サンデーメカニックがリピーターとなって使用前後の違いがクチコミで広がり、多くのユーザーに注目されているエンジンオイル添加剤「スーパーゾイル」。使用した時の違いが体感できることは、ユーザーなら誰もが嬉しいものだろう。特に2サイクルエンジンについては、”金属同士が擦れ合う”という意味で、4サイクル以上に注意すべきポイントもある。ここでは、モトメカニック編集部にてレストアを終え、本格的に走り始めたヤマハトレールDT1で使用してみた。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:パパコーポレーション
金属部品でも摩耗しやすい2サイクルエンジン向け
爆発燃焼圧力を保持し、往復運動するピストンの気密性を高めるのがピストンリングの役割。4サイクルエンジンのピストンリングは、シリンダーに対してフリー回転できる構造が大きな特徴で、組み立て時には、リングの合口が一致しないように、合口角度を振り分ける指示がある。それは稼働中のピストンリングの合口が一直線に揃わなくするために行うもの。合口が揃ってしまうと、爆発圧力の気密性低下やオイル上がりの原因になってしまうことがあるためだ。
一方、2サイクルエンジンの場合は、シリンダー筒の壁面に吸入ポート/掃気ポート/排気ポートなど、複数の横孔があるため、ピストンリングは”回り止めピン”で固定された中で稼働している(ポートがない部分のシリンダー壁面を合口が上下する)。
4サイクルエンジンのように、2サイクル車のピストンリングがフリー回転可能だと、各ポートに合口やリング外周が飛び出してしまい(リング張力で)、それが原因で噛み込んでしまう=エンジンロックに至ってしまうことになる。そのため、ピストンリング溝には、回り止めのピンがあり、ピストンリングは常に同じ位置をキープして往復運動している。
しかしながら、ピストンリングには気密性を高める張力があるため、ポート通過時にピストンリングがわずかに膨らみ、その出っ張りがポートエッジと物理的に当たってしまう。そのため、2サイクルエンジンには特有の「カチカチッ」といったリング音が発生しやすいのだ。特に、吸排気ポートが大きな高性能エンジンの場合は(カワサキH1/H2やヤマハDT1がその代表例)、このカチカチ音=メカノイズが大きく出やすいことで知られている。2サイクルエンジンには、そんな大きな特徴があるため、金属部品でも摩耗しやすいのだ。
金属同士が擦れ合うことで発生する摩擦熱によって、金属表面を改質再生する大きな効果を持つのが「スーパーゾイル」の特徴だ。4サイクルエンジンオイル用添加剤として誕生し、その効果がクチコミで広がる中で2サイクル車のユーザーにも伝わり、「2サイクル用スーパーゾイルも商品化できないものか…」と要望があったそうだ。
さらにはスーパーゾイル成分をあらかじめ添加済みの「2サイクル用エンジンオイルも商品化してほしい」との要望もあり、2サイクル用シンセティックゾイルが登場した経緯もある。高性能な2サイクル用化学合成油に、スーパーゾイル成分をあらかじめ添加。さらには、旧車ファンが大好きな「赤オイル」を採用した。
組み立て完成当初から、赤オイルの2サイクル用シンセティックゾイルを利用してきたのが、モトメカニック編集部のヤマハDT1。オイルタンク内残量が減ってきたので(すでに数千キロ走行済み)、新たに1L強の赤オイルを充填した。DT1に限らず、乳白色の樹脂製分離給油オイルラインを採用したモデルなら、エアー噛みやオイルの流れをひと目で確認しやすいのも赤オイルの特徴だろう。
今回は、ドライブチェーンの洗浄とグリスアップも同時に行ってみた。吹き付け作業を気兼ねなくできるように、あらかじめ新聞紙などでドライブチェーンまわりを養生しておくのが上手な作業方法だ。思い切って吹き付けよう!!
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