![空冷全盛に現れた日本初の2スト水冷車:[’71-]スズキGT750〈青春名車オールスターズ〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2022/09/016_01a.jpg?v=1662545730)
CB750フォアを尖兵に、ホンダ/ヤマハ/スズキ/カワサキの日本4大メーカーが世界の頂点に君臨する時代が幕を開ける。大排気量空冷マルチエンジンを搭載した公道の王者たち、その有志をご覧いただこう。本記事では、国産の量産車として初めて水冷エンジンを導入したスズキの”水牛”GT750を取り上げる。
●文:ヤングマシン編集部
- 1 スズキ GT750 概要
- 2 スズキ GT750の系譜
- 3 スズキ GT750 兄弟モデル
- 4 [連載]青春名車オールスターズに関連する記事
- 5 「限定車“R”は可変排気バルブEXUP初搭載」1986ヤマハFZR400:FZ400Rの発展進化形【ニッポン旧車列伝】
- 6 「GSX-Rエンジン搭載の派生車」1989スズキ バンディット400:GSX-R250R譲りの250も【ニッポン旧車列伝】
- 7 「ワークスマシンは初代TT-F3チャンプ」1984ヤマハFZ400R:XJ400Z系水冷直4を改良【ニッポン旧車列伝】
- 8 「超ショートストローク250cc直4」1987スズキGSX-R250:過激さマシマシのR250Rも【ニッポン旧車列伝】
- 9 「あえてのダブルクレードル! 」1990スズキGSX-R400R:1990年代も続く快進撃【ニッポン旧車列伝】
- 10 「ウマい奴しか乗れない」1984スズキGSX-R:4ストレプリカ時代の口火を切った金字塔【ニッポン旧車列伝】
- 11 「CBRはここから始まった」1983ホンダCBR400F:最後のホンダ空冷スポーツ【ニッポン旧車列伝】
- 12 「異名は“ジャジャ馬”」1988スズキRGV250Γ:国内ラストの2ストレプリカ【ニッポン旧車列伝】
- 13 人気記事ランキング(全体)
- 14 最新の記事
スズキ GT750 概要
対CBフォアの愛称”ウォーターバッファロー”
マッハ3に対抗するかのように、並列3気筒を選び、なおかつ750ccの大排気量と水冷を採用したのがスズキのGT750である。しかし、パフォーマンス志向の強いマッハ3とは打って変わり、GT750のキャラクターは“ジェントル”そのもの。開発目標は「最高出力67ps、最高速度180km/hで低速から高速までフラットなトルクを生み出す」ことだった。つまり最高速度よりもツーリングバイクとしての余裕に重きを置いたということだ。
水冷の採用もパワー向上のためというより、ウォータージャケットでピストンまわりを覆うことでメカニカルノイズの低減を実現するためのもの。また、空冷だと中央シリンダーの熱が問題になると予想されたため、冷却の確実性を求めたという側面もある。
水冷は国産の量産車として初の試み。当時は空冷全盛で、水冷の採用には慎重だった時代。その中であえて水冷に挑戦したのは、スズキならではの技術への探究心の表れだ。
初といっても安全性への配慮には怠りはない。例えば転倒時にウォーターポンプが破損して、ライダーが熱湯を浴びることがないように、ポンプをクランクケース中央部に配置してホース類を短くし、車体中央近くに配置させるといった具合だ。
ちなみに、グランツーリスモとして名を馳せた「紳士」だったが、レースでは一転して猛々しさを剥き出しに。’72年デイトナでは暴れ回って、底力を見せ、マニアたちに軽快な重量車=スーパーバイクとしての印象を植えつけることに成功している。
【’71 SUZUKI GT750】■水冷2スト並列3気筒 ピストンバルブ 738cc 67ps/6500rpm 7.7kg-m/5500rpm ■235kg(乾) ■タイヤF=3.25-19 R=4.00-18 ●価格:38万5000円
【上質だった水冷2スト3気筒】重量増を嫌って、他社が消極的だった水冷エンジンを採用。多気筒/大排気量/高出力の先駆けだ。性能よりも上質さを追求してのことだったが、北米では力強い印象の「ウォーターバッファロー(水牛)」という愛称がつけられた。
もっとも目立つメーターの中央上部に水温計を配し、水冷エンジンであることをアピール。キロメーター表示の速度計で80km/hから目盛りが赤いのは国内仕様だけだ。
GTはグランドツーリングの意。性能一辺倒ではない上質な性格を表した車名だ。
スズキ GT750の系譜
【’73 SUZUKI GT750 [K]】初期型のツーリーディング式ドラムブレーキから油圧式のダブルディスクブレーキに変更。
【’77 SUZUKI GT750 [B]】最終型はB。それまでにCVキャブレターの採用やマフラーエンドコーン廃止など小変更が行われた。
スズキ GT750 兄弟モデル
【’72 SUZUKI GT380】兄貴分の750/550と同様の2スト3気筒エンジンを搭載するが、その性格はツアラー的なもので車格もやや大柄。シリンダーヘッドには走行風を積極的に取り入れて冷却するラムエアシステムを備え、3気筒ながら採用された4本出しマフラーも堂々とした印象を与えた。’75年10月に中型限定免許(当時)が施行されると、再び人気が上昇。4スト4気筒の軽快なGR400と並んで、’70年代のスズキを代表する珠玉の中型マシンだ。
