トライアンフモーターサイクルズジャパンは、『スラクストンRS トンアップエディション』、『ストリートツイン EC1スペシャルエディション』、『ロケット3 221スペシャルエディション』の4種の特別仕様車を発売する。いずれも今期のみの限定生産となっており、トライアンフの歴史と伝統をさらに強調するモデルとなっている。
●文: 山下剛
『スラクストンRS トンアップエディション』●価格:202万7000円
車名に冠された「トンアップ(ton-up)」とは、100mph(時速換算すると約160km/h)を超えたという意味だ。これはマン島TTレースにおいて1969年、トライアンフを駆ったマルコム・アップヒル選手が、史上初となるトンアップでの勝利(平均速度100mph)でコース記録を塗り替えたことに由来する。
そして同時期、ロッカーズに代表されるカフェーレーサーカルチャーとともに、ブリティッシュモーターサイクルカルチャーとモータースポーツを過熱させる要因となったのだ。
そんな歴史を体現した特別仕様車は、燃料タンクのシルバーとシートカウルのブラックのラインは、職人による手描きであしらわれるこだわりようだ。ヘッドライトケースとリアマッドガードと同色のジェットブラックでペイントされるサイドパネルを『Truxton RS Ton Up』のロゴが飾り立てる。
専用パーツも豊富におごられており、マットアルミニウムシルバーのフォークプロテクター、ブラックアウトホイール、エンジンカバー、RSUスプリングなどを装備する。また、スラクストンRSの専用パーツである、Monzaスタイルフューエルフィラーキャップ、ブラシ仕上げステンレススチール製ツインアップスウェプトサイレンサー、シングルブレットシート、ブラックバーエンドミラーももちろん備えている。
1200cc水冷並列2気筒エンジンはユーロ5に対応しつつ、105ps/7500rpmの最高出力を発揮。また、4250rpmの中回転域で112Nmの最大トルクを発生するため、扱いやすくパワフルな特性となっている。排気系には、ツインリバースコーンメガホンサイレンサーを装着する。
そのほか、SHOWA製43mm径フルアジャスタブル倒立フォーク、オーリンズ製フルアジャスタブルツインリアショック、ブレンボ製M50モノブロックブレーキキャリパー、メッツラー製レーステックRRなど、トライアンフ伝統のスポーツツインの走行性能を確固たるものとしている。
TRIUMPH THRUXTON RS TON UP EDITION[2022 model]
主要諸元■全長未発表 全幅745 全高1030 軸距1415 シート高810(各mm) 車重217kg(装備)■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 1200cc 105ps/7500rpm 11.42kg-m/4250rpm 変速機6段 燃料タンク容量14L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=160/60ZR17 ●価格:202万7000円 ●発売時期:2021年12月下旬以降
『ストリートツイン EC1スペシャルエディション』●価格:119万5000円
車名のEC1とはロンドン市内の郵便番号で、イギリスのトレンドを生み出す発信地だ。また、ロンドンで活躍するデザイナーたちの間でもここ数年間、モダンクラシックなバイクのカスタムが評価を受けている。そんな実情を反映した、モダンで都会的なエッセンスをちりばめられたネオクラシックモデルが、このストリートツインなのだ。
マットアルミニウムシルバー×マットアイスでペイントされた燃料タンクのライニングは手描きされ、専用となるEC1グラフィックとトライアンフエンブレムが華を添える。z年後フェンダーやサイドパネルも同色系でまとめられ、クールなカラースキームを演出している。
シルバー系をよりいっそう映えさせているのは、10本スポークの軽量ホイール、ヘッドライトケース、ミラー、エンジンカバーのブラックペイントだ。
エンジンはユーロ5に適合する900cc水冷並列2気筒で、最高出力は65ps/7500rpm、最大トルクは80Nm/3800rpmを発揮。低中回転域から大きなトルクを生み、十分なトップスピードを誇る。
ブレーキにはブレンボ製4ピストンキャリパーをフロントに装備し、タイヤはピレリ製ファントムスポーツコンプが標準装備となる。
トライアンフの伝統を受け継ぐクラシカルなスタイルの中にも、ABSや切替式トラクションコントロールなど、最新の電子制御テクノロジーを装備。快適性と安全性を確保している。
TRIUMPH STREET TWIN EC1 EDITION[2022 model]
主要諸元■全長未発表 全幅780 全高1115 軸距1450 シート高765(各mm) 車重217kg(装備)■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 900cc 65ps/7500rpm 8.16kg-m/3800rpm 変速機5段 燃料タンク容量12L■タイヤサイズF=100/90-18 R=150/70Z17 ●価格:119万5000円 ●発売時期:2021年12月下旬以降
『ロケット3 GT / R 221スペシャルエディション』●価格:291万円(GT)/284万円(R)
2458cc水冷縦置き並列3気筒エンジンという唯一無二のパワーソース。そのトルクをダイレクトに路面へ伝えるシャフトドライブ機構。ロケット3の存在感は、トライアンフが伝統だけではなく革新とロマンを追い求めるメーカーであることの象徴だ。
このたびの特別仕様車には『GT』と『R』の2タイプがあり、主な違いはライディングポジションだ。GTにはツーリング向けのハンドルバー、Rにはロードスタースタイルのハンドルバーが装着されるほか、シート高はGTが750mm、Rが773mmとなっている。さらにフットコントロールはGTが3種、Rは2種から選択できるようになっている。また、GTにはグリップヒーターが装備される。
エンジンやシャシーの仕様はGTとRで共通となる。
車名の221は世界最高峰となる221Nmの最大トルク値に由来するもので、燃料タンクの両サイドに「221」のデザインロゴがあしらわれるだけでなく、タンク上面にはエンジンの諸元がラベリングされる。
ボディは鮮やかなレッドホッパーとサファイアブラックの2色を巧みに配置したデザインで、シンプルながらも艶のあるカラースキームで彩られる。
167ps/6000rpm、221Nm/4000rpmものパワーとトルクを受け止めるシャシーには、SHOWA製47mm径カートリッジ式倒立フォークと、同社製ピギーバックリザーバーRSUのモノショックだ。ブレーキはブレンボ製スタイルマ4ピストンラジアルモノブロックキャリパーがおごられ、強力な制動力と繊細なコントロール性を発揮する。
電子制御テクノロジーでは、コーナリングABSやコーナリングトラクションコントロール、4種のライディングモードなど、ロケット3のベースモデルに搭載されるすべての機能を標準装備している。
TRIUMPH ROCKET 3 GT / R 221 EDITION[2022 model]
主要諸元■全長未発表 全幅886[920] 全高1066[1065] 軸距1677[1675] シート高750[773](各mm) 車重321kg(装備)■水冷4ストローク直列3気筒DOHC4バルブ 2458cc 167ps/6000rpm 22.55kg-m/4000rpm 変速機6段 燃料タンク容量18[20]L■タイヤサイズF=150/80R17 R=240/50R16 ※[ ]内はR ●価格:GT=291万5000円、R=284万円 ●発売時期:2021年12月下旬以降
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