硬派カワサキを象徴するモデルだった

これぞカワサキ「Z900RS」へと続く血統だッ!歴代網羅”Z”ヒストリー【その4:フェックスほか】

歴代網羅”Z”ヒストリー【その4:フェックスほか】

世界一を獲らなければ、生き残れない。熾烈な覇権争いのさなかに”Z”の名を持つバイクが生まれたのだった。900Super4″Z1″登場から半世紀。その伝説と憧れは、Z900RSへと確かに続く。その前時代を築いた、空冷Zの歴史とたゆまぬ進化を紐解いてみる。ここでは最後に”その4″として、Z400FX”フェックス”、ほか小排気量系を紹介しよう。


●文:ヤングマシン編集部(伊藤康司)

’79 カワサキZ400FX[E1]

中型クラスで4気筒ブームを生んだ立役者

ホンダCB400FOURの生産終了で長らく不在だった400cc 4気筒を復活させ、4気筒ブームに火をつけた大人気車は、Z1/2同様に同クラス4気筒で初のDOHC。同時に発売した輸出モデルのZ500は後に550ccに排気量アップし、国内でもZ550FXとして販売された。Z400GPにチェンジする際、’82年1月発売の限定車(E4A)が最終モデルになるはずだったが、FXの人気は収まらず、’82年12月にE4Bとして復活して’83年も販売。またGPz400まで発展したFX系の空冷四発は、’89年のゼファーで復活した。

【’79 Z400FX E1】■空冷4スト並列4気筒DOHC2バルブ 399cc 43ps/9500rpm 3.5kg-m/7500rpm ■189kg(乾燥) タイヤF=3.25-19 R=3.75-18

“フェックス”の系譜

’80 Z400FX[E2]

Rホイールの幅を1.85→2.15に拡大し、燃料コックを改良。ヘッドライト下にKawasakiロゴが入ったステムエンブレムを装備した。

’81 Z400FX[E3]

スイングアームのピボット部の構造を変更。ヘルメットホルダーが新設され、ダウンチューブに装着していたサイドリフレクターを廃止。

’82 Z400FX[E4]

トランジスタ点火になり、セミエアのFフォークや減衰調整付きRショック、チューブレス対応のホイールなど足まわりを大幅にリファインした。

’82 Z400GP

フルチェンジで各部を見直したエンジンは48psにアップ。モノショックのユニトラック・サスを装備。ライムグリーンの特別仕様車も発売。

’83 GPz400

カウル装備モデルにフルチェンジ。エンジンはFXやZ-GPベースだが、ショートストローク化して51psに向上。’85年から水冷のGPZ400Rに移行。

Z400以外にも小排気量のZが数多く存在した

“スモールZ”と言えば現在はZ125PROがあるが、’77年に登場した空冷単気筒のZ200が元祖かも。このエンジンをベースに排気量を拡大した250はオフ車やロードスポーツ、アメリカンと多くの車体に搭載された。またZ250FTの2気筒エンジンは、海外では305㏄に拡大され’90年代後半まで現役だった(GPz305 BLT)。

Z250FT

’79年登場。250専用フレーム(400共通が多かった)に搭載する新設計の空冷2気筒OHCエンジンは、当時の4スト250cc最強の27ps。Z400FX系の直線的なスタイルを纏う。

Z250FS/LTD

カワサキ初の4ストトレール車KL250と共通の単気筒OHCエンジンを搭載するロードスポーツ(Z250FS)と、本格アメリカン(Z250LTD)が’80年に発売された。写真はLTD。


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