【’72 SUZUKI GT550】GTシリーズ最後発のミドルクラスで、初期型からディスクブレーキを採用。GT380と同様の空冷3気筒を搭載。
※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
[連載]青春名車オールスターズに関連する記事
人気記事ランキング(全体)
空想をも現実化するリアルなライドフィーリング しげの秀一氏により1983年から1991年にかけて週刊少年マガジンで連載され、当時のオートバイブームの火付け役となった伝説の漫画「バリバリ伝説」。そこで描[…]
点火トラブルって多いよね 昔から「良い混合気」「良い圧縮」「良い火花」の三大要素が調子の良いエンジンの条件として言われておりますが、それはそのまま調子が悪くなったバイクのチェック項目でもあります。その[…]
長距離や寒冷地ツーリングで感じる“防寒装備の限界” 真冬のツーリングでは、重ね着をしても上半身の冷えは避けにくい。特に風を受ける胸や腹部は冷えやすく、体幹が冷えることで集中力や操作精度が低下する。グリ[…]
背中が出にくい設計とストレッチ素材で快適性を確保 このインナーのポイントは、ハーフジップ/長めの着丈/背面ストレッチ素材」という3点だ。防風性能に特化した前面と、可動性を損なわない背面ストレッチにより[…]
薄くても温かい、保温性に優れる設計 GK-847は、ポリエステル素材をベースとしたサーマル構造を採用しており、薄手ながらも高い保温性を実現している。厚手のウインターグローブの下に装着しても動きが妨げら[…]
最新の記事
- カワサキ GPz1100[ZX1100A]を振り返る【最後にして最大排気量/最速の空冷Z】
- 斬新/クールなグラフィック2種! 最新ヘルメット発売一覧【2025年11月版】
- 【元白バイ警官が解説】「白バイそっくりカスタムは違法?」「制服や装備ってどんなモノ?」の答え教えます
- ホンダ/カワサキ/スズキから続々! 最新スーパースポーツ/ツアラー/スクーター発売カレンダー【2025年11月版】
- 【モビショー】自立する二輪車MOTOROiDにハイブリッドEVバイク、そして水素…ヤマハブースも目が離せない!!
- 1
- 2

![スズキGT750|空冷全盛に現れた日本初の2スト水冷車:[’71-]スズキGT750〈青春名車オールスターズ〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2022/09/016_01a-768x511.jpg?v=1662545730)
![スズキGT750|空冷全盛に現れた日本初の2スト水冷車:[’71-]スズキGT750〈青春名車オールスターズ〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2022/09/016_03-768x511.jpg?v=1662548357)
![スズキGT750|空冷全盛に現れた日本初の2スト水冷車:[’71-]スズキGT750〈青春名車オールスターズ〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2022/09/016_06-768x511.jpg?v=1662548619)
![スズキGT750|空冷全盛に現れた日本初の2スト水冷車:[’71-]スズキGT750〈青春名車オールスターズ〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2022/09/016_02-768x512.jpg?v=1662548269)
![スズキGT750|空冷全盛に現れた日本初の2スト水冷車:[’71-]スズキGT750〈青春名車オールスターズ〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2022/09/016_04-768x511.jpg?v=1662548410)
![スズキGT750|空冷全盛に現れた日本初の2スト水冷車:[’71-]スズキGT750〈青春名車オールスターズ〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2022/09/016_07-768x484.jpg?v=1662548849)
![スズキGT750|空冷全盛に現れた日本初の2スト水冷車:[’71-]スズキGT750〈青春名車オールスターズ〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2022/09/016_08-768x478.jpg?v=1662548853)
![スズキGT380|空冷全盛に現れた日本初の2スト水冷車:[’71-]スズキGT750〈青春名車オールスターズ〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2022/09/016_09-768x512.jpg?v=1662549002)
![スズキGT550|空冷全盛に現れた日本初の2スト水冷車:[’71-]スズキGT750〈青春名車オールスターズ〉](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2022/09/016_10-768x512.jpg?v=1662548863)
























