初めてのバイクが最後のバイク!? 大好きすぎる相棒です〈ハーレーのある暮らし〉

フロントフォークカバーやプライマリーケースをブラックアウトしたソフテイルを愛車に、埼玉の老舗ディーラー・ハーレーダビッドソン川口でアパレル担当としてライダーのファッションをコーディネートする江口美紀さん。このプロフィールだけを見れば、誰もが筋金入りのハーレー乗りの姿をイメージするはず。ところが江口さん、ほんの8年前まではバイクとはまったく無縁の生活を送っていたというのだから驚く。そんな彼女のハーレーライフを紹介する。


●文/写真:ウィズハーレー編集部(栗田晃) ●外部リンク:ハーレーダビッドソン川口

バイク経験ゼロからソフテイルオーナーに

「昔からバイクと言えばハーレー、という漠然とした印象はありました。バイクに興味を抱くきっかけとなったのもハーレーでした。ただ、本当に自分に乗れるのかしら? とも思っていましたね」と江口さん。通学のために原付スクーターに乗ったことはあったものの、大型バイクとの接点はゼロだった。

ただ「バイクっていいなぁ」と夢想していた頃から、興味があったのはハーレーだけで、日本製/ドイツ製/イタリア製のバイクには一切関心がなかったというから、一本筋が通っていたのは間違いない。

そんな日常に転機が訪れたのは8年前。事務職に就きながら「バイク/ハーレー/仕事」をキーワードにインターネットで仕事探しをしていた時に、ハーレーダビッドソン川口のスタッフ募集が目に入った。この時点ではバイクの免許も持っていなかったが、「とにかくハーレーに興味があるので、この仕事をやりたいです。とアピールしました」

経験や知識があるに越したことはないが、ショップのスタッフとして働くには積極的/意欲的である方がむしろ重要で、その点で申し分のない江口さんは即採用となり、’13年5月からアパレル担当スタッフとしてハーレーと毎日接する生活がスタートした。

江口さんが担当するアパレルエリア。「入社前はハーレーダビッドソンに純正アパレルがあることを知らず、研修やショップスタッフにアドバイスを受けながら勉強してきました。定期的にリリースされる新製品を客様のスタイルや好みに合わせておすすめしています」

バイクの免許については、入社が決まってから教習所通いをスタート。スクーター経験しかなかった江口さんにとって、初めてのバイクは大きく重かったが、「当時、バージンハーレーに出ていたググ(古澤恵)さんを見てモチベーションを上げてました」と、普通二輪/大型二輪へとステップアップ。

そしてついに、遠い憧れだったハーレーダビッドソンを手にする時がやって来る。職場に試乗車がある、という希有な環境の中、スタッフとマンツーマンにてスポーツスターで練習し、慣れてきたらソフテイルにも試乗。初めてのバイクとしてはスポーツスターが無難かもしれないが、「車体は大きくて重いけど、シートが低くて安定性が良く、長距離を走るときにフットボードがラクで、”私にはこれしかない!”」とソフテイルを購入。

ハーレーダビッドソン川口に勤務して’21年で9年目となった江口さんにとって、ハーレーとの毎日は充実感しかないという。自分自身の生き方を決められるのは自分だけ。江口さんはこれからも迷いなくまっすぐ走り続けるに違いない。

「最初はノーマルで乗るつもりでした」という愛車は、’14年式のFLSソフテイルスリム。来店するユーザーが自分好みのスタイルにモディファイする様子に、「これもハーレーの楽しみ方なんだ」と目覚め、メカニックと相談しながら一歩ずつ進めてきた。カスタムのテーマは「全部黒!!」。クロームメッキパーツを徐々に交換していた’16年にFLSSが登場し「私がやりたかったことだ!!」と驚いたが、完成形が近づいた現在はこの1台をずっと乗り続けると決めているそうだ。

「バイクもクルマも乗り物は全部黒が好きなんです」との言葉どおり、フロントフォークやLED ヘッドライトのトリム面までブラックアウトして精悍な印象を演出している。

’21年は新型コロナウィルスの影響で見合わせているが、ショップ主催のチャプターツーリングではコース選定も担当。江口さんが幹事の回は参加者が俄然張り切るとのウワサも。

「私自身、ハーレーってどんなものだろう? という状態からこの仕事を始めました。だから『乗ってみたいな』と思ったら気軽に来店してほしいですね」と語ってくれた。


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