸元等は全て欧州仕様
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