当サイトが追っているチーム加賀山の“鐵隼(テツブサ)”プロジェクト。テイストオブツクバ(T.O.T)SATSUKI STAGEを来週の5月15日に控え、ついに鐵隼が筑波サーキットでシェイクダウン。ライダーを務める加賀山就臣が初めて走らせたインプレッションはいかに!?
●文と写真:佐藤寿宏 ●外部リンク:Team KAGAYAMA
初テストで早くも59秒台に突入!
前回の記事でチーム加賀山のワークショップであるライドウィンに伺い、ようやく形になった状態の鐵隼を紹介した。そして5月6日(金)、茨城県・筑波サーキットで行われたLAND SHAK Racingの走行会にて、予定通りシェイクダウンテストが行われた。乗り手はもちろんチーム代表も務める加賀山就臣だ。
まずはポジション合わせからスタートし、走行を開始する。しかし、想定していたサスセットが合わず、前後サスペンションのセットを大きく変更。ステップのポジションも変更するのに、加賀山が自ら工具を持って作業。チーフメカニックの斉藤雅彦は、ECUのセットを進める。
「ハヤブサはただでさえ重量があるものを鉄フレームにしたことで、さらに拍車をかける重さになっている。その辺りを想定したサスペンションセットをしてきたけれど、それがハマってくれなかった。重量から来る不具合も多々出ているけれど、レーシングスピードで走れないというものではないので、現場でアジャストできることをやっていった」
試行錯誤を繰り返しながらもラップタイムは59秒台に入ってくる。ここで油温の問題が出て来たため、斉藤がアッパーカウルのインテークまわりにも穴を開ける。この辺は、ビジュアルも担当する野口メカに気を使いつつの作業だが、かなり効果はあったそうだ。オイルクーラーの位置を変えることも考えているというが、本番までに間に合うかどうかというところだ。
安全にレーシングスピードで走れる!
昨年秋のT.O.T以来のサーキット走行だという加賀山だったが、やはりバイクに乗ることは楽しそうだ。無事にシェイクダウンを終えた感想はどんなものだったのだろうか。
「走っていて大きく振られるということはなかったし、59秒台で周回できている。安全に乗れる状態に仕上げてくれた斉藤と野口に感謝だね。これもカタナ1000R(カタナフレーム+GSX-R1000エンジンのチーム加賀山オリジナルマシン)で3号機まで製作した経験が生きている」
「ただ、やはりエンジンが1300ccもあると、今まで経験のないシフトショックが出たり、ECUの設定が全然違ったり、辛うじてレーシングスピードで走れているけれど、色々な不具合を修正していかないといけない。ハヤブサはバックトルクリミッターがないのでそこもかなり苦労しているけれど、T.O.Tはそういうレースなので、人間が操作してやれることを訓練中。人間アジャストをしていかないとね」
「ともあれ、想像していたよりファーストインプレッションは良かった。いろいろ課題が残っているので、ワークショップに持ち帰って、今までの経験を全て放り込んでレースウイークで勝負したいね」
鐵隼が参戦するT.O.T SATSUKI STAGE・ハーキュリーズクラスの本戦まで、約1週間に迫ってきた。レースにも全力で挑みながら、ハヤブサオーナーを集めてミーティングも開催する。チーム加賀山の参戦マシンはハヤブサに移行したが、カタナオーナーにも駐車スペースを確保し、引き続きチーム加賀山を応援しながらレースを楽しんでもらいたいとイベントを企画している。そしてファンと共にストーリーを作り上げたいと、クラウドファンディングでの応援プロジェクトも実施中だ。ぜひ下記よりチェックしていただきたい。
※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
ハヤブサ 概要 13年ぶりの全面刷新で生まれ変わった3代目ハヤブサ。コンセプトである"アルティメットスポーツ"を継承し、ボディワークはさらに空力性能を追及。ユーロ5対応となった新エンジンは試行錯誤を重[…]
あなたにおすすめの関連記事
ポイントさえ抑えたら、後はオレが何とかする! 鐵隼(テツブサ)はテイストオブツクバの最速クラスであり、鉄フレーム車しか出場できない「ハーキュリーズ」クラスを制覇するためにチーム加賀山が製作中の、ハヤブ[…]
「30年前は追われる立場だったのに…(笑)」 「元町 安全・安心Day」は、横浜の観光スポットである元町商店街が安心して暮らせる街づくりを目指して、地元の警察署や消防署とともに交通安全や防災意識の向上[…]
冒頭は鈴木俊宏社長からのメッセージから 「設計者、開発者が次の開発をどうやろうか悩みに悩んで、出てきた回答がこれだよねと。開発途中の車ということでどうかなと思ったけど、非常に乗りやすいバイクに仕上がっ[…]
生物界最速の猛禽類、隼が日本の地に降り立つ! 普段は鷹揚に大空を滑空するかのように、そしてイザとなれば獲物を狙う超スピードは生物界最速の猛禽類が隼だ。その生態をマシンコンセプトになぞらえ、1998年に[…]
トータル性能での無敵化へ 新型ハヤブサのエンジンに求められたテーマは下の4項目。 ①耐久性と寿命の向上②低中速域でより大きな出力とトルクをスムーズに発生すること③最新電子制御による快適性の向上④最高速[…]
最新の記事
- 2025年「56レーシング」チーム体制発表! 13歳の富樫虎太郎は全日本J-GP3フル参戦、新たに9歳の木村隆之介も加入
- Wチャンピオンを手土産に世界に再挑戦!【國井勇輝インタビュー】
- 「いつから、いくら下がる?」ついにガソリンの暫定税率廃止へ! 新原付の地方税額も決着……〈多事走論〉from Nom
- 【2024年12月版】シート高780mm以下の400ccバイク10選! 地面に足が着くのはやっぱり安心
- 「これを待ってた」ホンダ新型CB400フルカウル「CBR400RR/CBR400R FOUR」スクープまとめ「かっけー!」
- 1
- 2