見た目はほぼノーマルのライトカスタムされたXL1200Xフォーティーエイトだが、じつはハンマーパフォーマンスのボアアップキットが組み込まれ、排気量が1275ccにまでスケールアップしている。まさに”羊の皮を被った狼”と呼べるのが、フォレストウィングのカスタムしたフォーティーエイトだ。このカスタムマシンの試乗レポートをお届けする。
●文:ウィズハーレー編集部(青木タカオ) ●写真:磯部孝夫 ●外部リンク:フォレストウイング
ノーマルルックの反則技、実は1275cc化!!
太くてたくましいフロントエンドに、小振りなフューエルタンクを装備した独自のボバースタイルで絶大な人気を誇るXL1200Xフォーティーエイト。ストリートで注目を集めるスタイリッシュさが大きな魅力だが、走りの性能を考えれば決して一線級とは言えない。
しかし、走りに妥協して満足が行くわけがない。1200Xは見た目の良さだけではないことを証明しているカスタムを紹介しよう。
“能ある鷹は爪を隠す”とは、こういうことを言うのだろう。見た目はほぼノーマルのライトカスタムでしかない。詳しい人が見れば、タンクグラフィックから’13年式と分かり、前後ホイールがクロススポーク仕様からキャスト化されていることに気づくかもしれない。
他にカスタムポイントは、マフラーがクロムワークス製のスリップオンになっていて、ウインカーの位置が変わりバイザーが追加されていることぐらいか。特に目を引く強化ポイントは見当たらない。
しかし、アクセルを開けるとどうだ。発進加速に力強さがあり、高回転もよりパワフルに回っていく。スロットルレスポンスも鋭く、フォレストウィングが得意とするインジェクションチューニングを施しただけとは到底思えない。
同社代表の奥藤氏に聞くと、ハンマーパフォーマンスのボアアップキットが組み込まれ、排気量が1275ccにまでスケールアップされているとのこと。純正エアクリーナケースカバーには、あえて「1200」のプレートがそのまま残され、羊の皮をかぶった狼を粧っている。
わずか75ccというなかれ、その効果は絶大で、馬力にすれば10psアップは手堅く、ボアアップキットを組み込む価値は大いにある。中間加速ではピックアップが良くなり、高速道路などハイスピード域からの追い越しでも余裕をもたらす。マフラーが奏でるサウンドもより重低音が効いて、迫力を増している。
ハンマーパフォーマンスのボアアップキットは883ccにも対応しているが、奥藤氏によれば、フォーティーエイトのような1200モデルに組み込むのがベストマッチングだという。
まず、XL883と1200は排気量の違いだけでなく、ノーマルでもそれぞれでシリンダーヘッドが異なり、XL1200はより混合気を多く取り込めるハイフロー仕様となっているから、1275cc化したときの相性が抜群に良く、高回転までしっかりと回る。インジェクションチューニングを前提とし、カム交換なら90ps、さらに手を加えれば100psも見えてくると奥藤氏は自信を見せる。
もちろん883→1275cc化の効果も絶大で、特に街乗りで多用する低中回転域でのトルクアップは目を見張るものがあることも付け加えておこう。
軽い足まわりが、運動性能を高めていることも忘れてはならない。グライドのアルミ鍛造ホイール・9Sや、ワールドウォークのアジャスタブルサスペンションが軽量化に貢献し、ハンドリングを軽快にしている。心臓部の強化に伴い、さりげなく足もとも引き締めているあたりも心憎い。何度も言うが、見た目はほとんどノーマルなのに…。
ここで気づく。そうか、48カスタムで虚栄を張ることなど、要らぬことであると。
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